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結核 相互作用

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結核の薬『イスコチン』とマグロは相性悪い?~ヒスタミン蓄積と赤身の魚の鮮度

回答:鮮度が悪いと、「ヒスタミン中毒」を起こす恐れがある

 結核の薬『イスコチン(一般名:イソニアジド)』を飲んでいる人がマグロなどの魚を食べると、頭痛や吐き気、蕁麻疹といった「ヒスタミン中毒」を起こすことがあります。
イスコチンによるヒスタミン中毒
 特に、鮮度の悪い赤身の魚で起こりやすいため、『イスコチン』を飲んでいる間はいつもより鮮度に注意し、できるだけ赤身の魚は避けることをお勧めします。

 また、この「ヒスタミン中毒」は、魚を加熱調理しても避けられないことに注意が必要です。

回答の根拠①:「ヒスタミン」が蓄積するメカニズム

 マグロやカツオなどの赤身の魚には、「ヒスチジン」というアミノ酸が豊富に含まれています。この「ヒスチジン」は、魚に付着している細菌(Morganella morganiiなど)の働きによって「ヒスタミン」に変えられていきます。
 そのため、新鮮な魚に「ヒスタミン」はほとんどありませんが、時間が経つと共に「ヒスタミン」が増えてくることになります。
ヒスチジンとヒスタミン
 通常、少しくらいの「ヒスタミン」を摂取しても体内で分解されてしまうため、中毒症状を起こすようなことはありません。
 しかし、『イスコチン』には「ヒスタミン」の分解酵素を阻害する作用があるため、『イスコチン』を飲んでいる時は「ヒスタミン」を分解できません1)。
イスコチンのヒスタミン分解阻害作用と中毒
 1) イスコチン錠 インタビューフォーム

 そのため『イスコチン』を飲んでいる時は、普段は問題にならないような少量の「ヒスタミン」でも中毒を起こしてしまう恐れがあります。
 実際、『イスコチン』の添付文書には、併用注意の項目に「マグロ等」と記載されています2)。

 2) イスコチン錠 添付文書

回答の根拠②:「ヒスタミン中毒」を起こしやすい魚

 マグロ・カツオ・ブリなどの赤身の魚や、サバ・サンマなどの背の青い魚は、アミノ酸の「ヒスチジン」を豊富に含むため、鮮度が悪くなると「ヒスタミン中毒」を起こしやすい傾向があります。

※可食部100gあたりの「ヒスチジン」の含有量(mg) 3)
カツオ・・・・・・2,500mg
クロマグロ・・・・2,400mg
キハダマグロ・・・2,100mg
カジキ・・・・・・1,800mg
ブリ・・・・・・・1,700mg
サバ・・・・・・・1,300mg
サンマ・・・・・・1,200mg
マイワシ・・・・・  990mg
マアジ・・・・・・  800mg
サワラ・・・・・・  720mg
ウナギ・・・・・・  590mg
ヒラメ・・・・・・  570mg
マダイ・・・・・・  540mg
カレイ・・・・・・  500mg
マダラ・・・・・・  440mg

 3) 日本食品標準成分表2015年版(七訂) アミノ酸成分表編

薬剤師としてのアドバイス:調理や冷凍でも「ヒスタミン」は残る

 「ヒスタミン」は加熱調理をしても分解されないため、火を通せば良いというものではありません。

 また、冷蔵保存していても「ヒスタミン」は増えてしまうため、長めに保管する場合は冷凍保存をする必要があります。ただし、既に増えた「ヒスタミン」は冷凍で無くなることはないため、鮮度の高いうちに冷凍しなければなりません。

 『イスコチン』を飲んでいる時は、いつもより魚の鮮度や保管状態に注意し、マグロやカツオなど赤身の魚を食べる場合には必ず新鮮なものを選ぶことをお勧めします。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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