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知っておくべきこと 薬の飲み方

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症状が治まったら、もう薬を飲まなくても良い?~薬を中断するデメリット

回答:最後まで飲み切った方が良い

 処方された薬はその時に飲み切るようにしましょう。その理由は以下の3つです。

1. 耐性菌の出現など、自己判断による中止は思わぬ健康被害を招く可能性が高い
2. 薬で”治まっている”症状は、薬を止めるとぶり返してしまう
3. 残った薬を、自己判断で次の機会に使うことは危険

 頓服薬や、常備薬として医師から指示されている場合はこの限りではありません。

 薬が残っている場合は病院へ持って行き、使ってOKかどうかを医師に確認してもらいましょう。その際に、次にまた似たような症状が出た場合、その薬を使っても良いかどうかを予め確認しておくと良いでしょう。

詳しい回答①:”耐性菌”という厄介な菌の出現

 特に、抗生物質を自己判断で中止することは絶対にやめてください。抗生物質を中途半端に使うと、薬が効かない”耐性菌”を生み、次から薬で治療できなくなってしまう恐れがあります。

 また、こうした”耐性菌”が周りの人にも伝染した場合、自分だけでなく家族や友人など周りの人たちも、薬が効きにくい菌の被害を受けることになります。

 たとえ元気になっても、処方された抗生物質は最後まで飲み切るようにしてください。

詳しい回答②:症状が”治まった”という甘い判断の罠

 いま薬が効いているから、”症状が治まった”と思えている可能性があります。その場合、薬を止めるとぶり返してしまうことになります。

 水虫治療やアレルギー治療では特に、少し良くなったからと治療を自己判断で止めてしまう傾向があり、結果的に治療が長引いてしまうことになります。
 必ず、医師から「これで治療は終わりでOK」と言ってもらえるまで、薬を続けるようにしましょう。

詳しい回答③:余った薬を自己判断で使うことのリスク

 「次、同じような症状になったときに使おう」と、薬を保管しておく方もおられるようですが、お勧めはできません。
 同じような症状であっても、原因が全く異なることもあります。ひとことに”頭痛”や”腹痛”、”痒み”と言っても原因は様々で、使う薬は全く異なります。間違った薬を使うと効果がないばかりか、逆効果になる恐れもあります。

 また、医師の指示外で薬を使っておきた副作用については、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる恐れもあります。

 自己判断で薬を選ぶことは危険ですので、やめましょう。

 →参考:

薬剤師としてのアドバイス:残ってしまった薬の処理は薬局に

 使わなかった頓服薬など、何かの理由で残ってしまった薬は、直射日光や高温、多湿を避けて保管しておき、何が残っているかをお薬手帳などにメモしておきましょう。
 薬によっては冷所保存、暗所保存が必要なものもありますので注意してください。

※記録しておくべき項目
・薬の名前
・薬の名前についている数字(mgなど)
・薬の総数
・いつ処方された薬か

 そのメモは次回、薬局で薬をもらう際に薬剤師に提示してください。そうすれば、”家に残っている薬から先に使う”ように医師に提案し、薬代の節約に協力することができます。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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薬の比較と使い分け100(2017年)
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■日経メディカル開発
薬剤師のための医療情報検索テクニック(2019年)
■金芳堂
医学論文の活かし方(2020年)
服薬指導がちょっとだけ上手になる本(2024年)

 

【執筆】
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南山堂「薬局」、Medical Tribune
薬ゼミ、診断と治療社
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【講演・シンポジウム等】
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大学(熊本大学/兵庫医科大学/同志社女子大学)
学会(日本医療薬学会/日本薬局学会/プライマリ・ケア連合学会/日本腎臓病薬物療法学会/日本医薬品情報学会/アプライド・セラピューティクス学会)

 

【監修・出演等】
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