『リザベン』で傷痕が治る?~ケロイド・肥厚性瘢痕への適応と作用


回答:ケロイド・肥厚性瘢痕に適応のある唯一の内服薬

 『リザベン(一般名:トラニラスト)』は、元はアレルギー治療に用いる「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」で、気管支喘息からアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患にも広く用いる薬です。

 また、飲み薬としては、ケロイド・肥厚性瘢痕に適応のある唯一の薬です。
リザベンの適応症

 ただし、顔など露出する部位にできた傷で、外見的にも問題がある場合などは、『ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)』などの外用剤のほか、外科的な処置が必要になるケースもあります。



回答の根拠:コラーゲンの合成抑制作用

 皮膚に傷ができると、コラーゲンなどを作って皮膚組織を再生しようとします。このとき、正常にコラーゲンが作られれば元通りの綺麗な皮膚に戻ります。
 しかし、何らかの原因によって異常なコラーゲンの作られ方がされると、元通りにはならず、傷痕が残ってしまうことがあります。

 傷痕が成長し続けて皮膚から盛り上がり、周辺まで広がってしまうものを「ケロイド」と呼びます。一方、時間が経てば自然に小さくなっていくものを「肥厚性瘢痕」と呼びます。

 『リザベン』は、これらケロイドや肥厚性瘢痕の部位で起こっている、線維芽細胞による異常なコラーゲンの合成を抑制する作用があります1)。
リザベンの作用~ケロイド、肥厚性瘢痕
 1) リザベンカプセル インタビューフォーム

 

薬剤師としてのアドバイス:傷が治るときの「痒み」防止も併せて、一石二鳥の薬

 傷のある皮膚を曲げ伸ばしすると、傷の部位に余計な張力がかかります。この張力が、ケロイド・肥厚性瘢痕のリスクになることが指摘されています2)。

 2) 日本医科大学医学会雑誌 1(3):121-128,(2005)

 そのため、綺麗な治癒を目指す場合には、傷に負担のかかるような過度な運動や仕事はしばらく控えること、また傷痕が痒くても引っ掻くなどの刺激を与えないことをお勧めします。

 『リザベン』には、こうした傷が治るときの「痒み」や「痛み」を抑える効果もあります1)。そのため、『リザベン』はケロイド・肥厚性瘢痕に対して”治療”と”新たな発生の防止”が可能な、一石二鳥の薬と言えます。
リザベンの作用~ケロイド治療と、ケロイド防止



 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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