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解熱鎮痛薬・NSAIDs 神経障害性疼痛治療薬

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『ノイロトロピン』ってどんな薬?~痛みを抑える神経を動かす薬

回答:”痛みを抑える神経”の働きを強化する薬

 『ノイロトロピン(一般名:ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)』は、痛みを抑える神経(下行性疼痛抑制系)の働きを強化することで、痛みを和らげる薬です。

 外傷や炎症といった「通常の痛み」から、『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』など一般的な痛み止めでは効きにくい「神経の痛み」にまで、幅広い痛みに効果があります。
 

 一般名の通り、この薬の成分は化学合成したものではなく動物からの抽出物で、含まれる成分は様々です。そのうちのどの成分がどう作用するのか、作用の本体はどの成分なのか、詳しいところはわかっていません。

回答の根拠①:下行性疼痛抑制系とは

 「下行性疼痛抑制系」とは、脳幹から脊髄に向かって下行する「抑制性ニューロン」のことです。
ノイロトロピン~下行性疼痛抑制系
 通常、何らかの傷害(ケガや炎症)が起こると、その情報はC線維やAδ繊維などの「一次ニューロン」によって脊髄に伝わります。
 次に、その情報は脊髄から「二次ニューロン」によって「脳」に伝わり、「脳」が”痛み”として感知します。

 このとき、「一次ニューロン」から「二次ニューロン」への情報伝達を弱める作用を持つのが、「下行性疼痛抑制系」です。
 『ノイロトロピン』は、この「下行性疼痛抑制系」の神経の働きを高め、「脳」が感知する”痛み”の信号を減らすことで、鎮痛効果を発揮します1)。

 1) ノイロトロピン錠 添付文書

回答の根拠②:普通の痛みと、神経の痛みの両方に効果がある

 『ノイロトロピン』は、整形外科領域でよく使われる鎮痛薬です。

 ケガや炎症による「侵害受容性疼痛」にも効果がありますが、特に、痛覚が過敏になっていたり、神経の損傷が原因となる「神経障害性疼痛(神経の痛み)」にも効果が高い薬です2)。
ノイロトロピン~痛みの分類
 2) ノイロトロピン錠 インタビューフォーム

 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの場合、「普通の痛み」と併せて、痺れや冷感といった「神経の痛み」が混じっているケースがあります。『ロキソニン』や『ボルタレン(一般名:ジクロフェナク)』などのNSAIDsは、飲み薬でも貼り薬でも、この「神経の痛み」に効果が期待できません。

 そのため、整形外科領域で長く続く痛みに対しては、「通常の痛み」と「神経の痛み」の両方に効果がある『ノイロトロピン』が非常に適しています。

 また、『ノイロトロピン』は帯状疱疹の痛みにも適応があります1)。

薬剤師としてのアドバイス:少ない副作用で使いやすい『ノイロトロピン』

 『ロキソニン』や『ボルタレン』などのNSAIDsは胃を荒らしやすく、長期間使い続けていると胃潰瘍などを起こす恐れがあります。
 『リリカ(一般名:プレガバリン)』『サインバルタ(一般名:デュロキセチン)』といった神経の痛みに効く薬は、副作用で眠気が出やすいなど、飲み続けられないケースが少なくありません。

 『ノイロトロピン』にはこうした副作用はないため、どんな人でも続けて使いやすいのが最大の特徴です。

 特に、腰痛などで整形外科にかかる人は、薬を長く使う傾向があります。そういった場合には、目立った副作用の少ない『ノイロトロピン』は、非常に有効な選択肢になります。

ポイントのまとめ

1. 『ノイロトロピン』は、痛みを和らげる「下行性疼痛抑制系」に作用する
2. 『ノイロトロピン』は、ケガや炎症の痛みから神経の痛みまで、幅広い痛みに効果がある
3. 『ノイロトロピン』には副作用が少なく、長期で使い続けやすい

 

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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