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似た薬の違い AGA・薄毛

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『プロペシア』と『ミノキシジル』、同じ薄毛治療の薬の違いは?~効果と副作用の比較

回答:作用が違う別の薬

 どちらも育毛・増毛を目的とした薄毛治療の薬ですが、『プロペシア』は処方箋医薬品の商品名、「ミノキシジル」は市販薬の成分名です。
プロペシアとミノキシジル

 『プロペシア(一般名:フィナステリド)』は、男性型脱毛症の内服治療薬で、医師の処方によって使う薬です。
 毛根の活動を休ませてしまう男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」を抑えることで、髪を増やします。女性には使用できない薬で、特に妊婦はコーティングが破損した錠剤には触れないよう注意する必要があります

 一方、「ミノキシジル」は市販薬である『リアップ』などに含まれる成分です。血管を拡張し、血流を良くすることで毛根に栄養を届かせ、発毛を促すものです。女性用の『リアップ』もあり、こちらは女性が触れても問題はありません。

回答の根拠①:『プロペシア』の作用

 『プロペシア』は、男性ホルモン「テストステロン」を脱毛の原因物質である「ジヒドロテストステロン」に変換する酵素「5-α還元酵素」を阻害することで、発毛作用を発揮します1)。
ジヒドロテストステロンとプロペシア
 1) プロペシア錠 添付文書

 『プロペシア』は、「ジヒドロテストステロン」によって毛根が活動を休止してしまうことを防ぐ薬であって、何もない皮膚から毛を生やす薬ではありません。そのため、例えば火傷などによって毛根が死滅してしまっているようなケースでは効果が期待できません。

割って使わない

 『プロペシア』の有効成分「フィナステリド」は、皮膚からも吸収される可能性があります。そのため、妊婦が有効成分に触れると、それだけで胎児の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります1)。
 『プロペシア』の錠剤はコーティングが施されているため、通常の使用では有効成分に直接触れる危険性はありません2)。

 2) プロペシア錠 インタビューフォーム

 しかし、錠剤を割ったり砕いたりした場合は、有効成分に直接触れてしまう可能性があります。特に、『プロペシア』の錠剤は1mgと0.2mgが同じ価格だからと、1mgの錠剤を割って服用する、といった勝手な使用方法をしている人が居ますが、非常に危険です。

 そもそも1mgの薬は割って服用することを想定していないため、正しい効果が現れない可能性も十分に考えられます。
 更にこうした自己流の服用方法をしていた場合には、ご自身だけでなく、薬に触れたご家族に副作用が起きたとしても、「医薬品副作用救済制度」の対象外となることも考えられます。

 絶対に、自己判断で割ったり砕いたりして使わないでください。

詳しい回答②:「ミノキシジル」の作用

 「ミノキシジル」は、元々は血管を拡張させて血圧を下げる薬として開発されました。この時、血管を広げたことで血流が良くなり、栄養が補給されるために毛髪が増える副作用が見つかりました。

 この副作用をうまく利用したものが「ミノキシジル」です。現在は、市販薬の『リアップ』などに含まれています。

どちらの効果が高いのか?

 二つの薬の効果を比較検討した臨床実験は今のところありません。

 『プロペシア』は投与後48週後に54.2~58.3%の患者で効果があったとされています1)。
 一方、「ミノキシジル」の外用剤である『リアップ』では同じ48週後に著名改善8.7%、中等度改善67.4%、軽度改善21.7%、不変2.2%となっています3)。

 純粋に数字だけを比較すれば『リアップ』の方が改善率が高いように見えますが、そもそも同じ基準で改善効果を評価したわけではないため、単純に比較することはできません。

 どちらの薬も、医薬品として効果・効能を謳えるように臨床試験を行ってきたものではありますが、一般的には「処方箋医薬品」である『プロペシア』の方が、良くも悪くも「身体に与える影響が大きい」と考えられます。

 3) 大正製薬(株)Webページ「リアップX5」長期投与試験結果

どちらの薬が安全?

 安全性についても比較検討したデータはありませんが、効果と副作用は表裏一体とも言えます。薬の成分だけを見れば、「処方箋医薬品」の方が効果も副作用も大きいと考えられます。

 しかし『プロペシア』を使用する際には、定期的に医師の診察や薬剤師の服薬指導を受けることになります。専門家の目を2回通した上で薬を使うことになる、という点で考えれば、きちんと診察を受けながら『プロペシア』を使う方が安全とも言えるでしょう。

気を付けることに違いはある?

 薬として全く別物なので、気を付ける内容も全く異なります。

 『プロペシア』は男性ホルモンが原因で起こる脱毛の薬です。そのため、女性が使っても効果はありません。また、男性ホルモンの代謝に影響を与えるため、特に妊娠中の女性は薬に触れただけでも胎児に影響する恐れがあります。
 既婚者の方が薬を使用する時は、この点をしっかりと注意し、うっかり触れたりしない場所へ保管する必要があります。また、有効成分が露出するような、割る、砕くといった手を加えないようにしてください。

 「ミノキシジル」には血管を広げる効果があります。そのため、高血圧や低血圧など血圧に異常のある人が使用すると、予期せぬ血圧の低下を起こす恐れがあります。

値段が高いから個人輸入で買っても大丈夫?

 全くお勧めできません。

 個人輸入などで購入した場合、万が一、副作用が起きても「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。つまり、使って数年は副作用が出なかったとしても、後年になって薬が原因の肝臓癌が見つかった、というような場合でも、全て自己責任となって何の補償も受けられません4)。

 また、海外の医薬品は、日本の医薬品とは異なる製造基準によって作られているものがあります。日本では禁止されている添加物、着色料が入っていたりすることもあります。こういったリスクを考えれば安易な個人輸入をしないというのが常識です。

 4) 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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