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抗真菌薬 似た薬の違い

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『ルコナック』と『クレナフィン』、同じ爪水虫の薬の違いは?~効果と容器の差

回答:抗真菌作用が強い『ルコナック』、爪に塗りやすい『クレナフィン』

 『ルコナック(一般名:ルリコナゾール)』と『クレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)』は、どちらも爪の水虫に使う「抗真菌薬」です。

 『ルコナック』は、抗真菌作用の強い『ルリコン』の高濃度版で、高い効果が期待できる薬です。
 『クレナフィン』は、「刷毛(はけ)」がついているため、爪に塗りやすい薬です。
ルコナックとクレナフィン2
 水虫治療では、薬を正しくきちんと使い続けられるかどうかも効果に大きく影響します。そのため、薬としての効果だけでなく、使いやすさを基準に選ぶ場合もあります。

回答の根拠①:『ルコナック』の濃度と抗真菌作用

 『ルコナック』は、従来から皮膚の水虫に使われている『ルリコン』と同じ「ルリコナゾール」の薬です。薬が浸透しづらい爪でも効果が得られるよう、その濃度が5倍になっています1)。
ルコナック~ルリコンの5倍
※「ルリコナゾール」の濃度 1,2)
『ルリコン』・・・・1g中に「ルリコナゾール」を10mg含有
『ルコナック』・・・1g中に「ルリコナゾール」を50mg含有

 1) ルコナック爪外用液 添付文書
 2) ルリコン液 添付文書

 有効成分の濃度を変えただけの薬なので、未知の副作用が出る心配も少なく、『ルリコン』の使用経験がある人に限らず使いやすい薬です。また値段が安いのも利点です。

※薬価(2016改訂時)
『ルコナック』・・・・  997.80/g
『クレナフィン』・・・1657.50/g

「ルリコナゾール」の強力な抗真菌作用

 『ルコナック』や『ルリコン』の有効成分である「ルリコナゾール」は、『クレナフィン』を含めた既存の抗真菌薬の中で、最小発育阻止濃度(MIC)が最も小さいのが特徴です3)。

 3) Med Mycol J.57(1):J1-6,(2016) PMID:26936346

 このことから、『ルコナック』は薬として強い抗真菌作用を持つ薬と言えます。

※最小発育阻止濃度(MIC)
 真菌の発育・活動を抑えるために必要最低限の薬の濃度のこと。MICが小さいということは、少ない薬の量で効果が得られる=薬の抗真菌作用が強力、ということを意味します。

回答の根拠②:『クレナフィン』の作用と「刷毛」

 『クレナフィン』は、爪の主成分である「ケラチン」への吸着率が85.7%と、他の抗真菌薬の98.1~99.5%よりも低いのが特徴です4)。
 つまり、『クレナフィン』は爪に全ての薬が吸着してしまうことなく、爪の皮膚が接触する「爪床」にまで薬が届き、爪全体の白癬菌に効果が得られるようになっています。
クレナフィン~ケラチン親和性
 4) クレナフィン爪外用液 インタビューフォーム

使いやすい『クレナフィン』の設計

 『ルコナック』は従来の抗真菌薬と同じで、容器の先端を爪に押し当て、薬液を染みださせるようにして使います。
 しかし、容器の先端が小さく、高齢者や身体の硬い人では爪に押し当てにくいという難点があります。また、力加減によっては薬を出し過ぎてしまう場合もあります。
クレナフィン~刷毛の使いやすさ
 この点、『クレナフィン』は容器に「刷毛(はけ)」がついています。そのため、非常に使い勝手が良く、また薬の出し過ぎも起こりにくいという利点があります。

薬剤師としてのアドバイス:飲み薬しかなかった爪白癬治療の選択肢に

 これまでは、爪の水虫には『ラミシール(一般名:テルビナフィン)』や『イトリゾール(一般名:イトラコナゾール)』など内服の抗真菌薬を使う必要がありました。
 しかし、これらの薬は副作用や相互作用のトラブルが多く、使える人が限られてしまうという難点があります。そのため爪水虫に、十分には効きにくい塗り薬を使ったり、あるいは水虫そのものを放置していたりといったケースが少なくありませんでした。

 この点、『ルコナック』や『クレナフィン』は塗り薬だけで爪の水虫を治療できる非常に画期的な薬と言えます。
 ただし、爪の大部分に白癬菌が感染して濁ってしまっているような重症の場合、塗り薬だけでは治療できない場合もあります。

 薬を使ったり使わなかったりして何度もぶり返しているうちに感染部位が広がり、治療が難しくなってしまうこともあります。薬を処方された場合は医師からOKをもらえるまで薬を使い続け、治療を完了させるようにしてください。

ポイントのまとめ

1. 『ルコナック』は、抗真菌作用の強い『ルリコン』の濃度を5倍にした、爪専用の薬
2. 『クレナフィン』は、「刷毛(はけ)」が付いていて使いやすいが、値段は高い
3. ぶり返しているうちに重症化してしまうこともあるため、一度きちんと治療を完了させることが大事

添付文書・インタビューフォーム記載事項の比較

◆有効成分
ルコナック:ルリコナゾール (『ルリコン』と同じ)
クレナフィン:エフィナコナゾール (新しい抗真菌薬)

◆抗真菌薬の系統
ルコナック:イミダゾール系
クレナフィン:トリアゾール系

◆適応症
ルコナック:爪白癬
クレナフィン:爪白癬

◆用法
ルコナック:1日1回
クレナフィン:1日1回

◆代表的な菌種に対するMIC
ルコナック:0.001 (μg/mL)
クレナフィン:0.001~0.03 (μg/mL)

◆使い方
ルコナック:容器の先端を爪に押し当て、薬液をにじませる
クレナフィン:「刷毛(はけ)」を使って爪に塗布する

◆製造販売元
ルコナック:ポーラファーマ
クレナフィン:科研製薬

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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