『リアルダ』と『アサコール』、新旧の潰瘍性大腸炎の薬の違いは?~薬の製剤工夫と服用回数・個数


回答:『リアルダ』は、1日1回の服用で治療できる

 『リアルダ(一般名:メサラジン)』と『アサコール(一般名:メサラジン)』は、どちらも同じ「メサラジン」の薬で、潰瘍性大腸炎の治療に使います。

 『リアルダ』と『アサコール』は、どちらも大腸の炎症部位にまで薬が行き届くよう、胃や小腸で薬が溶けて吸収されてしまわないように設計されています。
リアルダとアサコール~服用回数の違い
 『リアルダ』は1日1回の服用で良く、1日3回飲む必要があった『アサコール』と比べて負担の少ない薬と言えます。



回答の根拠①:pHで溶けるコーティング~「メサラジン」を大腸まで届ける工夫

 「メサラジン」は、そのまま飲むと小腸で吸収されてしまいます。そのため、大腸で作用させるためには、何らかの方法で薬を大腸まで届ける必要があります。

 『リアルダ』や『アサコール』は、pHが高くなるとコーティングが溶けるように設計されています1,2)。
 胃や小腸では、胃酸があるためにpHは酸性に傾いています。そのため、胃や小腸では溶けずにそのまま通り過ぎますが、pH7以上の回腸~大腸に到達するとコーティングが溶け、薬が放出されるようなります。
リアルダとアサコール~大腸へのDDS
 1) 持田製薬(株) リアルダ錠「新製剤技術「MMX」について」
 2) アサコール錠 インタビューフォーム

 
 潰瘍性大腸炎の治療効果は、大腸粘膜患部での「メサラジン」の濃度と相関する3)ため、高い濃度の「メサラジン」を大腸まで届けることができる『リアルダ』や『アサコール』は、潰瘍性大腸炎に特化した薬と言えます。

 3) Gut.47(3):410-4,(2000) PMID:10940280



回答の根拠②:1日1回の服用~長い時間をかけて溶け続ける工夫

 『リアルダ』はコーティングが剥がれた後、長い時間をかけて溶け続けるため、薬の効果が長続きするように設計されています。
 そのため、1日1回の服用で治療ができるようになっています4)。
リアルダ~1日1回の服用回数
 4) リアルダ錠 添付文書

 これは『リアルダ』の錠剤が、水を吸ってゲル化する親水性基剤と、その吸水を邪魔する親油性基剤の両方で作られているからです1)。

 『アサコール』が1日3回だったことと比べると、飲み続けることに対して非常に負担の少ない薬と言えます。

服用個数も減らせる

 『リアルダ』は1錠に「メサラジン」が1,200mg含まれていることもあり、1日に飲む錠数も2錠(最大4錠)で済みます4)。
 『アサコール』の1日の錠数が6~9錠だったことを考えると、『リアルダ』は服用個数の点でも負担を減らすことができます。



薬剤師としてのアドバイス:潰瘍性大腸炎は、きちんと薬を続けられれば9割が寛解する

 潰瘍性大腸炎は、きちんと薬を飲み続ければ9割近くの人で寛解を維持できることが知られています。そのため、治療がうまくいくかどうかの大部分は、きちんと薬を飲めるかどうかにかかっています。

 しかし、薬を1日3回で飲み続けることは大きな負担で、飲み忘れ等がたくさん起こってしまうのが実情です。

 『リアルダ』は、こうした服薬の手間や負担を減らし、今よりも潰瘍性大腸炎の治療を簡単にする薬として期待されています。



添付文書・インタビューフォーム記載事項の比較

■効能・効果
リアルダ:潰瘍性大腸炎(重症を除く)
アサコール:潰瘍性大腸炎(重症を除く)

■用法
リアルダ:1日1回
アサコール:1日3回

■用量
リアルダ:2,400~4,800mg
アサコール:2,400~3,600mg

■1錠に含まれる有効成分の量と、服用する錠数
リアルダ:1錠1,200mg → 1日2~4錠
アサコール:1錠400mg → 1日6~9錠

■取扱い上の注意
リアルダ:かまずに服用、粉砕も避ける
アサコール:かまずに服用、粉砕も行わない

■販売元
リアルダ:持田製薬
アサコール:協和発酵キリン・ゼリア新薬工業



 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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