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ステロイド(外用) 薬の誤解

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ステロイドの塗り薬を使うと、副作用で皮膚が黒く変色してしまう?

回答:ならない

 ステロイドの塗り薬に、皮膚を黒くするような効果・副作用は、一切ありません。

 ステロイドの塗り薬を使っているときに皮膚が黒っぽくなるのは、薬のせいではなく、炎症が長く続いていることが原因です。そのため、ステロイドの塗り薬を使って炎症を早めに治す必要があります。

回答の根拠①:炎症による皮膚の着色を、副作用と間違う

 ステロイド外用剤には、皮膚を黒くするといった色素沈着やそれに関連した副作用は確認されておらず、添付文書にも記載がありません。
 一方、皮膚で強い炎症が起きた場合や、炎症が長く続いている場合には、皮膚にメラニン(色素)沈着が起こって黒っぽくなったり、厚くなったりすることがあります1)。

 1) 「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」 ステロイド外用療法一般向けQ&A

 そのため、炎症が原因で起きた色素沈着を、その時に使用していたステロイド外用剤が原因で起きたものだと誤解してしまうことがあります2)。
ステロイドと皮膚の色素沈着

 2) 日本皮膚科学会 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」,(2008)

回答の根拠②:誤解が生まれた原因~メディアのバッシング

 ステロイド外用剤を塗布すると、一時的に皮膚の血管が収縮します。そのため、塗布すると一時的に肌が白くなったように見えます。

 このことから一時期、「美白」のため強力なステロイドを何年も長期間に渡って顔に塗布し続けるという誤った使い方が流行したことがあります。
 その結果、「皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)」副作用が起こり、皮膚の下の血管が透けて見え、顔が赤黒く見えるようになってしまった、という事例が起こりました。

 この事例が、因果関係を曖昧にしたままメディアによってセンセーショナルに報道されたため、「ステロイドを塗ると皮膚が黒くなる」という誤解が生まれました。

薬剤師としてのアドバイス:皮膚が薄くなる副作用は、正しい使い方をしていれば起こらない

 先述の皮膚が薄くなる副作用は、手や足など皮膚の厚い部位に使う強いステロイド外用剤を、皮膚の薄い顔へ使うといった誤った方法で、それも何年もの長期に渡って使い続けたために起きた副作用です。
 こうした副作用は、定期的に医師の診察を受け、薬の強さ、塗布する場所、塗布回数を守って使用している限り起こる心配はありません。

 ステロイドの塗り薬は強さが5つのランクに分類されており、塗布する部位の皮膚の厚さによって厳密に使い分けを行います。そのため、顔と手で違うステロイドが処方される、といったことが起こります。
 さらに、塗る薬の量も、塗る面積によってある程度の目安が決まっています。

 たかが塗り薬と侮らず、薬は医師・薬剤師の指示通りに正しく使うようにしてください。
 

+αの情報:皮膚の着色を防ぐ薬

 ビタミンC製剤である『シナール配合顆粒(一般名:アスコルビン酸 + パントテン酸)』には、色素「メラニン」の形成を抑え、炎症後の皮膚の着色を防ぐ効果があります3)。

 3) シナール配合顆粒 添付文書

 そのため、炎症が強く起きている場合などは着色を防ぐ目的で使用することがあります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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