「間隔尺度」と「順序尺度」の違い~有意差がついた数値の意味


有意差をつけるための数値化には、2つのパターンがある

 統計処理を行って有意差をつけるためには、評価項目を数値化する必要がありますが、このとき、数値化する方法によって「間隔尺度」と「順位尺度」という2つのパターンがあります。

間隔尺度・・・検査値や測定値など、数値の差に意味があるもの
順位尺度・・・満足度やアンケート順位など、数値の差には意味がないもの

 有意差がついた評価項目が「間隔尺度」なのか「順位尺度」なのかによって、それがどういった意味を持つかは変わってきます。



「間隔尺度」~数値の差(間隔)に意味がある

 「間隔尺度」では、目盛りが客観的な数値で等間隔に設定されているため、その数値の差に意味があります。

※間隔尺度の例
温度:0℃と5℃、100℃と105℃の差はどちらも5℃で変わらない
血圧:120mmHgと140mmHg、160mmHgと180mmHGの差はどちらも20mmHgで変わらない


 例えば、「Aの薬は血圧を20mmHg、Bの薬は血圧を10mmHg下げた」という結果が出た場合、このAとBの薬の差は降圧効果10mmHgの差です。
有意差の違い~間隔尺度
 このとき、「Aの薬の方が10mmHgほど血圧を下げる効果が強い」という評価ができます。数値の差である「10mmHg」が「間隔尺度」のため、非常にわかりやすい客観的な評価になります。



「順序尺度」~数値の差には意味がない

 「順位尺度」では、目盛りが主観的で等間隔にはなっていないため、大小は比較できても、その数値の差には意味がありません。

※順序尺度の例
満足度:5点(とても満足した)、4点(満足した)、3点(普通)、2点(不満)、1点(とても不満)と評価した場合、5点と4点の間の1点差と、2点と1点の間の1点差では持つ意味が全く異なる


 例えば、「Aの薬の満足度4.6、Bの薬の満足度3.2」、という結果が出た場合、このAとBの薬の差は満足度1.4点の差です。
有意差の違い~順序尺度
 しかし、この「1.4点の差」とはあくまで主観的な評価の差なので、点数がどういった基準で評価されたものなのか、その差が持つ意味を正しく知らなければ安易に評価することはできません。



薬剤師としてのアドバイス:主観的な症状を客観的に評価するために

 痛みや痒み、精神的な辛さといった主観的な症状は、検査値などの客観的データに現れないため、「順序尺度」を使わざるを得ません。
 そこで、「順序尺度」の客観性を高めるために一定の評価基準を使用します。

 例えば、抗うつ薬の効果判定にはMontgomery Asberg Depression Rating Scale(MADRS)と呼ばれる基準を用います。
 これによって、「MADRSによる評価で5点の差」というように、5点の差が持つ意味を客観的に評価できるようにしています。

 実際の現場でも役立つ情報かどうかは、どういった数値化・評価基準によって生まれた有意差なのかによっても変わることを知っておく必要があります。



 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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