インフルエンザの予防接種を受けなくても感染・発症しないから、「予防注射は要らない」と言っている方へ


 薬局の窓口でもよく、”インフルエンザの予防接種を受けなくても、かからなかったから予防接種は要らない”と言われる方にお会いします。

 しかし、この意見には少し間違いがあります。


 予防接種を受けなくてもインフルエンザにならなかったのは、”周りの人たちがきちんと予防接種をしているお陰で、感染源が無かったから”と考えるのが妥当だからです。

 周りの人とは、周りのお友達という意味ではありません。日本の国民、という大きな集団の意味です。

 まずそれを大前提として理解する必要があります。


目隠しをして国道を歩いていても、車に撥ねられるとは限らない

 例えば、目隠しをして国道を歩いていると、必ず車に撥ねられるでしょうか。

 撥ねられない可能性も十分にあります。これは、車を運転している他の人たちが安全運転をする、つまりそんな人を避けて運転してくれるからです。

 しかし、だからと言って、”どうせ周りの人たちが安全運転をして避けてくれるから大丈夫”と、目隠しの状態で国道をうろつくことは良いことでしょうか。もちろん、こうした周りの注意に頼り切った行動は、ダメです。


 インフルエンザの予防接種も同じです。
インフルエンザ予防接種~周りのリスク管理
 周りの人たちが感染拡大に対して、十分に警戒し、予防接種という対策をしているから、例え自分が予防接種をせずに居てもインフルエンザにかからないのです。



「リスク回避」と「リスク管理」は分けて考える

 安全運転をしているから、自動車保険には入らなくて良い、という人はほとんど居ないはずです。
 
 これは、安全運転をすること(リスク回避)と、自動車保険に加入すること(リスク管理)を、全く別のものとして理解できているからです。


 インフルエンザも同じです。

 手洗い・うがいをして感染を防ぐこと(リスク回避)と、ウイルスと接触しても感染しないよう、あるいは感染しても重症化しないように予防接種を受けること(リスク管理)もまた、別のものとして捉える必要があります。

 たまたま運よくリスクを回避できたこと、つまり自動車事故に遭わなかったことや、インフルエンザに感染しなかったことが、自動車保険や予防接種といったリスク管理が不要であることを意味するわけではありません。
インフルエンザへのリスク回避とリスク管理
 特に、小さなお子さんや高齢者の場合、インフルエンザを発症すると高熱を出し、「インフルエンザ脳症」を起こす恐れもあります。予防接種によって、こうした重症化を防ぐことが可能ですので、万が一感染した場合の「リスク管理」も併せて行う必要があります。



誤った情報を基に判断することは避ける

 予防接種は、どうしても嫌であれば受ける必要はありません。
 確かに、予防接種は100%絶対に安全なものではありません。筋肉痛などの軽いものであっても、少なからず副反応は存在します。

 そのため、”予防接種は絶対に安全だ!”という意見もまた極端で警戒が必要と言えます。

 ただし、中には古い情報やデマ等もたくさん出回っており、こうした誤った情報を基に”嫌だ”と感じているのであれば、それは問題です。

 予防接種の必要性は感じているけれど、本当に子どもに受けさせても大丈夫だろうか、といった不安は感じるべきものです。
 だからこそ、かかりつけの医療機関等できちんと説明してもらい、その不安こと解消することが必要です。

 決して、ネット上の不確かな情報に惑わされ、不必要な不安を煽られるようなことはあってはなりません
 


 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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