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抗真菌薬 市販薬・OTC

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市販の水虫用薬、何を基準に選んだら良い?~水虫薬の成分を徹底解剖

回答:症状に合わせた有効成分で選ぶ

 基本的に、水虫の原因である「白癬菌」を退治する「抗真菌薬」が入っているものを選ぶことで、きちんと根本治療をすることができます。
 その際、「抗真菌薬」には特に効果の優劣はないため、自分の肌に合ったものを選ぶことで問題ありません。

 更に、市販の水虫薬には、痒みや赤みなどの不快な症状を抑える薬も一緒に配合されています。自分がいま困っている症状に合わせた有効成分を選ぶようにしましょう。
水虫の市販薬の中身
 ただし、ひどい炎症を起こしている水虫や爪の水虫は、市販の薬では効果的な治療ができません。なかなか治らない場合や、何度も水虫を繰り返す場合も、一度皮膚科を受診することをお勧めします。

根本治療のための「抗真菌薬」の選び方

 水虫の症状をいくら抑えても、水虫の菌が残っていればいつまで経っても完治しません。そのため、「抗真菌薬」で根本治療をする必要があります。

 「抗真菌薬」にはいくつか種類がありますが、効果の優劣を報告する文献は今のところありません。そのため、自分が使ってみて効果がなければ薬を変え、効果があればその薬を続ける、という考え方で問題ありません。

 その際、医療用としても使われている「抗真菌薬」を選ぶことで、より効果の高い薬を選ぶことができます。
 一度、病院で処方された薬を使った経験がある場合には、同じ成分の薬を選ぶのも一つの方法です。

医療用としても使われている「抗真菌薬」

※医:医療用の商品名、市:市販薬の商品名

・ラノコナゾール (医:『アスタット』、市:『ウィンダム』・『ピロエースZ』)
・ミコナゾール (医:『フロリード』、市:『ダマリンL』)
・スルコナゾール (医:『エクセルダーム』、市:『メンソレータムエクシブ』)
・クロトリマゾール (医:『エンペシド』、市:『ピロエースW』)
・アモロルフィン (医:『ペキロン』、市:『ダマリンエース』)
・テルビナフィン (医:『ラミシール』、市:『ラミシールプラス』)
・ブテナフィン (医:『メンタックス』、市:『ブテナロック』)
・ネチコナゾール (医:『アトラント』、市:『アトラントエース』)
・ビホナゾール (医:『マイコスポール』、市:『エーワンL』)
・トルナフタート (医:『ハイアラージン』、市:『コザックコートW』)
・エコナゾール (医:『パラベール』、市:『新ポリカイン』)

市販薬でのみ使われている抗真菌薬

 医療用の薬と比べると、より安全性が高いと言えますが、単独では効果も弱い部分があり、他の抗菌成分と併せて使います。
 
・ピロールニトイン
・シクロピロクスオラミン
・ウンデシレン酸

対症療法のための様々な薬の選び方

 市販の水虫薬には、水虫によって起こる痒み・炎症を抑える薬や、皮膚を保護する薬、傷の治りを早める薬など、様々なものが配合されています。

 「抗真菌薬」による根本治療と併せて、自分が困っている症状に適した薬を選ぶことが大切です。

痒みを抑える成分

 ひとことに”痒みを抑える”と言っても、その方法は様々です。

・クロタミトン (医療用は『オイラックス』)
 →皮膚に軽い灼熱感を生じさせることによって、痒みを紛らわせる

・ジフェンヒドラミン (医療用は『レスタミン』)
・クロルフェニラミン (医療用は『ポララミン』)
 →アレルギーの原因になる「ヒスタミン」を抑えることで、痒みを抑える

・リドカイン (医療用は『キシロカイン』)
・ジブカイン
 →皮膚や粘膜の知覚神経を麻痺させる「麻酔作用」によって、痒みを抑える

・l-メントール
 →使ったときの清涼感によって、痒みを紛らわせる

炎症を抑える成分

 皮膚の赤みや腫れを抑えます。

・グリチルリチン酸
・グリチルレチン酸

 炎症を抑える薬で有名なものに「ステロイド」があります。
 しかし、ステロイドは免疫反応を抑える薬です。そのため、水虫などの感染症に使用すると、免疫で抑え込まれていた水虫の菌が元気になり、症状がより悪化する場合があります

 ひどい炎症がある場合には、まず炎症を抑える目的でステロイドを使うこともありますが、その際は必ず皮膚科を受診し、主治医の指示に従って使用するようにしてください。

皮膚を保護する成分

 傷を乾燥させるなど、皮膚を保護する作用があります。

・酸化亜鉛 (医療用は『亜鉛華軟膏』)

角質を柔らかくする成分

 角質を柔らかくし、薬の浸透を良くする作用があります。

・サリチル酸 (医療用は『サリチル酸』)
・尿素 (医療用は『パスタロン』

殺菌成分

 水虫によって傷ができていると、他の菌による二次感染が起こる可能性もあります。そのため、殺菌成分が配合されている薬もあります。

・イソプロピルメチルフェノール
 →薬が傷まないよう、防カビ・防腐という目的もある。

・ベンザルコニウム
 →消毒・殺菌作用をもつ成分。手の消毒液などでもよく用いられる。

傷の治りを早める成分

・アラントイン
 →ヒレハリソウという植物の根に含まれる成分。中世ヨーロッパの頃から根や葉を傷薬として使われてきたもの。炎症を抑えたり、傷の治りを早める作用がある。

薬剤師としてのアドバイス:市販薬で治療もできるが、皮膚科の受診をお勧めする3つの理由

 市販の水虫薬にも、医療用の薬と同じ成分が含まれており、市販の薬だけで水虫を治療することもできるようになっています。

 しかし、市販薬は「抗真菌薬」の他に様々な成分が配合されているので、刺激や皮膚炎などを起こすリスクも高くなります。
 また、同じ水虫でも「爪の水虫」は通常の塗り薬では治療できません。「抗真菌薬」の飲み薬や『クレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)』『ルコナック(一般名:ルリコナゾール)』といった専用の塗り薬を病院で処方してもらう必要があります。
 更に、水虫の治療は症状が治まったら終了ではなく、「白癬菌」が居なくなるまで続ける必要があります。そのため、市販薬も1本や2本程度では完治しません。トータルで考えれば、病院へ行った方が安上がりな場合もあります。

 これら3つの理由から、水虫の治療は基本的に皮膚科を受診して行うことをお勧めします。

 特に何度も水虫をぶり返す、薬を使ってみたら痒みが酷くなった爪が白っぽく分厚くなっているという場合には、一度皮膚科を受診することをお勧めします。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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