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似た薬の違い 点眼薬

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『パタノール』と『インタール』、同じアレルギー点眼液の違いは?~pH・浸透圧による刺激の差

回答:『パタノール』は、『インタール』より刺激が少ない

 『パタノール(一般名:オロパタジン)』と『インタール(一般名:クロモグリク酸)』は、どちらもアレルギーに使う目薬です。

 『パタノール』は、『インタール』よりも性質(pH・浸透圧)が人間の涙に近いため、使った時の刺激や不快感が少ないのが特徴です。
 
 ただし、こうした刺激感は一過性のもので、特に目に害があるわけではないため、刺激が気にならない場合には『インタール』を選ぶこともあります。

回答の根拠:涙と点眼液のpH・浸透圧

 目薬は、人間の涙と性質が近い方が、使った時の刺激や不快感は少なくなります。このとき、基準になるのが「pH(中性かどうか)」と「浸透圧(塩分濃度が濃いか薄いか)」です。

人間の涙の「pH」との違い~涙は中性の液体

 人間の涙は中性で、pHは7.45付近です。そのため、目薬も中性(pH6.0~8.0)であれば、一般的に刺激や不快感がないとされています1)。

 1) 病院薬学.24(6):597-600,(1998)

 『インタール』のpHは4.0~7.0と、人間の涙と比べるとやや酸性寄りです。そのため、使った時に一時的な刺激を感じることがあります2)。
 『パタノール』のpHは7.0で、人間の涙とほぼ同じ性質です3)。
インタールとパタノール~pHの違い
 2) インタール点眼液2% 添付文書
 3) パタノール点眼液0.1% 添付文書

人間の涙の「浸透圧」との違い~涙は生理食塩水と同じ濃さ

 人間の涙は体液なので、浸透圧比は生理食塩水と同じ1.0(等張)です。目薬も、浸透圧比が0.7~2.1の範囲であれば刺激や不快感が少ないとされています1)。

 『インタール』の浸透圧比は0.25と、人間の涙よりもかなり水に近い性質をしています2)。そのため、真水で眼を洗った時と同様に、刺激を感じることがあります。
 『パタノール』の浸透圧比は0.9~1.1で、人間の涙とほぼ同じ性質です3)。
インタールとパタノール~浸透圧比
 また、1回使い切りタイプの『インタール点眼液UD』の浸透圧比は1.1で、元の『インタール』よりも刺激は少なく改良されています4)。

 4) インタール点眼液2% インタビューフォーム

不快でなければ気にしなくても良い

 『インタール』を使った時に感じる刺激は、pHや浸透圧の差によって感じるもので、真水で目を洗った時と同じメカニズムのものです。そのため、あくまで一過性の刺激で、害があるわけではありません。
 実際、『インタール』を用法通りに1回1~2滴を1日4回、90日間続けて使っても、刺激によるダメージなどは眼に残らないことが確認されています4)。

 そのため、特に不快でなければ気にする必要はありません。

薬剤師としてのアドバイス:目薬をさした後に、パチパチとまばたきをしない

 目薬をさした後すぐにまばたきをすると、薬は目頭にある「涙管」からすぐに鼻・喉へと流れていってしまい、十分に薬の効果が期待できません。
 そのため、目頭を軽く抑えたまま下を向き、しばらくそのまま薬が眼全体に行き渡るのを待つ必要があります。

 効き目がいまひとつと感じる際には、別の薬に変えることも一つの選択肢ですが、その前に目薬を正しく薬を使えているかどうかも確認することをお勧めします。

 ただし、眼にゴミが入った時や、プールに入った後など、眼を洗う目的で目薬を使う場合には、パチパチとまばたきをしながら、多めの目薬を使う方が良いこともあります。目的に合わせて正しい点眼をするようにしてください。

ポイントのまとめ

1. 『パタノール』は人間の涙に性質(pH・浸透圧)が近く、刺激が少ない
2. 『インタール』の刺激も、害があるわけではないので、不快でなければ気にしなくて良い
3. 目薬をさした後、パチパチ瞬きするのは間違い

添付文書、インタビューフォーム記載内容の比較

◆適応症
パタノール:アレルギー性結膜炎
インタール:春季カタル、アレルギー性結膜炎

◆点眼液のpH
パタノール:7.0
インタール:4.0~7.0

◆点眼液の浸透圧比
パタノール:0.9~1.1
インタール:0.25 (※UDは1.1)

◆刺激感の副作用頻度
パタノール:0.1%
インタール:0.1~5%未満(※一過性の刺激に関する注意喚起あり)

◆用法
パタノール:1回1~2滴、1日4回
インタール:1回1~2滴、1日4回

◆使われている保存料
パタノール:塩化ベンザルコニウム
インタール:塩化ベンザルコニウム(※UDには不使用)

◆製造販売元
パタノール:ノバルティス
インタール:サノフィ

+αの情報:コンタクトレンズと「ベンザルコニウム」

 点眼液に使われている保存料「ベンザルコニウム」が、ソフトコンタクトレンズに吸着し、眼に悪影響を与える可能性が指摘されています5)。

 5) CLAO J.24(4):227-31,(1998) PMID:9800062

 そのため、『インタール』や『パタノール』といった点眼液も、コンタクトレンズは一旦外して使用し、その後10分ほど間を置いてから付け直す、といった対応が必要です。

 保存料の使われていない1回使い切りタイプの『インタール点眼液UD』や、「ベンザルコニウム」が使われていない点眼液『アレジオン(一般名:エピナスチン)』であれば、コンタクトレンズを付けたまま点眼することができます。付け外しが負担に感じる際は、一度主治医と相談することをお勧めします。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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