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知っておくべきこと がん治療

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「PSA値」は、どうして検査する必要があるの?

回答:前立腺癌のスクリーニング検査ができるから

 「PSA(prostate specific antigen)」は「前立腺特異抗原」のことで、前立腺に異常があると血液中に大量に放出され、濃度が高くなります。他の臓器で異常があっても数値は変わらないため、前立腺の異常を調べるための指標となっています。

 また、前立腺癌でも数値に変化がみられるため、前立腺癌の腫瘍マーカーとしても利用されています。

 通常は2ng/mL以下で、加齢に伴って増えていきますが、50歳でも4ng/mL以下が標準です1)。これを上回る値が出た場合、前立腺肥大症や前立腺癌などの異常を疑う必要があります。

 1) アステラス製薬(株)Webサイト 知っておきたい予備知識~前立腺癌

 前立腺癌を早期発見する目的のほか、治療中の前立腺癌の経過や、再発を見つけるためにも利用されます。

詳しい回答:前立腺癌は見つけにくい

 前立腺癌は、癌の中では比較的予後が良好で、第Ⅲ期までの前立腺癌であれば5年生存率が100%です。
 また、全体では5年生存率が17.7%である第Ⅳ期に至っても、前立腺癌であれば54%と非常に高いのが特徴です2)。

 2) 独立行政法人国立がん研究センター がんの統計2011

 このように発見して治療を始めることができれば、予後の良いものですが、初期症状がほとんどなく、自覚症状が出てきたときには手遅れになっているケースが多くあります。

 実際、前立腺癌が発見されたとき、既に第Ⅳ期に至っているケースが全体の19.1%も存在しています。これは癌全体の16.6%と比べても高く、”進行するまで気付きにくい癌”であることがわかります2)。
 また、進行すればするほど「転移」の危険性も高まります。PSA検査を導入する以前は、既に転移した状態で見つかることが60%ほどあったのに対し、導入後は10%にまで減ったとされています1)。

 PSA値は初期の前立腺癌の状態から数値増加として現れるため、早期発見のために極めて重要です。

 血液検査として手軽に行える検査のため、50歳を過ぎたら1年に1回は定期検査することをお勧めします。また、父親や兄弟に前立腺癌の人が居る場合は、40歳を過ぎた時点で一度検査しておくことをお勧めします。

前立腺がんの治療でも活用する

 前立腺がんは、薬物治療によって治療・コントロールすることが可能です。

 しかしその場合、「抗アンドロゲン薬」を続けて使っていると、次第に薬が効かなくなってくることがあります。その場合は、同じ「抗アンドロゲン薬」に分類される別の薬に切り替えることで、再び治療効果を高めることができます

 こうした病勢を把握するためにも、PSA値は定期的に検査し、そのデータが利用されています。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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