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ステロイド(外用) 知っておくべきこと

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虫刺されに、『リンデロン』や『ロコイド』といったステロイドの塗り薬を使っても良い?~薬の選び方と、治らない時の対応

回答:適した強さのステロイドを選び、1~2回塗って治らなければ病院へ

 ステロイドの塗り薬は、虫刺されにも効果があり、病院で処方されることもあります。
 そのため、家にあるステロイドを、新たな虫刺されには絶対に使ってはいけない、というわけではありません。

 ただし、虫に刺された場所に適した強さのステロイドを選び、更に1~2回塗っても治らない場合はきちんと皮膚科を受診する必要があります。
虫刺されにステロイドを使う場合のフローチャート
 そのため、腫れ・痒みの原因がはっきりしない場合や、混ぜた薬でステロイドの強さが正確にわからない場合、1~2回塗っても治らない場合などは、安易に自分で薬を選ばず、きちんと皮膚科を受診することをお勧めします。

回答の根拠①:ステロイドの塗り薬は、強さが5段階に分けられている

 ステロイドの塗り薬は、強さによって5段階(Ⅰ群~Ⅴ群)に分類されています1)。

※ステロイド外用剤の強さのランク
Ⅰ群:最も強い(Strongest)
Ⅱ群:非常に強い(Very Strong) 
Ⅲ群:強い(Strong)
Ⅳ群:普通(Medium)
Ⅴ群:弱い(Weak)

 1) Arch Dermatol.89(5):741-6,(1964) PMID:14122107

 人間の皮膚は場所によって厚さが異なり、薬の効きやすさも全く違うため、皮膚の厚い手足には強いステロイド、皮膚の薄い顔などには弱いステロイドを、それぞれ選ぶ必要があります。
ステロイドの塗り薬の強さと、塗って良い場所の目安
 そのため、手や足用に処方された強いステロイドの『デルモベート(Ⅰ群)』や『アンテベート(Ⅱ群)』を、顔の虫刺されに使用してしまう、といったことは非常に危険です。

『リンデロン』には4種類ある

 『リンデロン』にはDP・V・VG・Aの4種類があり、それぞれ強さが全く異なる薬です。

 ひとことに『リンデロン』を使うと言っても、『リンデロンV』であれば良いが『リンデロンDP』ではダメ、といったことが起こるため、安易に自己判断で使うことはお勧めできません。

回答の根拠②:1~2回塗って治らないときは、ただの虫刺されではない

 蚊に刺されると赤く腫れて痒くなりますが、通常は数時間も経てば治まります。

 虫刺されによる炎症は一時的なものなので、何日も続くものではありません。そのため、ステロイドの塗り薬を1~2回塗って治らない場合には、普通の虫刺されではなく別の皮膚病を疑う必要があります。
虫刺されとステロイド
 実際、「虫刺され」だと思い込んでステロイドの塗り薬を何週間も使い、あまりに治らないので病院を受診すると全く別の感染症が進行していた、といった事例は少なくありません。

 ステロイドの塗り薬を1~2回塗って治らない場合や、原因が「虫刺され」だとハッキリわからない場合には、一度皮膚科を受診することをお勧めします。

薬剤師としてのアドバイス:予め、身体のどこの場所に使って良い薬か、確認しておく

 虫刺されによって、元々の皮膚トラブルが悪化することはよくあります。
 そのため、医師は今回の虫刺されだけでなく、次に虫に刺された時にも使うことを想定してステロイドを処方することがあります。

 しかし、虫は毎回同じ場所を刺すとは限らず、時には「足の裏」や「まぶた」など、妙なところを刺されることもあります。
 そうした場合、以前に処方されたステロイドが必ずしも適しているとは限りません。

 ステロイドの塗り薬を処方された場合には、身体のどこの場所に使って良いものなのかを予め医師・薬剤師に確認し、メモを残しておくことをお勧めします。

+αの情報:市販の虫刺されの薬でも、「ステロイド」が含まれているものがある

 市販の虫刺されの薬の中には、「ステロイド」が配合されているものもあります。

 眼の周りや唇など特殊な場所を除いて全身どこに使っても問題ないよう、最も弱いV群のステロイドが使われています。

※ステロイドが配合された虫刺されの薬の例
ウナコーワα(第2類医薬品)・・・「酢酸デキサメタゾン(V群のステロイド)」を含む

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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★「PharmaTribune」にてコラム「今月、世間を賑わした健康情報」連載中です。
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