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薬物動態学 相互作用

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Ca拮抗薬は、グレープフルーツ以外の柑橘系なら大丈夫?~フラノクマリンとの相互作用

回答:大丈夫ではない

 高血圧の治療に使う『ノルバスク(一般名:アムロジピン)』などの「Ca拮抗薬」と、「グレープフルーツジュース」を一緒に飲んだ場合、薬が効き過ぎて低血圧を起こす恐れがあります。

 これは、「グレープフルーツ」に含まれる「フラノクマリン」が、薬の分解を邪魔することで起こります。
グレープフルーツとフラノクマリンの相互作用
 つまり、「グレープフルーツ」に限らず、「フラノクマリン」が含まれる柑橘系のジュースを飲んだ場合や、果実を大量に食べた場合には、同じ相互作用が起こる恐れがあります。

 ただし、果実を少量食べる程度であれば問題ない場合もあります。たまにはデザートとして食べたい、という場合には、一度主治医に相談し、どの程度の量であれば問題ないのかを確認するようにしてください。

回答の根拠①:「フラノクマリン」を含む柑橘系

 グレープフルーツ以外にも、「フラノクマリン」が含まれている柑橘系で、「Ca拮抗薬」との相互作用が報告されているものがあります1)。

◆「フラノクマリン」が含まれ、相互作用が報告されている柑橘系
 スウィーティー、ザボン(ブンタン、晩白柚)、ハッサク、夏みかん、ダイダイ

フラノクマリンを含む柑橘系

◆「フラノクマリン」が含まれず、相互作用もほとんどない柑橘系
 バレンシアオレンジ、レモン、カボス、温州みかん
フラノクマリンを含まない柑橘系
 1) 独立行政法人国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」

 柑橘系は種類が非常に多く、実際に薬の効果に影響するかどうか、全てが明確になっているわけではありません。そのため、余計なトラブルを避けるために、少なくとも赤字で示したものを”大量摂取する”のは避けることをお勧めします。

回答の根拠②:果実を少し食べる程度であれば、問題ないことも

 代表的なCa拮抗薬である『ノルバスク』の添付文書では、相互作用を起こす恐れのあるものとして「グレープフルーツジュース」が記載されています2)。あくまで「ジュース」であって、果実そのものではありません

 2) ノルバスク錠 添付文書

 これは、「ジュース」が果実・果汁を濃縮して作られたもののため、果実をそのまま食べるよりも大量の「フラノクマリン」を摂取することになるからです。

 つまり、少量の果実をたまにデザートとして食べる程度であれば問題ないケースもあります。どの程度の量であれば問題ないのかは、その人の病状や薬の種類によっても異なりますので、一度主治医と相談することをお勧めします。

薬剤師としてのアドバイス:少なくとも、効果は不安定になるのでお勧めできない

 薬剤師業務をしていると、たまに生の果実を食べる程度であれば問題ないのか、お酒に「グレープフルーツジュース」が少量入っているだけであれば問題ないのか、様々な質問を受けることがあります。

 いずれの場合も、少量であれば実際に食べたり飲んだりしたところで、必ず大きな健康被害が起こるとは限りません。しかし、少なくとも薬の効果は相互作用によって不安定になります。

 このことから、どうしても食べたいという場合を除いて、基本的には避けることをお勧めしています。

+αの情報:Ca拮抗薬の種類によっても、影響は違う

 Ca拮抗薬には様々な種類のものがありますが、「フラノクマリン」の影響を受けやすいものから、ほとんど影響を受けないものまで、薬によってその影響は大きく異なります。

 『バイミカード(一般名:ニソルジピン)』を「グレープフルーツジュース」と一緒に飲んだ場合には、通常よりも血中濃度が4倍にまで上がり、頭痛などの副作用を起こしたことが報告されています3)。

 3) Clin pharmacol Ther.67(3):201-14,(2000) PMID:10741622

 一方で、『ノルバスク』や『アムロジン』は「グレープフルーツジュース」と一緒に飲んでも血圧には影響しない、とする報告があります4)。
 
 4) Br J Clin Pharmacol.50(5):455-63,(2000) PMID:11069440

 しかし、その人の病状や薬の量、飲んだジュースの種類などによっては予測できない影響が出る恐れもあります。敢えて「グレープフルーツジュース」と一緒に飲むメリットはないため、基本的には避けることをお勧めしています。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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