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抗生物質 外用剤

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『デュアック配合ゲル』ってどんな薬?~過酸化ベンゾイルを配合した新薬

回答:クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルの薬

 『デュアック配合ゲル』は、リンコマイシン系抗菌薬「クリンダマイシン」を1%、「過酸化ベンゾイル」を3%で配合した、ニキビ治療の塗り薬です。

 「クリンダマイシン」は、これまでにも『ダラシン』などの塗り薬で使われてきた、炎症を抑える作用も併せ持った抗菌薬です。
 「過酸化ベンゾイル」も抗菌作用を持つ薬で、欧米では広く使われていましたが、日本では初めて登場した薬です。「過酸化ベンゾイル」は他の抗菌薬と異なり、耐性菌をほとんど生じないことが特徴です。

 ニキビの原因である”アクネ菌(Propionicaterium acnes)”にも耐性菌が生じ、海外では問題になってきています。こうした耐性菌の問題を解決できる薬として期待されています。

回答の根拠:過酸化ベンゾイルとは

 「過酸化ベンゾイル」は、ニキビの原因である「アクネ菌」に対して殺菌的に作用します(『ベピオ』は「過酸化ベンゾイル」単体の塗り薬です)。

 また、「クリンダマイシン」や「エリスロマイシン」等の”抗生物質”に耐性を持ったアクネ菌に対しても、特に効果が減弱することもなく、同じように抗菌作用を発揮することがわかっています1)。

 1) Antimicrob Agents Chemother.55(9):4211-7,(2011) PMID:21746943


 従来の抗菌薬は、細胞膜やRNAなど、細菌のある1つの部分をターゲットにして抗菌作用を発揮します。

 一方、「過酸化ベンゾイル」は分解する際に発生する活性酸素が細菌の様々な構成成分を破壊することで抗菌作用を発揮します2)。耐性菌が生じないのは、このように多くの部分をターゲットにしているためだと考えられています。

 ※細菌が耐性を得る方法の1つとして、抗菌薬が作用のターゲットとする場所の構造を変化させる方法があります。薬が複数の場所をターゲットにしている場合、耐性を得るためには菌がその全てを一度に変化させなければならないため、耐性を得ることが非常に難しくなります。
ベピオの耐性ができにくい理由

 また、角質を剥がすピーリング作用や、炎症を抑える作用も併せ持っています2)。

 2) デュアック配合ゲル 添付文書

 『デュアック配合ゲル』は、リンコマイシン系抗菌薬「クリンダマイシン」に「過酸化ベンゾイル」を配合することによって、ニキビが炎症を起こすことを抑え、重症化することを阻止するとされています。

 角質を剥がす作用があるため、副作用として乾燥(9.8%)、皮膚の剥脱(5.8%)、痒み(5.2%)などが挙げられています。また、稀に大腸炎を起こす恐れもあります1)。

 新しい薬のため、販売が開始されて使用実績が積まれてくると、これから新しい副作用などが現れる可能性もあります。しかし、既に世界80ヶ国以上で承認されている薬なので、日本人にだけ特異な副作用が大々的に現れるということはあり得ない、と考えるのが妥当です。
 

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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