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薬剤師のありかた 告知情報

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新卒・若手薬剤師にお勧めの「勉強用書籍」の紹介

 これから新卒薬剤師として働き始める人、しばらく離職していたが復帰する人、全く異なる科の店舗に異動になる人は、詳しくない・得意ではない分野の薬を急に扱い始めることになり、どうやって勉強すれば良いか悩むことも多いと思います。

 このWebサイトもそういった勉強の一環として作り始めたものですが、ここでは勉強に役立つお勧めの書籍を紹介しています(随時更新)。

 基礎的なことを学ぶ場合、「教科書」や「ガイドライン」のように、客観的事実や大筋の合意(コンセンサス)が記載されている書籍がお勧めです。
※ガイドラインの中には、Web上で無料公開されているものもあり、参考書として最適です。

「疾患からみた臨床薬理学-第3版」 じほう

 
 もともと薬剤師は薬の特徴や違いを学ぶことは得意ですが、そのためにどうしても「薬のメカニズム→病態」というアプローチをしがちです。そういった癖がついている中で、この本は「病態→薬の選択」という視点で薬を学べる参考書です。引用文献も豊富で、辞書的な使い方、論文探しにも利用できます。

「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2016改訂版」 先端医学社

 
 ピロリ除菌は薬局でもよく扱う事例ですが、検査前の休薬や薬の選び方など、色々と複雑な処方です。
 特に、『ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)』や『タケキャブ(一般名:ボノプラザン)』といった新薬がどういった位置づけをされているか、新しい情報を収集するのに最適です。値段が安い(1,600円)のも良いです。

「JAID/JSC感染症治療ガイド 2014」 ライフ・サイエンス出版


 薬局薬剤師は重篤な感染症に接する機会がほとんど無いため、病院薬剤師と違って抗生物質(抗菌薬)に対する勉強がなかなか深まらない、と感じています。しかし、「用法・用量を守って、最後まできちんと飲み切る」といったなんとなくの理解で終わってしまうのは、大変勿体ないと思います。
 特殊な事例は様々ありますが、この本では大原則、どういった感染症にどの抗生物質を使うのか、効果が無かった場合はどういった順序で変更するのか、その基本を確認することができます。

 少し変わった質問を受けた時に困る、いつもと異なる処方を見たときに処方意図がわからない、といった場合は、教科書的な書籍よりも、文献などの科学的根拠に「エキスパートの解釈や哲学」が添えられた書籍が参考になります。

「抗血栓薬 クリニカルクエスチョン100」 診断と治療社

 
 このところ、新しい経口抗凝固薬が次々と登場し、どういった使い分けが必要か、様々な報告から勉強・情報収集をする必要に迫られています。しかし、いきなり最新の論文を読んで解釈するのは困難です。そのため、まずエキスパートがどういった意図で処方しているのか、その理屈を学ぶのに最適です。
 特に、有名な臨床試験のデータやガイドラインでの扱いを記述しているだけでなく、専門医の一歩踏み込んだ解釈も添えてあるため、大変勉強になります。

「精神科医×薬剤師 クロストークから読み解く精神科薬物療法」 南山堂


 「うつ病」や「統合失調症」・「認知症」などの精神科薬物療法では、処方の変更が多い傾向にあります。こういった変更は、「何かの問題が起きた」ために、以前の処方では対応できなくなったことを意味しています。
 この本では、様々に起こるこうした「問題」を想定して、精神科医と薬剤師が議論しながら処方決定をしていく、というスタイルで、病態や薬の違いを勉強することができます。
 特に、教科書通りには進まないことの多い精神科薬物療法について、海外の文献・エビデンスなども踏まえた解説になっているため、「なるほど、そういう意図があるのか」と納得できます。

「医学のあゆみ」 医歯薬出版 / (※テーマは号によって変わる)

 
 「この分野の薬はだいたいわかるようになってきたぞ」と感じたら、この本で更にエキスパート・オピニオンに触れるのがお勧めです。薬や治療方法がどうやって進歩してきたか、現状の問題はどんなものか、これから期待されていることは何か、これらが豊富な引用文献とともに解説されているため、知識を深めながら整理できます。
 基礎から臨床まで幅広いテーマのものが出版されていますが、内容はなかなか難しいので、まずは得意分野にしたいところ、今所属している薬局でよく扱う分野のところを1つ選んで買うのが良いと思います(上リンクは高血圧の例)。

「極論で語る睡眠医学」 丸善出版

 
 事実、睡眠薬は他の薬と一緒に処方されることが多く、そちらの説明や注意に意識が集中してしまうことがあります。そのため、睡眠薬については「入眠障害か中途覚醒か」くらいの認識で止まってしまいがちです。
 しかしこの本では、そもそも専門医は患者の何を見、どういった思考を経て睡眠薬を処方するのか、といった「哲学」に触れることができます。患者は、たとえ専門医相手でも、いきなり不眠の原因となる生活習慣(プライバシー)を明け透けに話すわけではない、といった実臨床の話だけでも、何か感じるところがあると思います。
 睡眠【医学】となっていますが、ユーモア溢れる文章で、薬剤師でも無理なく読めます。

「マンガでわかる統計学」 オーム社

 
 統計学は大学で習うのですが、だいたい現場で働いているうちに綺麗に忘れます。そして、いざ論文を読もうと思った時に困り教科書を開くのですが、数式だらけで何のことか全然わかりません。そうして統計に挫折してしまう薬剤師が多いのですが、統計は薬を語る上で非常に大切です。
 この本を読んだからといって、統計の深い専門知識が得られるわけではありませんが、統計を敬遠している・挫折しかけている薬剤師が「知識を再確認する」にはちょうど良い土台になると思います。
 「マンガ」で解説する本にはいい加減なものも多いですが、「回帰分析編」も含め、このシリーズは非常に質が高いです。

「異世界薬局」 KADOKAWA

 
 「人を治す」ことに情熱をかける主人公(薬学者・薬剤師)が、中世ヨーロッパくらいの医学水準の世界で、悪戦苦闘しながら医学・薬学の発展に尽力する物語です。
 いま我々は、病気になれば当たり前のように薬を使いますが、その薬はどんな悲劇の上に、どんな想いを乗せて開発されてきたのか、今の薬が凄いものだということを肌で感じることができます。
 「薬学監修」として少し制作のお手伝いもさせて頂いたのですが、日常業務の忙しさで薬の「ありがたみ」を忘れがちな薬剤師には、ぜひ手にとって欲しい物語です。薬を正しく使うことの大切さを知り、薬学に興味を持ってもらえるきっかけにもなれば良いなと思います。

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★「PharmaTribune」にてコラム「今月、世間を賑わした健康情報」連載中です。
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★12月28日のYahoo!ニュース動画「抗生物質が効かなくなる日」に監修として携わりました。

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