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似た薬の違い ビタミン

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『ロイコボリン』と『フォリアミン』、同じ葉酸の薬の違いは? ~保険適用と値段による使い分け

回答:効果が高い『ロイコボリン』、値段が安い『フォリアミン』

 『ロイコボリン(一般名:ホリナート)』と『フォリアミン(一般名:葉酸)』は、どちらも「葉酸」の薬です。

 「葉酸」として効果が高いのは『ロイコボリン』、薬の値段が安いのは『フォリアミン』です。
ロイコボリンとフォリアミン2
 関節リウマチの治療薬『リウマトレックス(一般名:メトトレキサート)』の副作用軽減に保険適用があるのは『ロイコボリン』だけです。しかし、『ロイコボリン』は『フォリアミン』の90倍近く高価なため、日常的な副作用防止には『フォリアミン』がよく使われています。

回答の根拠①:「活性型葉酸」の『ロイコボリン』と、副作用への適応

 『ロイコボリン』は、体内で「活性型葉酸」となって効果を発揮します1)。このことから、『ロイコボリン』は通常の「葉酸」よりも高い効果が期待できます。

 1) ロイコボリン錠 5mg 添付文書

 そのため、『ロイコボリン』は単なる「葉酸」の補充ではなく、『リウマトレックス』などの「葉酸代謝拮抗薬」の副作用軽減を目的に使います1)。 
 実際、『リウマトレックス』で重篤な副作用が起きた場合には、より効果が高く、保険適用もある『ロイコボリン』を使うようガイドラインでも推奨されています2)。

 2) 日本リウマチ学会 「関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン」,(2016)

回答の根拠②:保険適用と値段の問題~『フォリアミン』の使用

 『リウマトレックス』など「葉酸代謝拮抗薬」の副作用を軽減する、という使い方に保険適用があるのは『ロイコボリン』だけで、『フォリアミン』にはありません1,3)。

 3) フォリアミン錠 添付文書

 しかし、『ロイコボリン』の価格は『フォリアミン』の90倍近く、非常に高価です。そのため、日常的な副作用予防としては、安価な『フォリアミン』がよく使われています。
ロイコボリンとフォリアミン~値段による使い分け
※1錠の薬価(2016改訂時)
『ロイコボリン』 5mg・・・・814.50
『フォリアミン』 5mg・・・・9.60

 実際、日常的な副作用予防には『フォリアミン』でも十分に効果が得られるため、ガイドラインでも『ロイコボリン』は重篤な副作用が起きた時、『フォリアミン』は日常的な副作用予防、といった使い分けが言及されています2)。

薬剤師としてのアドバイス:『リウマトレックス』とは、24~48時間あけて服用する

 『リウマトレックス』の治療効果は、「葉酸」の働きを阻害することで発揮されます。
 そのため、葉酸製剤である『フォリアミン』や『ロイコボリン』を同時に飲んでしまうと効果が弱まり、病状が悪化する恐れがあります。

 このことから、『フォリアミン』や『ロイコボリン』は通常、『リウマトレックス』を飲んでから24~48時間後(翌日、あるいは翌々日)に服用します。

 複雑な飲み方には、効果を高めたり副作用を減らしたりする理由があります。自己判断で薬の飲み方を変えたりしないようにしてください。

ポイントのまとめ

1. 『ロイコボリン』は、『リウマトレックス』等の葉酸代謝拮抗薬の副作用軽減に保険適用がある
2. 『フォリアミン』は、1錠9円と非常に安いため、日常的な副作用予防によく使われている
3. 『ロイコボリン』や『フォリアミン』は、『リウマトレックス』と「同時に」飲んではいけない

添付文書、インタビューフォーム記載内容の比較

◆適応症
ロイコボリン(5mg錠):葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減
フォリアミン:葉酸欠乏症・補給、葉酸欠乏による各種貧血、呼吸不全症候群

◆1錠の値段(2016改訂時)
ロイコボリン:814.50(5mg錠)
フォリアミン:9.60

◆剤型
ロイコボリン:錠(5mg、25mg)、注射液
フォリアミン:錠(5mg)、散(100mg/g)、注射液

◆製造販売元
ロイコボリン:ファイザー
フォリアミン:日本製薬

+αの情報①:24~48時間の理由

 『リウマトレックス』と『ロイコボリン』・『フォリアミン』は、24~48時間の間隔をおいて投与すれば、治療効果に影響しないとされています2)。
 一方、『リウマトレックス』が血液中、もしくは筋肉や脂肪中に残っている状態(分布相以内)で『ロイコボリン』や『フォリアミン』を使うと、治療効果が弱まってしまうことがあります4)。

 4) Ann Intern Med.121(11):833-41,(1994) PMID:7978695

 また、『ロイコボリン』や『フォリアミン』の投与で副作用が治まっても、病状が悪化したような場合には、1mg単位で用量を調節することがあります。その場合、「散剤」で微調節ができる『フォリアミン』は非常に便利です。

+αの情報②:『ロイコボリン』は5mgと25mgで別の薬

 『ロイコボリン』には、5mgの錠剤と25mgの錠剤があります1)。

 5mgは、『リウマトレックス』などの「葉酸代謝拮抗薬」による副作用軽減のための薬です。
 25mgは、『ユーエフティ(一般名:テガフール + ウラシル)』などの抗がん剤の作用を高めるための薬です。

 同じ成分でも適応症が異なるため、全く別の薬として扱う必要があります。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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