『メトグルコ』と『グリコラン』、ジェネリック医薬品が違うのは何故?~メトホルミン製剤の用法・用量の差


回答:有効成分は同じだが、用法・用量が違うので別の薬として扱う

 『メトグルコ(一般名:メトホルミン)』と『グリコラン(一般名:メトホルミン)』は、どちらも「メトホルミン」を有効成分とする糖尿病治療薬です。

 有効成分は同じため、効果や副作用に違いはありません。

 しかし『メトグルコ』は1日2,250mgまで使えるのに対し、『グリコラン』は750mgまでしか使えません。このように用法・用量が異なるため、別の薬として扱います。
メトグルコとグリコラン~ジェネリック医薬品も異なる別の薬
 そのため、『メトグルコ』のジェネリック医薬品は「メトホルミンMT」『グリコラン』のジェネリック医薬品は「メトホルミン」と、ジェネリック医薬品(後発品)もそれぞれ区別して扱う必要があります。



回答の根拠①:用法・用量の違い

 「メトホルミン」の薬は、『メトグルコ』や『グリコラン』、『メルビン』などの薬が販売されています。いずれも、有効成分は全く同じため、効能・効果や適応症に違いはありません。

 ただし、『メトグルコ』は高用量での治療ができるよう、2010年に改めて新薬として発売された薬です。
 これは、UKPDSなどの試験において、従来よりも多い量の「メトホルミン」で治療した場合に、副作用を増やさずに治療効果が高まることが報告されたことがきっかけです1)。

 1) メトグルコ錠 インタビューフォーム

 そのため、『メトグルコ』は従来から販売されている『グリコラン』や『メルビン』とは別の薬として扱われます。実際に『メトグルコ』だけは用法・用量が異なります。

※『メトグルコ』の用法・用量 2)
1日量500~2,250mg、1日2~3回、食直前または食後に服用

※『グリコラン』、『メルビン』の用法・用量 3,4)
1日量500~750mg、1日2~3回、食後

 2) メトグルコ錠 添付文書
 3) グリコラン錠 添付文書
 4) メルビン錠 添付文書




回答の根拠②:ジェネリック医薬品(後発品)の扱いも違う

 『メトグルコ』は、『グリコラン』や『メルビン』などの「メトホルミン」製剤とは分類上、別の薬として扱います。そのため、ジェネリック医薬品(後発品)も区別し、別のものを使う必要があります。

 『メトグルコ』のジェネリック医薬品は、1日2,250mgまで使うことができる「MT」がつく薬です。
メトグルコとグリコラン~ジェネリック医薬品の混同に注意
『メトグルコ』のジェネリック医薬品
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSEP」
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「DSEP」など

『グリコラン』や『メルビン』などのジェネリック医薬品
メデット錠250mg
ネルビス錠250mg
メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」など

 これらを混同して、『メトグルコ』の処方『メデット』にしたり、『グリコラン』の処方『メトホルミンMT』にしたりすることはできません。



薬剤師としてのアドバイス:あくまで、分類上の違い

 『メトグルコ』と『グリコラン』は、許可された用法・用量が異なるため、分類上は別の薬として扱います。そのため、ジェネリック医薬品もそれぞれ別のものがあります。

    間違った変更をすると、レセプトが受け付けられない恐れがあります。

 しかし、これらはあくまで、保険請求における分類上の違いであって、薬に違いがあるわけではありません。どちらも「メトホルミン」の薬です。

 同じ薬なのに一緒に扱うことができないというややこしい事情により、何らかのご不便をかける場合がありますが、ご理解頂けると幸いです。

 

 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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