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ステロイド(外用) 外用剤

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「ステロイド」と「ビタミンD3製剤」が混ざった薬をもらったけど、調べたら混ぜてはいけないと書いてあった。この薬、大丈夫?

回答:科学的には混ぜない方が良いが、混ぜるメリットもある

 確かに、塗り薬の中には混ぜない方が良いものがあります。

 「ステロイド外用剤」と「ビタミンD3製剤」も、厳密に言えば混ぜない方が良いものに分類されます。しかし混ぜた薬を渡す方が、患者が薬を上手に使えるために治療効果は高くなる、というケースがあります。

 治療という目的を達成するために、科学的な特性と、薬としての使いやすさ、どちらを優先すべきかを考慮し、医師・薬剤師は薬を使います。

回答の根拠:混合による変化

 「ステロイド外用剤」と、『オキサロール(一般名:マキサカルシトール)』等の「ビタミンD3製剤」は、混合すると「ビタミンD3製剤」の効果が落ちてしまうことが報告されています。

 「ビタミンD3製剤」はpHが酸性に傾くと不安定になります。
 「ステロイド外用剤」のほとんどは、薬そのもののpHが酸性寄りなため、この2つを混ぜると「ビタミンD3製剤」が不安定になり、その含量が低下してしまう恐れがあります1)。
ビタミンD3とステロイドの混合
 1) 「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック―処方・調剤の適正使用ガイド」 じほう社

 「ステロイド外用剤」と「ビタミンD3製剤」の理想的な使い方は、2種類の薬を医師・薬剤師の指示通りに、厳密に交互に塗ったり、厳密にローテーションさせて塗ったり、あるいは綺麗に重ね塗りすることです。

 しかし、こうした厳密な使い方は非常に面倒で、どうしても途中で雑な塗り方になってしまったり、塗る薬を間違ってしまったり、といったことが起こってしまいます。
 このような雑な塗り方や間違った使い方をすると、治療効果は大きく低下してしまいます。
外用剤を混合する理由

 そのため、混合によって多少薬の効果は落ちてしまったとしても、簡単にしっかりと薬を使える方が、実際の治療効果は高くなるケースがあります2)。

 2) 「薬局で役立つ皮膚科治療薬FAQ」 メディカルレビュー社

薬剤師としてのアドバイス:後発医薬品の混合には注意

 「ステロイド外用剤」と「ビタミンD3製剤」の混合にあたっては、後発(ジェネリック)医薬品を使うと著しく「ビタミンD3含量」が低下するケースが報告されています3)。

 3) 日皮会誌.114:2080-7,(2004)

 先発医薬品であれば、使いやすさによるメリットが上回るため混合することも選択肢ですが、著しく含量が低下してしまっては治療効果にも影響する恐れがあります。

 外用剤、特に混合調剤をする場合には、安易に後発(ジェネリック)医薬品へ変更するべきではありません。

+αの情報:最初から混合された製剤『ドボベット』

 2014年9月、「ステロイド外用剤」と「ビタミンD3製剤」が最初から混合された『ドボベット(一般名:ベタメタゾンジプロピオン酸エステル + カルシポトリオール)』が発売されました。

 この薬は、これまでのように薬局で2種類の薬を混ぜたわけではなく、工場で「不安定にならない工夫をして」混ぜて作られている薬です。
 難しい塗り方をしてもらうべきか、薬を混ぜて渡すべきか、これまでたくさんの葛藤がありましたが、この薬の登場で、不安定にならない薬を簡単に使ってもらうことができるようになるかもしれません。

※『ドボベット』に含まれるステロイド「ベタメタゾンジプロピオン酸エステル」は、『リンデロンDP』と同じ成分で、強さはⅡ群に該当します。
 

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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