『アレジオン20』と『アレグラFX』、同じ市販のアレルギー薬の違いは?~用法の差と眠気の副作用、効果の比較


回答:1日1回で良い『アレジオン20』、眠気が最も少ない『アレグラFX』

 『アレジオン20(有効成分:エピナスチン)』と『アレグラFX(有効成分:フェキソフェナジン)』は、どちらも花粉症などのアレルギーに効く薬です。
 アレルギーの薬の中では「第二世代の抗ヒスタミン薬」に分類され、どちらも眠くなりにくいのが特徴です。
アレジオンとアレグラ
 『アレジオン20』は、1日1回の服用で良く手間の少ない薬です。
 『アレグラFX』は、市販されているアレルギー薬の中では最も眠気が少ない薬です。

 それぞれ、全く同じ成分の薬が医療用の『アレジオン』・『アレグラ』としても使われていますが、明確な使い分けの基準は無く、服用の手間や眠気の程度などによって選ぶのが一般的です。



回答の根拠①:用法の違い~1日1回と1日2回の手間

 『アレジオン20』の用法は1日1回(就寝前)ですが、『アレグラFX』の用法は1日2回です1,2)。
アレジオンとアレグラ~用法
 1) アレジオン20錠 添付文書
 2) アレグラFX錠 添付文書


 通常、1日2回より1日1回の方が負担や手間が少なく、飲み忘れも少ない傾向があります。特に、朝は忙しく薬を飲み忘れてしまう人が少なくありません。
 その点、『アレジオン』は寝る前の1日1回の服用で良いため便利な薬です。

 ただし、どちらも食事の影響を受けやすい薬のため、できるだけ空腹時に飲むことをお勧めします。

※食後服用した場合の影響 3,4)
アレジオン:Cmaxが33%、AUCが38%低下
アレグラ:Cmaxが14%、AUCが15%低下

 3) アレジオン錠 インタビューフォーム
 4) アレグラ錠 インタビューフォーム




回答の根拠②:眠気の出やすさ~脳内ヒスタミン受容体の占有率

 『アレジオン』と『アレグラ』は、どちらも眠気が少ない「第二世代の抗ヒスタミン薬」です。
 抗ヒスタミン薬の眠気は、脳のヒスタミンに作用することによって起こりますが、『アレグラ』は市販されている抗ヒスタミン薬の中では、最も脳への移行が少ない薬です5)。
抗ヒスタミンの眠気
 5) Pharmacol Ther.113(1):1-15,(2007) PMID:16890992

 実際、『アレグラ』は眠くなりにくいだけでなく、集中力や判断力にもほとんど影響しないため、添付文書上でも自動車運転に対する制限がありません)。

※自動車運転に対する記載(医療用医薬品の場合) 6)
『ザジテン(一般名:ケトチフェン)』:脳への移行(75%)
→本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
『アレジオン』:脳への移行(7%)
→本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
『アレグラ』:脳への移行(3%未満)
→記載なし

 6) アレグラ錠 添付文書



薬剤師としてのアドバイス:花粉症は、花粉が飛び始めた日から薬を飲む

 『アレジオン20』や『アレグラFX』は、医療用と同じ成分を使った市販薬で、非常に高い効果が期待できます。しかし、花粉症がひどい場合にはこうした市販薬で対応するのではなく、きちんと病院で薬を処方してもらうことをお勧めします。

 特に花粉症は予測できるアレルギーなので、花粉が飛び始めた日から薬を飲み始めるのが鉄則です。こうした早めの対応によって、くしゃみや鼻水などの症状を軽く抑えることができます。
 我慢できなくなるほど酷くなってから病院へ行く人が少なくありませんが、それでは処方される薬の量や種類も増え、かえって負担は大きくなります。

 毎年花粉症になる人は、早めの対応をするようにしてください。
 



添付文書(一般用)記載事項の比較

◆規制区分
アレジオン20:第2類医薬品
アレグラFX:第2類医薬品

◆効能・効果
アレジオン20:花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり
アレグラFX:花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり

◆用法・用量
アレジオン20:1回1錠、1日1回就寝前
アレグラFX:1回1錠、1日2回朝夕

◆自動車運転に対する記載(※医療用の添付文書)
アレジオン:本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること
アレグラ:(記載なし)

◆製造販売会社
アレジオン20:1回1錠、1日1回就寝前
アレグラFX:1回1錠、1日2回朝夕



+αの情報①:『アレジオン』の持つ「抗ロイコトリエン作用」

 『アレジオン』は、「抗ヒスタミン薬」でありながら「ロイコトリエン」に対する作用もあり、特に医療用のものは「気管支喘息」への適応があります3)。

 くしゃみ・鼻水・痒みは「ヒスタミン」が、鼻づまりは「ロイコトリエン」が主な原因となって起こるため、『アレジオン』は鼻づまりにも効果が期待できる薬と言えます。



+αの情報②:セルフメディケーション税制の対象

 2017年から、市販薬のうち「スイッチOTC」の購入に使った費用が税控除の対象となる「セルフメディケーション税制」が始まっています。

 『アレジオン20』と『アレグラFX』はどちらも「スイッチOTC」のため、この「セルフメディケーション税制」の対象商品です。こうした税制度の観点から薬を選ぶのも、一つの方法です。



 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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