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抗ヒスタミン薬 副作用

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『アレグラ』は眠くならないの?~アレルギー薬の「眠気」の強さ

回答:「抗ヒスタミン薬」の中では、最も「眠気」が出にくい薬の一つ

 「眠気」が出やすい「抗ヒスタミン薬」の中で、『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』は最も「眠気」が出にくい薬の一つです。
アレグラと眠気
 ただし、「眠気」の感じやすさは個人差も大きいため、人によっては『アレグラ』でも「眠気」を感じる可能性があります。
 また、無自覚のうちに注意力や集中力が低下する「インペアード・パフォーマンス」が起こるリスクもあります。

 アレルギーを抑える薬は多種ありますので、眠たさや作業効率の低下が気になった場合には、薬の変更も含めて主治医と相談することをお勧めします。

回答の根拠①:脳内ヒスタミン受容体占有率と、「眠気」の関係

 「抗ヒスタミン薬」は、皮膚や粘膜などでアレルギー症状を起こしている「ヒスタミン」をブロックすることで、抗アレルギー作用を発揮します。

 しかし、「ヒスタミン」は脳にも存在し、主に覚醒や集中に関与しています。そのため、脳の「ヒスタミン」をブロックしてしまうと、眠気や集中力の低下を引き起こしてしまいます

 抗ヒスタミンの眠気

 つまり、血液脳関門を通過して脳に到達しやすい「抗ヒスタミン薬」では眠気が起こりやすく、脳に到達しにくい「抗ヒスタミン薬」では眠気が起こりにくい、と言えます。
 このとき、服用した薬のうちどれだけが脳に到達するか、を比較したデータがあります。現在、主にこれを基に眠くなりやすい、眠くなりにくい、といった評価がされています。

脳内ヒスタミン受容体占有率の比較 1,2,3)

【第二世代抗ヒスタミン薬】
『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』・・・・・3%未満
『アレジオン(一般名:エピナスチン)』・・・・・・・7%
『ザイザル(一般名:レボセチリジン)』・・・・・・・8.1%  
『エバステル(一般名:エバスチン)』・・・・・・・・10%
『クラリチン(一般名:ロラタジン)』・・・・・・・・・・11% 
『アレロック(一般名:オロパタジン)』・・・・・・・・13%
『ジルテック(一般名:セチリジン)』・・・・・・・・・15%
『ザジテン(一般名:ケトチフェン)』・・・・・・・・・・75%

【第一世代抗ヒスタミン薬】
『ポララミン(一般名:d-クロルフェニラミン)』・・50%
『レスタミン(一般名:ジフェンフィドラミン)』・・・55%

 1) Pharmacol Ther.113(1):1-15,(2007) PMID:16890992
 2) Expert Opin Drug Saf.10(4):613-22,(2011) PMID:21521134
 3) Expert Opin Drug Saf.14(2):199-206,(2015) PMID:25466429

 『アレグラ』は、抗ヒスタミン薬の中では最も脳に到達しにくく、眠気を生じにくい薬であることがわかります。

 また、眠気を催す「抗ヒスタミン薬」の成分は、市販の風邪薬にも配合されていることが多いため、眠気を避けたい場合には「抗ヒスタミン薬」の入っていない風邪薬を選ぶ必要があります。

脳内占有率50%が表すもの

 脳内ヒスタミン受容体占有率が50%以上の状態は、ウイスキー4杯に相当するアルコール90mLを飲んだ時の情報処理能力の低下と同程度である4)とも言われ、「インペアード・パフォーマンス」の基準にもされています5)。

 4) サノフィ・アベンティス Webサイト
 5) Hum Psychopharmacol.23(7):555-70,(2008) PMID:18618902

回答の根拠②:自動車運転の是非

 「眠気」を催す恐れのある薬を飲んだ状態で、自動車の運転をすることや、高所などで作業をすることは、事故防止の観点からもできる限り避ける必要があります。
 そのため、「抗ヒスタミン薬」でも自動車運転に対して、添付文書上で注意喚起がされています。

※注意喚起がないもの

『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』

『クラリチン(一般名:ロラタジン)』

※自動車運転の際には注意するよう記載されているもの

『アレジオン(一般名:エピナスチン)』
『エバステル(一般名:エバスチン)』
『タリオン(一般名:ベポタスチン)』

※自動車運転などに従事させないよう記載されているもの

『ザイザル(一般名:レボセチリジン)』
『アレロック(一般名:オロパタジン)』
『ジルテック(一般名:セチリジン)』
『ポララミン(一般名:d-クロルフェニラミン)』
『レスタミン(一般名:ジフェンヒドラミン)』
『ザジテン(一般名:ケトチフェン)』
・・・他、抗ヒスタミン薬全般

 また、アメリカ合衆国ではワシントンD.C.を含めた30以上の州で、「抗ヒスタミン薬」を服用した状態での自動車運転が法律で禁じられています。

+αの情報①:『クラリチン』の可能性

 『クラリチン』は、試験によって自動車の運転能力や、パイロットの航空機操縦能力に影響がないことが示唆されています5)。
 『クラリチン』の有効成分「ロラタジン」の代謝活性体である「デスロタラジン」の薬『デザレックス(一般名:デスロラタジン)』も、自動車運転等を気にせずアレルギー治療を行えることが期待されています。

 5) Am J Rhinol.6(1):23-27,(1992) ※PubMed外

+αの情報②:強烈な眠気は、睡眠導入剤や鎮静剤にもなる

 『レスタミン(一般名:ジフェンヒドラミン)』は、副作用である強烈な眠気を利用し、睡眠導入剤として『ドリエル』という名前で市販されています。

 また、抗ヒスタミン作用を持つ薬が鎮静剤として用いられることもよくあります(例:統合失調症の薬など)。

+αの情報③:『アレグラFX』

 市販薬の『アレグラFX』は、医療用の『アレグラ』と全く同じ有効成分の薬です。眠気が出にくいアレルギー薬として、市販薬を選ぶ際にはお勧めです。

 
 
 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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コメント

    • Fizz-DI
    • 2017年 1月 28日

     回答の根拠①の部分で、『ザジテン(一般名:ケトチフェン)』が「第一世代」の抗ヒスタミン薬に分類されていましたが、「第二世代」に修正しました。

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