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高血圧 相互作用

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Ca拮抗薬と「グレープフルーツ」以外の柑橘系は大丈夫?~フラノクマリンを含む果実と相互作用

回答:大丈夫とは限らない

 高血圧の治療に使う『アダラート(一般名:ニフェジピン)』などの「Ca拮抗薬」を服用している人が、「グレープフルーツジュース」を飲むと、薬が効き過ぎてめまい・ふらつきといった低血圧の症状を起こす恐れがあります。

 これは、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」が、薬の分解を邪魔することで起こります。
 つまり、グレープフルーツに限らず「フラノクマリン」が含まれる柑橘系では、同じ相互作用が起こる恐れがある、ということです。
グレープフルーツとフラノクマリンの相互作用
 ただし、同じ「Ca拮抗薬」の中でも『アムロジン(一般名:アムロジピン)』のようにほとんど影響しない薬もあります。柑橘系の果物をよく飲食する人は、薬や果物の種類について医師・薬剤師に相談することをお勧めします。

回答の根拠①:「フラノクマリン」を含む柑橘系

 「Ca拮抗薬」の効き目が強まってしまうのは、「グレープフルーツジュース」に含まれる「フラノクマリン」が薬の代謝・分解を阻害することが原因です1)。そのため「グレープフルーツジュース」に限らず、「フラノクマリン」が豊富に含まれている柑橘系では「Ca拮抗薬」との相互作用が報告されているものがあります2)。

※「フラノクマリン」が含まれ、相互作用が報告されている柑橘系
 スウィーティー、ザボン(ブンタン、晩白柚)、ハッサク、夏みかん、ダイダイ

※「フラノクマリン」が含まれず、相互作用もほとんどない柑橘系
 バレンシアオレンジ、レモン、カボス、温州みかん

 1) カルブロック錠 インタビューフォーム
 2) 独立行政法人国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」

 柑橘系は種類が非常に多く、実際に薬の効果に影響するかどうか、全てが明確になっているわけではありません。そのため、余計なトラブルを避けるために、少なくとも赤字で示したものを”大量摂取する”のは避けることをお勧めします。

回答の根拠②:影響の少ないCa拮抗薬もある

 「フラノクマリン」の影響を受けやすい薬の場合、血圧が必要以上に下がってめまい・ふらつき・頭痛などの低血圧症状を起こすことが報告されています3)。

※グレープフルーツジュースを併用した場合の影響 1,3,4)
『バイミカード(一般名:ニソルジピン)』・・・・Cmaxが4.9倍、AUCが4.5倍に上昇
『カルブロック(一般名:アゼルニジピン)』・・・Cmaxが2.5倍、AUCが3.3倍に上昇
『ランデル(一般名:エホニジピン)』・・・・・・Cmaxが1.5倍、AUCが1.7倍に上昇

 一方で、『アムロジン』や『ノルバスク』などの「アムロジピン」製剤は、「グレープフルーツジュース」と一緒に飲んでも血圧には影響しないことが報告されています5)

 3) Clin pharmacol Ther.67(3):201-14,(2000) PMID:10741622
 4) ランデル錠 インタビューフォーム
 5) Br J Clin Pharmacol.50(5):455-63,(2000) PMID:11069440

 同じ「Ca拮抗薬」でも影響を受けやすいもの・受けにくいものがあるため、職業上や生活習慣上の事情で柑橘系の飲食が多い場合には、一度薬や果物の種類や摂取量について医師・薬剤師に相談するようにしてください。

薬剤師としてのアドバイス:果実であっても、たくさん食べることはお勧めしない

 生の果実をデザートとして少し食べるくらいなら大丈夫か?…という質問をよくされますが、例えば果肉であっても1個まるごと食べるとそこそこの影響を受けます6)。

※グレープフルーツ1個(約200g)を食べた際の影響 6)
『アダラート(一般名:ニフェジピン)』 :Cmaxが1.4倍、AUCが1.3倍に増加
『バイミカード(一般名:ニソルジピン)』:Cmaxが1.5倍、AUCが1.3倍に増加

 6) 薬学雑誌.122(5):323-9,(2002)

 影響を受けやすい「Ca拮抗薬」を服用している間は、ジュースだけでなく、果実をまるごと1個食べるようなことも、避けた方が無難です。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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