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専門用語解説 薬物動態学

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「バイオアベイラビリティ」って何のこと?~必ず肝臓を通る生体の防御機構

回答:飲んだ薬がどれくらい利用されるか

 「バイオアベイラビリティ」は、薬が”どれだけ全身の循環血液に到達するのか?”という指標で、「生物学的利用能」とも呼びます。薬の吸収効率を推し量る指標の1つです。

 「バイオアベイラビリティ」が90%とは、100mgの薬を飲んだうち、90mgが全身の循環血液に到達して作用を発揮し、残りの10mgは全身を巡ることなく分解・排泄されてしまう、という意味です。

詳しい回答:全身を巡る前に、必ず「肝臓」を通る

 飲んだ薬は、まず消化管から吸収されますが、この時に胃酸で分解されてしまったり、吸収されずに排泄されてしまったりする分があります。

 また、消化管から吸収された薬は血液中に溶け込みますが、全身を巡る前にまず、必ず「肝臓」を通ることになります。
 生物の身体は、毒物を摂取してしまった場合、その毒がいきなり心臓や脳など重要な組織に到達しないよう、必ず最初に「肝臓」という解毒・分解機構を通るようにできています。

 そのため、薬も必ず「肝臓」を通り、影響を受けることになります(これを「初回通過効果」と呼びます)。

バイオアベイラビリティ

 つまり、「バイオアベイラビリティ」は、「消化管から吸収される割合」 × 「初回通過効果を受けない割合」で概算されます。

 そのため、薬を効率良く吸収させるためには、以下の2点を工夫する必要があります。

①消化管からの吸収を良くする
②肝臓での解毒・分解による影響を少なく抑える

 ①消化管からの吸収を良くするためには、例えば胃酸で分解されないように錠剤をコーティングしたり、服用のタイミングを変えたりします。

 ②肝臓での解毒・分解による影響を少なく抑えるためには、例えば薬の化学構造を”影響を受けない”ような形にしたり、皮膚舌下から薬を吸収させたりします。

+αの情報:バイオアベイラビリティを低くする利点もある

 ステロイドの点鼻薬は、鼻でだけ作用して全身に作用しないよう、「バイオアベイラビリティ」が低くなるように設計されています。これによって、全身の副作用の心配がない薬として使用されています。
 例えば、『ナゾネックス(一般名:モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物)』は、この「バイオアベイラビリティ」が0.2%未満とされています1)。

 1) ナゾネックス点鼻液 インタビューフォーム

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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