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知っておくべきこと 妊娠、授乳

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妊娠中はできるだけハーブ等の自然素材の製品を使った方が良い?

回答:むしろ使わない方が良い

 妊娠中は、ハーブ製品をはじめとする「健康食品」の摂取はなるべく避け、通常の食事から栄養をしっかり摂ることをお勧めします。必要な場合は必ず医師・薬剤師・栄養士などの専門家と相談の上で使用するようにしてください。

 特にハーブ製品の使用が勧められない理由として、以下のものが挙げられます。

①ハーブには、子宮筋を刺激するなど流産を誘発する作用を持つものがある。

②ハーブ製品には医薬品と相互作用を持つものがあるため、いざという時に使用した薬が効かなかったり、逆に効き過ぎたりする可能性がある。

③ハーブ製品には重金属や農薬などの成分が混入している可能性がある。また、医薬品と異なり厳密な品質検査を受けていないことが多い。

 いずれもハーブそのものを少量使用する程度であれば大きな問題にはなりませんが、加工された健康食品などでは知らない内に過剰摂取になる危険があります。”自然素材”や”天然成分”であれば大丈夫、という誤った認識でハーブを使用することは非常にリスクが高いと言えます。

 日常的にハーブが盛んに利用されている欧米では、各国の保健機関から「妊娠中は使用しないこと」が推奨されています。
 

薬剤師としてのアドバイス:全ては量の問題

 例えば、パセリに何かしらの薬理作用があるとします。

 パセリをどんぶり1杯、毎日食べ続ける人は普通に考えて居ません。そのため、パセリに含まれる何かの物質を過剰に摂取する、といった事態はほとんど起こりません。

 しかし、パセリから抽出したオイルだったり、パセリの成分を濃縮したサプリメントだったりする場合、その1滴、その1錠には”パセリどんぶり1杯分”が含まれている可能性があります。このとき、何らかの物質を過剰摂取する可能性が生じてきます。

 つまり、自然のままの状態・・・果物として、調味料として、薬味として使用する分には、過剰摂取になる恐れはほとんどありません。しかし、何らかの加工製品になった状態で摂取した場合、過剰摂取になる恐れが生じます。

 レストランで食事をしていた際、ステーキにハーブが乗っていたら食べたらダメなのか、と聞かれたら、別にそのくらい大丈夫、という返答になります。

 しかし、ハーブから抽出した精油の健康食品を毎日食べると母子の健康に良いか、と聞かれたら、悪い影響があるかもしれないから止めた方が良い、という返答になります。

回答の根拠:ハーブの薬理作用

 ほとんどのハーブは適量であれば大きな問題になりません。しかし先述のように、加工された状態で摂取すると過剰になる恐れがあります。

 過剰摂取になった場合、流産を誘発する作用を発揮するハーブが存在します。

※過剰摂取により流産誘発作用を発揮する恐れのあるハーブの例 1)
アロエ(Aloes)
アサフォティアダ(Asafoetida)
マリーゴールド(Calendula)
カモミール(Chamomile)
ルイヨウボタン(Cohosh)
ユーカリ(Eucalyptus)
ポインセチア(Euphorbia)
ナツシロギク(Feverfew)
ゲンチアナ(Gentian)
ニガハッカ(Horehound)
ツボクサ(Hydrocotyle)
マザーワート(Motherwort)
リコリス(Liquoris)
セイヨウイラクサ(Nettle)
ペニーロイヤル(Pennyroyal)
ラズベリー(Raspberry)
サッサフラス(Sassafras)
ナズナ(Shepherd’s Purse)
カイソウ(Squill)
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort)
バーベナ(Vervain)
セイヨウノコギリソウ(Yarrow)

 1) Safety of Herbal Medicinal Products MCA(旧英国医薬品規制庁)

 先述のように、ここに「アロエ」が入っているから「アロエが入ったヨーグルト」を食べてはいけない、というわけではありません。そのまま食べる分には過剰摂取になる恐れはほとんどありません。

 「アロエ」を素材にしたハーブ製品の場合、過剰摂取になる恐れがあるため避けた方が無難である、という意味です。

 妊娠中の偏った食事は母子ともに悪影響を与えます。インターネット上に溢れる大げさな情報に惑わされたりしないよう、不安に思ったことは必ず医師・薬剤師など専門家に直接相談するようにしてください。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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