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似た薬の違い 外用剤

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『オイラックス』と『オイラックスH』、同じ痒み止めの塗り薬の違いは?~ステロイドの有無

回答:『オイラックスH』には「ステロイド」が入っているため強力

 『オイラックス(一般名:クロタミトン)』と『オイラックスH(一般名:クロタミトン + ヒドロコルチゾン)』は、どちらも痒み止めの薬です。

 『オイラックスH』は、『オイラックス』にステロイドの「ヒドロコルチゾン」を追加した薬で、より強力です。
オイラックスとオイラックスH
 『オイラックスH』に入っているステロイドは弱いもので量も少ないですが、使う回数や期間には少し注意する必要があります。

回答の根拠①:『オイラックス』で「痒み」が治まるメカニズム

 通常、ヒトが「痒み」を感じたときは、爪で引っ掻くことで「痒み」を紛らわせる行動をとります。これは、引っ掻いた強い刺激によって、「痒み」の感覚を隠してしまう、という意味があります。
痒みと引っ掻く刺激
 この原理と同じように、『オイラックス』には軽い刺激感・灼熱感を皮膚に与えることで、痒みの感覚を隠してしまう効果があります1)。

 1) オイラックスクリーム インタビューフォーム

引っ掻くと、皮膚はダメージを受ける

 健康な皮膚であれば、引っ搔いて少しくらい傷ができてもすぐに回復しますが、長引く「痒み」に対して何度も繰り返し引っ掻いていると、皮膚の傷は蓄積し、ボロボロになっていきます。
 皮膚がボロボロになると「バリア機能」も弱まり、皮膚が過敏になります。すると、ますます「痒み」は強まっていってしまいます。
痒みの悪循環
 この爪で引っ掻く行動の代わりに『オイラックス』を使うことで、この悪循環を止め、皮膚への負担を減らすことができます。

回答の根拠②:『オイラックスH』に含まれる「ヒドロコルチゾン」

 『オイラックスH』は、『オイラックス』にステロイドである「ヒドロコルチゾン」が配合されています。

※1g中の有効成分 1,2)
オイラックス・・・・クロタミトン100mg
オイラックスH・・・クロタミトン100mg + ヒドロコルチゾン2.5mg

 2) オイラックスHクリーム インタビューフォーム

 そのため、痒みや腫れを抑える効果は『オイラックスH』の方が『オイラックス』よりも強力で、虫刺されなどに対する適応もあります2)。

『オイラックスH』のステロイドは弱く、ごく微量でしかない

 「ヒドロコルチゾン」は、ステロイドの中でも最も作用の弱い「Ⅴ群:weak」に分類されるものです。
 更に、「ヒドロコルチゾン」をステロイド外用剤として使用する場合には1%の濃度で使いますが、『オイラックスH』では0.25%(1g中に2.5mg)と、4分の1の濃度しかありません2)。
オイラックスHのステロイドの強さと量
 このことから、『オイラックスH』はステロイド外用剤としては扱いませんが、あまり大量に長期で使うことは避けるなど、「ステロイド」としての注意は必要です。

薬剤師としてのアドバイス:痒み止めは、根本治療にはならない

 『オイラックス』や『オイラックスH』といった痒み止めの薬は、皮膚を引っ掻く代わりに使うことで皮膚への負担を減らすことができますが、痒みの原因を治療できるわけではありません。

 皮膚に強い炎症が起きている場合には、痒み止めで誤魔化し続けるよりも「ステロイドの塗り薬」を使って早く治してしまった方が良い場合があります。
 特に、皮膚の炎症が長引くと、皮膚に色素沈着が起きて黒っぽくなってしまうこともあります。

 また、長く続く痒みは、水虫などの感染症が原因である場合もあります。痒み止めを使っても治りが悪い場合には、一度皮膚科を受診することをお勧めします。

ポイントのまとめ

1. 『オイラックス』は、皮膚を引っ掻く代わりに使うことで、皮膚の傷・負担を減らすことができる
2. 『オイラックスH』には、ステロイドの「ヒドロコルチゾン」が含まれているため強力
3. 痒み止めは根本治療にならないため、治りが悪い場合は使い続けず、皮膚科を受診する

添付文書・インタビューフォーム記載事項の比較

◆1g中の有効成分
オイラックス:クロタミトン100mg
オイラックスH:クロタミトン100mg + ヒドロコルチゾン2.5mg

◆適応症
オイラックス:湿疹、蕁麻疹、神経皮膚炎、皮膚そう痒症、小児ストロフルス
オイラックスH:湿疹・皮膚炎群、皮膚そう痒症、小児ストロフルス、虫さされ、乾癬

◆1日の使用回数
オイラックス:1日数回
オイラックスH:1日1~数回

◆製造販売元
オイラックス:ノバルティス
オイラックスH:ノバルティス

+αの情報:他の痒み止めとの違い

 ひとことに「痒みを抑える薬」と言っても、その作用は様々です。
 
◆抗ヒスタミン薬(例:『レスタミン(一般名:ジフェンヒドラミン)』)
 アレルギー症状の原因になる「ヒスタミン」を抑えることで、痒みを抑えます。

◆局所麻酔薬(例:「リドカイン」、「ジブカイン」)
 皮膚や粘膜の知覚神経を麻痺させる「麻酔作用」によって、痒みを抑えます。

◆「l-メントール」
 ハッカの成分で、使ったときの清涼感によって痒みを紛らわせます。刺激になることもあるので、医療用の薬には使われていません。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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