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知っておくべきこと 専門用語解説

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「インパクトファクター」の大きい学術雑誌が、価値の高い雑誌?~被引用数のからくり

回答:あくまで指標の一つ

 「インパクトファクター」とは、論文・文献を掲載している学術雑誌が持つ影響力の指標です。トムソン・ロイターのJournal Citation Reports (JCR)による評価指標の一つです。

 「インパクトファクター」は特定の期間において、その学術雑誌に掲載されている文献が、平均してどのくらいの頻度で引用されているか、という値です。
 あくまで被引用数が多いかどうかという一つの指標であって、研究者や学術雑誌の絶対的評価にはなり得ません。

 

詳しい回答:インパクトファクターの算出方法

 「インパクトファクター」は、ある一定の期間(一般的には3年)に引用された回数を、その期間に掲載した文献の数で割って算出します。

※インパクトファクターの計算方法 1)
2015年の雑誌Aのインパクトファクター=①/②
 ①2013~2014年の間に雑誌Aへ掲載された文献が、2015年の間に引用された回数
 ②2013~2014年の間に雑誌Aが掲載した文献の総数

 1) Tomson Reuter 学術情報ソリューション 「インパクトファクターについて」

 つまり、あくまで回数しか反映されておらず、例えば否定的な文脈で引用されていても「インパクトファクター」は大きくなります。
 また、その分野についての研究人口が少なければ発表される文献の総数も少なくなるため、引用数も少なくなる傾向があります。

 他にも、引用数の多いレビュー記事が学術雑誌に掲載されると「インパクトファクター」も大きくなる等、学術雑誌の構成によっても影響を受けるため、単純に比較できるものではありません。

 こうした点から、「インパクトファクター」=「被引用数」がその学術雑誌の質や価値を表しているわけではなく、あくまで人目につきやすいかどうか、という一つの指標としてとらえる必要があります。

薬剤師としてのアドバイス:有名どころは勉強にも最適

 例えば大学での抄読会や薬局での勉強会などで、何か文献を選ぼうと思った場合には「インパクトファクター」の大きな雑誌から選ぶのが無難です。
 絶対的な指標ではないにしても、「インパクトファクター」の大きな学術雑誌には良い文献が多い傾向にあるからです。

※インパクトファクターの大きな学術雑誌の例
基礎医学:NatureScience
臨床医学:LancetNew England Journal of Medicine、Journal of American Medical Association(JAMA)、British Medical Journal(BMJ)

循環器:Circulation、European Heart Journal、Circulation Reseach
代謝:Cell Metabolism、Diabetes、Diabetes Care、Metabolism Clinical and Experimental
呼吸器:European Respiratory Journal
消化器:Gastroenterology、Hepatology、Gut
アレルギー:Journal of Allergy and Clinical Immunology
血液:Blood、Leukemia、Acta Haematologia、American Journal of Hematology
生理:American Journal of Physiology
細胞:Cell、EMBO Jounal

 上記は、このお薬Q&Aを作製するにあたり、筆者も利用する頻度の多いものの一例です。他にも良い学術雑誌は各分野に多く存在します。

+αの情報:臨床試験のエビデンスレベルを別に考慮する

 臨床試験の場合、どれだけ偏り(バイアス)の少ない研究デザインで試験を行ったか、という点から「エビデンスレベル」が7つに分類されています。
エビデンスレベル~診療行為に対する科学的根拠とそのレベル
※動物実験、基礎研究には「エビデンスレベル」はありません。

 特に臨床試験においては、その研究デザインの「エビデンスレベル」を別に考慮し、その報告の説得力や普遍性を個別に判断する必要があります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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