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知っておくべきこと 副作用

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犬や猫の”目ヤニ”が酷い。人間用の目薬を使っても良い?

回答:使わない方が良い

 効果がある・ない、といった議論の前に、こうした不適切な薬の使用をした場合、何かトラブルが起きても一切の補償を受けることができません。 

 そもそも、犬や猫とヒトとでは、ホルモンや生理活性の調節など様々なシステムに違いがあります。

 ペットのことを想うのであれば、そんな不適切な自己流の治療を行うべきではありません。

回答の根拠:薬によるトラブルの補償は、あくまで”正しく使っていた”場合のみ

 薬は、正しく使っていても副作用などのトラブルに見舞われる可能性があります。

 こうした不可避なトラブルについては、「医薬品副作用被害救済制度」などの公的機関の補償を受けることができます。
 しかし、こうした制度を受けられるのは、”正しく薬を使った”場合に限られます。

 人間用の薬を、犬や猫などの動物に使ったような場合は、当然”正しい使い方”にはならず、メーカーによる補償なども一切受けられない可能性があります。

薬剤師としてのアドバイス:動物の薬は獣医に相談を

 犬がネギ類を食べると中毒を起こすことは有名です。一方、人間はネギ類を平気で食べます。
 また、人間にとっては虫歯にならない甘味料「キシリトール」は、犬にとっては急激な低血糖を起こす毒物です

 このように、たとえ同じ哺乳類であっても、どういった成分が毒になるのか全く異なります。

 人間用の薬は、当然人間が安全かつ有効に使えるように作られたものであって、犬や猫に使うことを想定していません。
 極端な話、ネギやキシリトールのように人間には無害でも、犬や猫にとって有害な成分を使っている可能性は大いにあります。

 動物用の薬は、必ず獣医に相談するようにしてください。

 なお、薬剤師は人間用の薬の専門家ですが、動物用の薬については詳しくないことがほとんどです。何か相談する場合は、薬局よりも動物病院を頼ることをお勧めします。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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