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認知症 薬の特別な使い方

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レビー小体型認知症(DLB)に『メマリー』は有効か?~実際の効果と保険適用上の問題

回答:効果は報告されているが、保険適用はまだ無い

 2016年6月7日現在、『メマリー(一般名:メマンチン)』の適応症は「アルツハイマー型認知症」だけです。
メマリーの保険適用
 『メマリー』も「レビー小体型認知症(DLB)」に対して効果がある、という報告はいくつもありますが、保険適用はまだありません

 

回答の根拠:DLBに対する『メマリー』の有効性

 『メマリー』には、「レビー小体型認知症」に対して有効とする報告があります1)。

 1) 老年精神医学雑誌.23(9):1079-1082,(2012)

 しかし現在のところ、「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」の両方に適応が認められているのは『アリセプト(一般名:ドネペジル)』だけです2)。

 2) アリセプト錠 添付文書

他の薬でも有効性は報告されている

 『アリセプト』と同じ「コリンエステラーゼ阻害薬」には、「レビー小体型認知症」への有効性が報告されているものがあります。

 『レミニール(一般名:ガランタミン)』は、実際に「レビー小体型認知症」への有効性が報告されています3)。
 『リバスタッチ(一般名:リバスチグミン)』には、パーキンソン病認知症への有効性が認められている4)ため、似た症状を示す「レビー小体型認知症」への効果も期待されています。

 3) Dement Geriatr Cogn Disord.23(6):401-5,(2007) PMID:17409748
 4) N Engl J Med. 351(24):2509-18,(2004) PMID:15590953

薬剤師としてのアドバイス:DLBの問題点は「見つけにくいこと」で、治療は変わらない

 「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」は、実際に診断されてしまえば、その後の治療は『アリセプト』を使うことになり、どちらでも一緒です。

 「レビー小体型認知症」が問題になるのは、治療方法が異なるからではなく、「見つけにくいから」です

 「アルツハイマー型認知症」では、「物忘れ」が初期症状として現れます。
 この”認知症=物忘れ”という認識が広まっているため、「幻覚」や「身体症状」が初期症状として現れる「レビー小体型認知症」は、別の病気と間違われることが多い傾向にあります。
アルツハイマー型とレビー小体型の違い

 別の病気と間違われると、本来必要な認知症の薬が処方されないため、気付いた時には認知症が進行してしまっている、ということになりかねません。

 「レビー小体型認知症」という変わったタイプの認知症も存在する、ということは知っておき、身近にいる家族がその兆候を正しく医師に伝えることが重要です。
 

+αの情報:「レビー小体型認知症」にも、『抑肝散』が有効

 漢方薬である『抑肝散』は、「アルツハイマー型認知症」の周辺症状(暴言や興奮・攻撃性など)を和らげるのに効果的です。目立った副作用もないため、抗精神病薬よりも優先して使うよう推奨されています5)。

 5) 日本老年医学会 「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン(2015)」

 この『抑肝散』は、「レビー小体型認知症」の周辺症状にも有効とされています6)。

 6) Psychogeriatrics.12(4):235-41,(2012) PMID:23279145

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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