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薬剤師のありかた 告知情報

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新卒・若手薬剤師にお勧めの「勉強用書籍」の紹介

 
 これから新卒薬剤師として働き始める人、しばらく離職していたが復帰する人、全く異なる科の店舗に異動になる人は、詳しくない・得意ではない分野の薬を急に扱い始めることになり、どうやって勉強すれば良いか悩むことも多いと思います。

 本Webサイトもそういった勉強の一環として作製・更新していますが、ここでは勉強に役立つお勧めの書籍を紹介しています(随時更新)。
  
本Webサイトが元になった書籍「薬の比較と使い分け100」・「OTC医薬品の比較と使い分け」
仕事を覚えるのが大変なので、とにかく手っ取り早く・効率良く薬の基本を押さえてしまいたい、という人にお勧めです。
(※勉強・情報収集用のブログ紹介はこちら

 

基礎を固めるための教科書

 基礎的なことを学ぶ場合、「教科書」や「ガイドライン」のように、客観的事実や大筋の合意(コンセンサス)が記載されている書籍がお勧めです。特に、ガイドラインはWeb上で無料公開されているものもあり、参考書として最適です。

 

 

「薬物治療コンサルテーション~妊娠と授乳(改訂2版)」 南山堂


 妊娠中・授乳中の薬に関しては、添付文書も「有益性投与」という大原則で書かれているものがほとんどで、現場判断にはほとんど役に立ちません。しかしこの書籍では、妊娠のどの時期に服用すると具体的にどのようなリスクがあるのか、あるいは疫学調査によってリスクが否定されている薬はどれかなど、豊富な臨床試験データを基に、個々の薬剤について安全性評価が示されています。
 1冊8,100円と高価ですが、妊娠中の薬について医師からの問い合わせ・患者からの質問にはこれ1冊でも十分に対応できるほどの充実した内容です。

 

「母乳とくすりハンドブック(改訂3版)」 大分県薬剤師会


 この書籍は、大分県地域保健協議会の「母乳と薬剤研究会」が編纂したもので、各薬剤について「Medications and Mothers’ Milk 17th」・「Drugs in Pregnancy and Lactation 10th」・「LactMed」による安全性評価だけでなく、相対性乳児投与量(RID)や分布容積・分子量・母胎内でのタンパク結合率・母乳/血漿比(M/P比)・pKaなどの薬剤パラメータがわかりやすくまとめられています。
 大分県薬剤師会から送料込み1,500円で送ってもらえるため、授乳中の薬に苦手意識を抱く薬剤師は1冊持っておくことをお勧めします。

 

「総合診療医が教える よくある気になるその症状~レッドフラッグサインを見逃すな!」 じほう

 
 「風邪」や「痛み」・「めまい」の症状などは、薬剤師でも患者から相談されることがあります。このとき、何でも「医師に相談してください」と返すだけでは、患者にも医師にも有益な働きかけをすることができません。この書籍では、薬剤師でも気付ける「レッドフラッグサイン」が根拠とともに解説されているため、ドラッグストアでのOTC対応 or 受診勧奨のトリアージや、在宅訪問時に緊急性の高い疾患の兆候を見抜く際に、自信を持って対応できるようになります。

 

「疾患からみた臨床薬理学-第3版」 じほう

 
 もともと薬剤師は薬の特徴や違いを学ぶことは得意ですが、そのためにどうしても「薬のメカニズム→病態」というアプローチをしがちです。そういった癖がついている中で、この本は「病態→薬の選択」という視点で薬を学べる参考書です。引用文献も豊富で、辞書的な使い方、論文探しにも利用できます。

 

 

 

応用力をつける参考書~エキスパートの解釈・哲学も添えられたもの

 少し変わった質問を受けた時に困る、いつもと異なる処方を見たときに処方意図がわからない、といった場合は、教科書的な書籍よりも、文献などの科学的根拠に「エキスパートの解釈や哲学」が添えられた書籍が参考になります。

 

「誰も教えてくれなかった実践薬歴」 じほう

  
 これだけ薬が大量にある現代医療では、安全かつ有効な薬物治療に薬剤師の薬学的アプローチは必要不可欠です。しかし、その際に薬剤師が頼るべきツール「薬歴(薬剤服用歴)」の書き方について、丁寧に教わる機会はほとんどありません。日常業務に忙殺され、ただの作業と化してしまいがちな「薬歴」本来の活用方法を通して、患者不在の「薬歴を書くための質問」から脱却するコミュニケーション、医師とは異なる視点から患者を守るために薬剤師が考えるべきことなどを幅広く学ぶことができます。
 薬歴の多くが「単純作業」になっていると感じる人には、ぜひ目を通して欲しい書籍です。

 

「絵でわかる感染症 with もやしもん」 講談社

 
 病院薬剤師に比べ、薬局薬剤師は感染症や抗菌薬について深く学ぶ機会が少ない傾向にあります。薬剤耐性対策が叫ばれる昨今、同じ薬剤師として「よく知らない」ではあまりに無責任ですが、かといって程良い参考書も見当たらず、勉強方法に困っている人は多いと思います。
 そんな人にとって、この書籍は大学で習った基礎的な知識を、もう少し臨床に則した内容にアップデートするのに最適です。「もやしもん」のキャラクターがよく出てきて茶々を入れつつ、読みやすい語り口調で書かれているので、苦手意識があってもとっつきやすいです。

 

「精神科医×薬剤師 クロストークから読み解く精神科薬物療法」 南山堂


 「うつ病」や「統合失調症」・「認知症」などの精神科薬物療法では、処方の変更が多い傾向にあります。こういった変更は、「何かの問題が起きた」ために、以前の処方では対応できなくなったことを意味しています。
 この本では、様々に起こるこうした「問題」を想定して、精神科医と薬剤師が議論しながら処方決定をしていく、というスタイルで、病態や薬の違いを勉強することができます。
 特に、教科書通りには進まないことの多い精神科薬物療法について、海外の文献・エビデンスなども踏まえた解説になっているため、「なるほど、そういう意図があるのか」と納得できます。

 

 

「極論で語る睡眠医学」 丸善出版

 
 事実、睡眠薬は他の薬と一緒に処方されることが多く、そちらの説明や注意に意識が集中してしまうことがあります。そのため、睡眠薬については「入眠障害か中途覚醒か」くらいの認識で止まってしまいがちです。
 しかしこの本では、そもそも専門医は患者の何を見、どういった思考を経て睡眠薬を処方するのか、といった「哲学」に触れることができます。患者は、たとえ専門医相手でも、いきなり不眠の原因となる生活習慣(プライバシー)を明け透けに話すわけではない、といった実臨床の話だけでも、何か感じるところがあると思います。睡眠【医学】となっていますが、ユーモア溢れる文章で、薬剤師でも無理なく読めます。

 

「ビジアブで読み解く!薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50」 日経メディカル開発

 
 論文を「ビジュアルアブストラクト(visual abstract)」という図にして解説した書籍です。どんな人を対象に、どんなグループ分けをして、どういった介入をどのくらいの期間で行って、最終的にどんな結果が得られたのか・・・という臨床試験の内容が、視覚的に理解できるようになっています。英語や難しい専門用語のせいで論文を敬遠していた人にも嬉しい設計です。
 論文にはどんなことが書いてあって、それをどう読み解いて、現場にどう活かせば良いのか?といったことをまず知りたい人にも最適です。

 

「抗血栓薬 クリニカルクエスチョン100」 診断と治療社

 
 このところ、新しい経口抗凝固薬が次々と登場し、どういった使い分けが必要か、様々な報告から勉強・情報収集をする必要に迫られています。しかし、いきなり最新の論文を読んで解釈するのは困難です。そのため、まずエキスパートがどういった意図で処方しているのか、その理屈を学ぶのに最適です。
 このシリーズは多くの疾患領域で書籍が販売されているため、自分の得意分野をまず1つ作る際にも便利です。

 

 

統計や論文の読み方など、薬剤師として武器になるもの

 統計・解析や臨床試験デザインなどに関する知識も、薬の効果や安全性を論じる際に必要となります。明日の業務にすぐ役立つことはなくとも、少しずつ身につけておくことで1年後の考える力や知識の質は大きく変わるはずです。

 

「薬剤師のための医学論文の読み方・使い方」 南江堂

 
 いきなり論文を読めと言われても、最初はどこに注意して読めば良いかわかりません。この書籍では、統計や解析方法などの専門用語をはじめ、臨床試験デザインの特徴なども非常に丁寧に解説されているため、「論文の読み方のいろは」を基本から勉強することができます。
 後半部分では具体的なクリニカルクエスチョンを例示し、どんな論文のどの部分に着目し、その情報をどうやって医師や患者にフィードバックさせるか、「現場に活かす」という目的達成のための考え方も示されています。「医学論文を読むこと」が薬剤師にとって必要なのは何故か、を知る教科書になります。

 

「薬剤師のための医療情報検索テクニック」 日経メディカル開発

 
 「添付文書さえ見ていれば大丈夫」というところで勉強が終わってしまう薬剤師も少なくありません。しかし、情報源を添付文書だけに頼っていると、添付文書の記載を単純に比較してしまうことの危険性、添付文書には記載されていないリスクなどなど、意外と危ない落とし穴がたくさんあります。
 こうした具体的な「ありがちな躓きポイント」をテーマに、添付文書だけでなくインタビューフォームや診療ガイドライン、そして医学論文といった情報源を参照することの大切さを、対話形式で学べるようにまとめた書籍です(青島先生との共著です)。

 

「マンガでわかる統計学」 オーム社

 
 統計学は大学で習うのですが、だいたい現場で働いているうちに綺麗に忘れます。そして、いざ論文を読もうと思った時に困り教科書を開くのですが、数式だらけで何のことか全然わかりません。そうして統計に挫折してしまう薬剤師が多いのですが、統計は薬を語る上で非常に大切です。
 この本を読んだからといって、統計の深い専門知識が得られるわけではありませんが、統計を敬遠している・挫折しかけている薬剤師が「知識を再確認する」にはちょうど良い土台になると思います。
 「マンガ」で解説する本にはいい加減なものも多いですが、「回帰分析編」も含め、このシリーズは非常に質が高いです。

 

 

その他、薬学に関するもの

 私が個人的にお勧めしたい、薬学や薬剤師に関する書籍です。

 

「異世界薬局」 MFブックス

    
 「人を治す」ことに情熱をかける主人公(薬学者・薬剤師)が、中世ヨーロッパくらいの医学水準の世界で、悪戦苦闘しながら医学・薬学の発展に尽力する物語です。
 いま我々は、病気になれば当たり前のように薬を使いますが、その薬はどんな悲劇の上に、どんな想いを乗せて開発されてきたのか、今の薬が凄いものだということを肌で感じることができます。
 「薬学監修」として少し制作のお手伝いもさせて頂いたのですが、日常業務の忙しさで薬の「ありがたみ」を忘れがちな薬剤師には、ぜひ手にとって欲しい物語です。薬を正しく使うことの大切さを知り、薬学に興味を持ってもらえるきっかけにもなれば良いなと思います。

 

「アンサング シンデレラ」 ゼノンコミックス

   
 「薬を渡すだけ」と思われがちな薬剤師が、医師や看護師の裏でどんなことを考え、どんな支え方をしているのか、病院薬剤師の仕事内容が細かくリアルに表現されています。薬剤師になりたい人や薬学部生が病院薬剤師の仕事を知りたい人にもお勧めできます。…が、日々の業務に忙殺され、世間の心ない評価に疲れた中堅~ベテラン薬剤師にとっても、薬剤師としてどうあるべきか、もう一度「初心」に戻ってやる気を充電できる漫画だと思います。
 (※なお、2巻に私の書籍(らしきもの)が”積ん読”として登場します!)

 

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■主な活動

【書籍】
■羊土社
薬の比較と使い分け100(2017年)
OTC医薬品の比較と使い分け(2019年)
■日経メディカル開発
薬剤師のための医療情報検索テクニック(2019年)

 

【連載】
Medical Tribune / PharmaTribune
ダイヤモンド・ドラッグストア
m3.com 薬剤クイズ

 

【講演】
薬剤師会(大阪府/広島県/山口県)
大学(兵庫医療大学/第一薬科大学)
学会(日本薬局学会/プライマリ・ケア連合学会/アプライド・セラピューティクス学会)

 

【監修・出演等】
異世界薬局(MFコミックス)
Yahoo!ニュース動画
フジテレビ / TBSラジオ
yomiDr./朝日新聞AERA/日経新聞土曜版/日経トレンディ/大元気/女子SPA!ほか

 

 

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