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似た薬の違い 便秘薬

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『アミティーザ』ってどんな薬?~既存の下剤との比較、頓服の是非

回答:30年ぶりの新・便秘薬

 『アミティーザ(一般名:ルビプロストン)』は、便を柔らかくし、腸の輸送能力を促進することで、慢性便秘症を治療する薬です。

 「クロライドチャネルアクチベーター」という新しい作用を持つ下剤で、浸透圧性下剤『マグミット(一般名:酸化マグネシウム)』や刺激性下剤『プルゼニド(一般名:センノシド)』とは全く異なる効き方をする薬のため、従来の下剤では効果がなかった人にも効果が期待できます。

 従来の下剤と異なり、寝る前1回や、お通じのない時に頓服で服用するのではなく、1日2回朝食後と夕食後に服用することに注意が必要です。

回答の根拠①:従来の下剤より優れている面

 『アミティーザ』は、小腸の粘膜にある「タイプ2-クロライドイオンチャネル(CIC-2)」と呼ばれる構造に作用することで、腸内に水分を分泌し、便を柔らかくします1)。
 更に、腸管内の輸送機能を改善し、腸の粘膜組織を修復する機能も持っています1)。
アミティーザと既存の下剤
 1) アミティーザカプセル インタビューフォーム

 『マグミット』は、水を集め、便の水分量を増やす「浸透圧性下剤」です。
 この『マグミット』と比べると、腎臓の機能が低下した人にも使用ができ、長期使用でも「高マグネシウム血症」を起こさないほか、腸の動きも整える効果もあるため、より高い効果が期待できます。

 『プルゼニド』は、腸に刺激を与えて蠕動運動を起こす「刺激性下剤」です。
 この『プルゼニド』と比べると、長期で使用しても「耐性」が生まれないため、薬の量を調節しながら長い期間、安全に使用できます。

 また、『アミティーザ』は自発的なお通じを促すため排便時の負担も少なく、腹痛などを起こしにくいことも優れた点の一つです。

回答の根拠②:従来の下剤の方が優れている面

 『アミティーザ』の薬価は1カプセル161円です。通常、それを1日2回服用するため、1日あたり322円かかります。これは、既存の下剤と比べるとかなり高額です。

※既存の下剤の薬価
『マグミット』(200mg、250mg、330mg、500mg):1錠5.6円 →1日3回で約17円
『プルゼニド』:1錠5.6円 →1日1回で約6円

 既存の薬でも十分に効果が得られるような人は、安い既存の薬を選ぶことも選択肢です。

薬剤師としてのアドバイス:1日2回、朝食後と夕食後で服用する

 『アミティーザ』の用法は、1日2回、朝食後と夕食後で指定されています。食後が指定されているのは、悪心の副作用を軽減するためです1)。
 こういった理由から、他の下剤のように、寝る前に1回服用したり、お通じのない時に頓服で使用するといった使い方はできません。

 臨床試験では、『アミティーザ』を1日2回服用することで、投与後24時間以内に60~70%の患者に自発的なお通じが生じています1)。
 しかし、服用から8~10時間で効果が現れる『プルゼニド』のように、1回だけで使用した場合「具体的に何時間後に効果が現れてくるのか?」が明確ではありません1)。
 そのため、定められた用法から外れた不規則な服用をすると、睡眠中や通勤途中など、厄介な時間帯に便意を催す恐れもあります。
プルゼニドとアミティーザ~作用発現までの時間と逆算
 こうした点から、現時点では『アミティーザ』の頓服は不適と考えるのが妥当です。
 
 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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