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ベンゾジアゼピン系睡眠薬 薬の誤解

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ベンゾジアゼピン系の薬、飲んだら止められなくなる?~常用量依存を防ぐ方法

回答:正しく使えば恐れる必要はない

 ベンゾジアゼピン系の薬によるトラブルの多くは、用法・用量を守らず、自己判断で大量に薬を使った場合に起こります。
 基本的に、医師・薬剤師の指示通りに服用し、定期的に主治医の診察を受けている限りは、依存性などを心配する必要はありません。

 近年、よく話題になる「常用量依存」についても、通常は正しい薬の減らし方・止め方をすることで回避できます。
ベンゾジアゼピン系の常用量依存を防ぐ方法

 自己判断では薬を減らしたり止めたりせず、必ず主治医の指示の元で行うようにしてください。
 

回答の根拠①:安全性は、どんな専門誌も評価している

 一般的に、このベンゾジアゼピン系の薬は、耐性や依存性が生じにくく、安全性が高い薬と評価されています1,2)。この評価は、どんな専門誌を開いても変わりません。

 1) じほう社 「疾患からみた臨床薬理学 第3版」 第8章:488-9
 2) 第107回日本精神神経学会学術総会 ベンゾジアゼピン系薬物の効果と副作用の分子基盤

 用法・用量を守って使用している限り、いわゆる「危険ドラッグ」のような濫用や依存へつながることは通常ありません。

 こうした安全評価が豊富にあるからこそ、いまの日本では広く不眠症や不安症に処方されています。

回答の根拠②:常用量依存は、正しく薬を減量・中止することで回避できる

 ベンゾジアゼピン系の薬は、用法・用量を守った常用量であっても、長期間使用し続けることによって「常用量依存」が起こる恐れがある、と専門家からも指摘されています。
 「常用量依存」とは、薬を減量・中止した際に不眠や焦燥、頭痛などの様々な不快な身体的症状が現れ、これらの症状のために薬を止めることができなくなってしまう、という状態のことを言います。

※不快な身体的症状の例
  不安、焦燥、イライラ、集中力障害、抑うつ気分、食欲低下、悪心、嘔吐、震え、頭痛、めまい、発汗、光や音に対する過敏、味覚の異常、動悸など

 通常、こうした症状は急に薬を止めてしまうことが原因で起こります。そのため、薬の血中濃度を徐々に下げていくような減量方法をとることによって、回避することが可能です3)。

 3) 福岡県薬剤師会薬事情報センター 「ベンゾジアゼピン系薬の常用量依存」

回答の根拠③:薬を減らし始めるのは、思っているよりも後になってから

 薬を飲んでいるから症状が治まっている、という段階で薬を止めてしまうと、症状をぶり返してしまいます。薬を減らしても本当に症状をぶり返さないかどうか、慎重に見極める必要があります。

 一般的に、ベンゾジアゼピン系の薬は不眠や睡眠薬に対するこだわり・不安が無くなって4~8週間が経ってから、薬を減らし始めるのが良いとされています4)。
睡眠薬の減薬や休薬を始めるタイミング
 4) 日本病院薬剤師会誌.50(7):833-840,(2014)

 こうした減薬・休薬のタイミングの見極めは非常に難しいため、必ず主治医と相談しながら行うようにしてください。

少しずつ減らす方法(漸減法)

 2~4週間ごとに、25%以下の割合で薬の量を減らしていき、最終的に薬を中止する方法です。
 途中で不快な症状が現れた場合には、一段階前の量まで一旦増やし、経過を見ます。

飲まない日を設ける方法(隔日法)

 長時間作用型の薬は、服用をやめても血中濃度は急激に変化しないので、不快な症状は生じにくいとされています。
 そのため、1日おきに飲む、2日おきに飲む、といった方法で1~2ヶ月かけながら、徐々に薬を飲まない日を増やしていき、最終的に薬をゼロにしていく方法です。

薬剤師としてのアドバイス:自己判断での使用は全くお勧めできない

 先述のように、薬を減らし始めるタイミングは、多くの人が思っているよりも後になってからです。

 焦って薬を減らそうとすると、かえって症状をぶり返し、治療期間も長引いてしまいます。主治医と相談しながら、正しい方法で薬を減らしていくことが、最終的に最も近道になります。

 自身の治療方針について疑問や不安がある場合には主治医に、薬の安全性や使用方法について疑問や不安がある場合には薬剤師に、それぞれ相談し、自己判断で薬を使わないようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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★「PharmaTribune」にてコラム「今月、世間を賑わした健康情報」連載中です。
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