スポンサードリンク

泌尿器科の薬 薬の誤解

/

頻尿で困っているのに、尿を出しやすくする『ハルナール』を処方された。どういうこと?

回答:”尿を出しやすくする”という表現の意味

 この”尿を出しやすくする”という表現は、排尿の回数を増やすという意味ではなく、”正しい排尿を促す”という意味です。
 つまり、夜間頻尿などの場合、正しく膀胱に尿を溜め、正しい排尿をできるようにするために薬を使用します。

 『ハルナール(一般名:タムスロシン)』や『フリバス(一般名:ナフトピジル)』は、尿が出にくくなった人に使用することが多い薬です。そのため、説明書等には”尿を出しやすくする”という表現で書かれていることがあります。

 その結果、夜間頻尿に処方された場合などは、ただでさえ尿が出過ぎて困っているのに、更に尿が出やすくなったら困る、といった誤解が生じてしまいます。

回答の根拠:膀胱の刺激を減らす

 夜間頻尿の主な原因は、膀胱が必要以上に刺激されていることが原因です。尿がまだ十分に蓄積されていないにも関わらず、排尿しなければならないという信号が脳に届いていることによって起こります。

 こうした刺激は、膀胱のα1D受容体が関与しています1)。

 1) 日本医事新報 No.4613 (2012)

 『ハルナール』や『フリバス』には、膀胱のα1D受容体を遮断する効果があります。この作用によって、排尿しなければならないという信号を止め、膀胱に尿を蓄積することができるようになります。

 共に適応症は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」2,3)ですが、排尿障害とは尿が出にくくなることばかりを意味するものではありません。正しい排尿ができなくなるものが広く該当します。

 2) ハルナール錠 添付文書
 3) フリバス錠 添付文書

薬剤師としてのアドバイス:薬の説明書の表現は、あくまで代表的なものの一つ

 そもそも、”たった一つしか効果のない薬”というものはほとんど存在せず、薬は色々な効果を併せ持っています。
 痛み止めとして有名な『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』ですら、鎮痛・解熱・抗炎症という3つの効果を持っています

 しかし、薬の説明書やお薬手帳などに記載されている表現は、あくまで代表的なものに過ぎません。これを逐一、その患者の症状に合わせて変更することは現実的に無理です。

 記載内容について何か不安や疑問を感じた場合は、自己判断で薬を中断したりせず、必ず薬剤師に確認するようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

■主な活動


★6月22日のフジテレビ「直撃LIVE グッディ!」に薬剤師としてコメントを寄せました。
★3月23日発売の「異世界薬局(コミック版)」に薬学監修として携わりました。
★12月28日のYahoo!ニュース動画「抗生物質が効かなくなる日」に監修として携わりました。

★PharmaTribuneにて連載中

利益相反(COI)
特定の製薬企業との利害関係、開示すべき利益相反関係にある製薬企業は一切ありません。

■カテゴリ選択・サイト内検索

スポンサードリンク

■ご意見・ご要望・仕事依頼などはこちらへ

■お勧め書籍

recommended

■提携・協力先リンク


オンライン病気事典メドレー

banner2-r

250×63

  1. 活動実績

    【活動実績】Yahoo!ニュース動画「抗生物質が効かなくなる日」の監修に携わりま…
  2. 活動実績

    【活動実績】日経新聞の土曜版「日経プラスワン」に取材協力しました
  3. 活動実績

    【活動実績】コミック版「異世界薬局」に監修として携わりました
  4. 活動実績

    【活動実績】日経トレンディ3月号の「花粉症対策記事」に情報提供しました
  5. 活動実績

    【活動実績】情報番組「直撃LIVE グッディ!」に薬剤師としてコメントを寄せまし…
PAGE TOP