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似た薬の違い 統合失調症

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『レキサルティ』ってどんな薬?~『エビリファイ』との違い、副作用の少なさ

回答:「ドパミン」と「セロトニン」の働きを調整する薬

 『レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)』は、「統合失調症」と「うつ病」の薬として開発されている薬です。

 脳の働きを司る「ドパミン」と「セロトニン」を、多過ぎず少な過ぎずの丁度良い程度に調整する作用があり、副作用が非常に少ないため、飲み続けやすいことが特徴です。

 『エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)』の後継として開発されていますが、代謝物光学異性体ではなく、完全な新規化合物です。

回答の根拠①:「ドパミン」と「セロトニン」への変わった作用

 『レキサルティ』には、「ドパミン」と「セロトニン」に対して以下の3種類の作用を持っています1)。

1.ドパミンD2受容体に「部分作動薬」として作用
2.セロトニン5-HT1A受容体に「部分作動薬」として作用
3.セロトニン5-HT2A受容体を遮断する

レキサルティ
 1) Eur Neuropsychopharmacol.25(4):505-11,(2015) PMID:25687838

 「ドパミン」が異常を起こすと、「統合失調症」の原因になります。
 「セロトニン」が異常を起こすと、「うつ病」の原因になります。

 そのため、『レキサルティ』はこれらの脳内物質の働きを整えることで、「統合失調症」や「うつ病」に効果を発揮すると考えられています。
 またこのことから、『レキサルティ』は「Serotonin Dopamine Activity Modulateor:SDAM」と呼ばれています。

部分作動薬(パーシャル・アゴニスト)とは

 部分作動薬(パーシャル・アゴニスト)とは、受容体を一定のレベルで作動させる、という薬です。
 刺激が足りない時には刺激し、刺激が多い時には遮断する、という”調整”をしてくれます。
部分作動薬

回答の根拠②:副作用の少なさ

 『レキサルティ』は、頭痛や不眠以外に目立った副作用が起こらなかったことから、非常に忍容性の高い(飲み続けやすい)薬であることが報告されています2)。

 2) Schizophr Res.164(1-3):127-35,(2015) PMID:25682550

 『エビリファイ』では眠気(12.5%)や体重増加(9.4%)の他、不眠(27.1%)、神経過敏(14.8%)、振戦(10.5%)、不安(9.6%)など様々な副作用が高い頻度で起こる3)ことから、こうした副作用を減らせる薬として期待されています。

 3) エビリファイ錠 添付文書

 ただし、あくまで『レキサルティ』の副作用は臨床試験の段階で確認されたものだけで、実際に市場に出てから新しい副作用が見つかることもあります。
 しかし、「快適な生活を送る」という医療の主目的を達成するために、副作用が少ない薬が開発されることは非常に大きな意味があります。

薬剤師としてのアドバイス:飲み続けられる薬、という特徴

 『レキサルティ』の最大の特徴は、臨床試験段階で確認された副作用が非常に少ない、という点です。従来の『エビリファイ』と比べると、極めて飲みやすい薬と言えます。

 医療の目的は、病気を完治させることはもちろん、”病気であることを感じないくらい、快適に毎日を過ごせること”です。そのためには、例え非常に効果が高くとも副作用の強い薬は望ましいとは言えません。

 『レキサルティ』は、副作用が少なく容易に飲み続けることができる(忍容性が高い)薬として、大きな注目を浴びています。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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