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知っておくべきこと 薬の誤解

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「帯状疱疹」は一生に一度しか発症しないから、伝染しない?~子どもの水疱瘡との関連と、後に残る神経痛

回答:何度も発症するし、伝染もする

 「帯状疱疹」は”一生に一度”と言われてきましたが、二度や三度発症する人も居ます。

 また、インフルエンザのような強い感染力はありませんが、同じコップやタオルを使ったりする等の接触によって伝染することもあります。

 通常、「帯状疱疹」は命に関わるような重大な感染症ではありませんが、症状が重くなると神経痛の後遺症が残ったり、皮膚に痕が残ったりする恐れもあります。早めに病院を受診するようにしましょう。
 

回答の根拠①:帯状疱疹と水疱瘡

 「帯状疱疹」と「水疱瘡」は、同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で起こります。

 子どもの頃に罹った「水疱瘡」は、症状が治ったあともウイルスが神経に残ります。このウイルスは、普段はヒトの免疫力によって活動が抑えられています。
 ところが、疲れやストレス、病気などで免疫力が低下すると抑えが利かなくなり、ウイルスが再び暴れ出します。

 これが「帯状疱疹」です。

 つまり、「帯状疱疹」は他人から伝染されるものではなく、自分の中に潜んでいたウイルスが暴れはじめることで起こります。

 そのため、一生に一度しか発症しないわけではなく、免疫力が低下すれば何度でも発症する可能性があります。

回答の根拠②:子どもや赤ちゃんには「水疱瘡」として感染する

 ほとんどの場合、大人同士の間で「帯状疱疹」が感染することはありません。そのため、インフルエンザのような隔離生活を送る必要はありません。

 しかし、小さなお子さんや赤ちゃんに対しては、「水疱瘡」として感染する恐れがあります。症状がある間は接触やコップ・タオル等の使い回しを避けましょう。

薬剤師としてのアドバイス①:神経にダメージが残ると非常に厄介

 「帯状疱疹」のウイルスは、主に神経に潜み、神経で暴れ回ります。そのため、症状が重かったり長引いたりすると、神経がダメージを受けてしまいます。

 神経にダメージがあると、「帯状疱疹」が治ったあともずっと”ピリピリ”した痛み(帯状疱疹後の神経痛)が残ってしまいます。こうした神経の痛みには、一般的な解熱鎮痛薬(NSAIDs)では効果が得られないため、非常に厄介です。

 『リリカ(一般名:プレガバリン)』『ノイロトロピン(一般名:ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)』といった、神経痛に効果のある鎮痛薬を使用する必要があります。 

 

薬剤師としてのアドバイス②:帯状疱疹の時は、薬はきちんと飲み切る

 ”痛み”がなければ、薬を止めて良いわけではありません。

 「抗ウイルス薬」を途中でやめてしまうと、退治しそこねたウイルスがまた神経に潜んでしまいます。こうして潜んだウイルスは神経を傷つけ”神経痛”の原因になります。更に、免疫が弱ったときにウイルスが活動を再開し、「帯状疱疹」をもう一度発症する恐れもあります。必ず指示された日数は薬を服用するようにしてください。

 また、「帯状疱疹」を発症している最中には『ロキソニン』などの解熱鎮痛薬(NSAIDs)を使うこともありますが、この薬には「痛み止め」の他に「炎症を抑える」作用があります。痛みがなくとも、炎症を抑える必要がありますので、できる限りNSAIDsなどの痛み止めも続けて飲むようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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