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抗生物質 知っておくべきこと

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処方された抗生物質を飲んでいるが、良くならない。中止した方が良い?

回答:自己判断で中止するのは危険

 自己判断で抗生物質の服用を中止しないでください。

 抗生物質は、1回や2回の服用で効果を判定するものではありません。通常、3~4日程度服用を続けた時点で医師が効果を判定します。

 また、水のような酷い下痢をしている場合には中止を考慮する可能性もありますが、抗生物質を途中で中止すると「耐性菌」を生む原因になります。「耐性菌」ができてしまうと、次から抗生物質が効かなくなります。

 思い込みの効果判定をしたり、自己判断で薬を中止することは、絶対にしないようにしてください。

回答の根拠:抗生物質の効果判定

 一般的に、抗生物質による効果の判定は服用開始から3~4日後に行います。通常、抗生物質が3~5日程度で処方されるのはそのためです。
 これは肺炎のような一般的な感染症に対するガイドライン1)や、がん治療時の白血球減少などに対するガイドライン2)でも共通した見解です。

 1) 日本呼吸器学会 「呼吸器感染症に関するガイドライン」 (2007)
 2) Clin Infect Dis.34(6):730-51,(2002) PMID:11850858

 そのため、抗生物質の服用を始めて1日や2日ですぐに効果が出た・出ないの議論をすることは時期尚早です。まずは処方された抗生物質を指示された期間服用する必要があります。

 もしそれで十分に効果が得られなかった場合には、その時点で改めて原因菌を推測し、異なるタイプの抗生物質を試すことになります。

薬剤師としてのアドバイス:酷い下痢をする場合は、医師に連絡を

 抗生物質で最も起こりやすい副作用は「下痢」です。抗生物質は腸の善玉菌にも影響してしまうため、腸内細菌のバランスが崩れてしまうために起こります。
 こうした副作用は、『ビオフェルミンR』を併用することで防ぐことも可能です。

 しかし、中にはそれでも酷い下痢をする可能性もあります。特に、水のような酷い下痢をしている場合、脱水症状を起こす危険性があります。そこまでの酷い下痢の場合には我慢せず、一度病院へ連絡し、医師と抗生物質の継続について相談することをお勧めします。

+αの情報:プロカルシトニン

 現在、細菌感染症の指標として「プロカルシトニン(procalcitonin;PCT)」があります。この「プロカルシトニン」を定期的に測定しておくことによって、無用な抗生物質の使用を減らすことができるという報告があります3)。

 3) JAMA.302(10):1059-66,(2009) PMID:19738090

 ただし、この検査には時間がかかるため、通常の感染症にはまだ応用されておらず、2006年から細菌性敗血症などの重篤な感染症の治療にのみ用いられています。しかし、市中肺炎などの重症化を予測できるものとしても注目されています4)。

 4) 日呼吸会誌.48(9);654-60,(2010) PMID:20954366
 

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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★12月28日のYahoo!ニュース動画「抗生物質が効かなくなる日」に監修として携わりました。

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