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知っておくべきこと 外用剤

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アトピーの塗り薬、いつまで塗り続けるべき?~「治った」と言える目安

回答:治ったと思って、自己判断で中止しない

 一つの例として、症状のあった部分の肌の触り心地が、元々健康だった肌と同じくらい滑らかになるのが、治ったことの目安になります。

 痒みや赤みが治まっただけでは「治った」とは言えません。少し皮膚がザラついているだけ、という状態も「治った」とは言えません。

 こうした治りきっていない部分を残したまま治療を中止すると、そこから症状がぶり返してくることになります。

 塗り薬は、医師から「もう使わなくて良い」と言われるまでは使い続ける必要があります。アトピー性皮膚炎は、特に症状のぶり返しが多い疾患です。しかし、こうした自己判断による薬の中止によって症状が悪化していることも大きな要因の一つです。

詳しい回答:自己判断で止めたりすると、結局、薬の使用量は多くなる

 アトピー性皮膚炎では、”どうせ病院に行っても治らない”、”長く薬を使いたくないから、ひどい時だけ薬を使う”といったような自己判断による行動がよく起こります。

 こうした中途半端な治療を続けていると症状の悪化を何度も繰り返し、治療に時間がかかると共に、トータルで見たときに使用する薬の量も多くなってしまいます。

薬の使用量~正しく使用した場合と自己判断で使用した場合
 確かに、治療を始めた初期を短期的に見ると、薬の量が多いように思えますが、ぶり返しを起こさない治療を行うことによって、最終的には薬の使用量を抑えることができます。

 つまり、長く薬を使いたくないからこそ、一回の治療で最後まで治し切る必要があるのです。最短の近道は、医師の指示に従って正しい治療を行うことです。

回答の根拠:ステロイド外用剤にも使用量の目安がある

 ステロイド外用剤の場合、安全に使用できる1日の使用量の目安が定められています。そのため、通常は全身への副作用の心配をするより、医師・薬剤師の指示に従ってきちんと薬を使い続けることが大切です。

※全身性の副作用が発生し得る予想量 1)
Ⅰ群(Strongest)・・・・・1日10g以上
Ⅱ群(Very Strong)・・・1日20g以上
Ⅲ群(Strong)以下・・・・1日40g以上

 1) 日本医事新報 3625:135-136,(1993)

 症状が酷い場合にはこれを上回る量を使うこともありますが、3ヶ月未満の使用であれば、もし副作用が起きても薬を中止することで元に戻ることも報告されています1)。

補足説明:ステロイドの塗り薬で、皮膚は黒くならない

 よくある誤解に、ステロイドの塗り薬を使っていると皮膚が黒っぽく着色してしまう、というものがあります。これは完全な誤りです。

 炎症が長く続くと、皮膚が着色することがあります。ステロイドの塗り薬によるものではありません。むしろ、ステロイドの塗り薬を使って炎症を早く治すことによって、皮膚の着色を防ぐことが可能です。

 基本的に、ステロイド外用剤は医師・薬剤師の指示通りに使用している限り、大きな副作用はめったに起こりません。世間でよく叫ばれている危険性は、勝手な使用や誤った使い方をした場合に起こるものです。

薬剤師としてのアドバイス:治療はアレルギーの原因除去、スキンケア、薬物療法の3本柱で

 アトピー性皮膚炎は、治療ガイドラインにおいても3本柱で構成されています2)。

1. アレルギーの原因・増悪因子の除去
2. 皮膚を清潔に保ち保湿を行うスキンケア
3. ステロイド外用剤や抗ヒスタミン薬などの薬物療法

 2) 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」

 いずれかが欠けても、正しい治療にはなり得ません。治りが悪い皮膚症状がある場合には、一度皮膚科専門医を受診するようにしましょう。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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★「PharmaTribune」にてコラム「今月、世間を賑わした健康情報」連載中です。
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