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知っておくべきこと 子どもの薬

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薬品や異物を誤飲した時は、吐かせるべき?

回答:吐かせてはいけない物もある

 誤飲や中毒が起きたとき、意識がはっきりしている場合は、吐かせるのが基本です。
 通常、飲み込んだものは3~4時間程度、胃に留まります。誤飲が起きて3~4時間以内であれば吐かせることをまず考えます。

 しかし、6ヶ月未満の乳児や高齢者、意識がはっきりしていない人の場合、吐き出したもので窒息したり、気管へ入って肺炎を起こす恐れがあるため、吐かせようとすることがかえって危険なこともあります。

 また、強酸や強アルアリ性の薬品、尖ったものなど、吐き出す際に食道を傷つける恐れのあるものは、吐かせない方が良い場合があります。

 薬や薬品の誤飲に気付いた場合、以下の3点を病院へ連絡し、対応を相談することをお勧めします。今の体調がすぐれない、痙攣を起こしている、意識がないといった場合には、すぐに救急で病院を受診するようにしてください。
 
①何を飲みこんだのか(薬であれば特定できているか)
②いつ飲みこんだのか?
③今の体調、様子は?

 参考)子どもが家族の薬を誤飲してしまったとき

薬剤師としてのアドバイス①:異物ごとの初期対応を知っておこう

 基本的には、連絡した先の病院や救急隊員からの指示に従うようにしてください。

 しかし、どういった対応をすべきか、どういった対応をしてはいけないのか、ということは、最低限の知識として備えておくようにしましょう。特に、必ずしも”誤飲した時は吐かせる”ことが得策でない、と知っておくことは重要です。

◆タバコ
 タバコを誤飲した場合、水を飲ませて吐かせる必要があります。吸い殻の入っていた水を飲んでしまった場合も、水を飲ませて吐かせた上、すぐに病院を受診してください。

◆他人の薬
 薬の種類によって危険度は大きく異なりますが、血圧を下げる薬、血糖値を下げる薬、睡眠薬、不整脈の薬などは、場合によって致命的になることがあります。吸収されてしまう前に、水を飲ませて吐かせた上、すぐに病院を受診してください。何の薬を飲み込んだかわからない場合は、”飲み込んだ可能性のある薬”を一通り病院に持参することをお勧めします。
 ただし、シート(包装)ごと飲み込んだ場合は、尖った部分で食道を傷つける恐れがあるため、吐き出さずに病院で安全に取ってもらう必要があります。

◆灯油やガソリン
 吐かせようとして、気管に入ると非常に危険です。水を飲むと反射で吐き気を催す恐れもあるため、何も飲まさず、吐かせようともせず、そのまますぐ病院を受診してください。

◆マニキュアなどの除光液
 除光液の主成分は、アセトンなどの有機溶媒で、石油と同じです。吐かせようとして、気管に入ると非常に危険です。水を飲むと反射で吐き気を催す恐れもあるため、何も飲まさず、吐かせようともせず、そのまますぐ病院を受診してください。

◆酸性・アルカリ性の洗剤
 胃や食道の粘膜を傷つけるため、吐かせるべきではありません。牛乳を飲ませることで粘膜を保護することもできますが、吐き気を催さない程度の量に気を付けてください。その上で、すぐに病院を受診してください。

◆乾燥剤(生石灰)
 水と反応して熱を持ち、火傷する恐れがあります。また、胃や食道の粘膜を傷つけるため、吐かせるべきではありません。牛乳を飲ませることで粘膜を保護することもできますが、吐き気を催さない程度の量に気を付けてください。その上で、すぐに病院を受診してください。

◆防虫剤(樟脳、ナフタリン)
 着物などに使う「樟脳」は有毒物資です。脂肪分があると吸収されやすくなるため、牛乳などを飲ませてはいけません。水を飲ませた上で、吐かせようとせず、すぐに病院を受診してください。

◆電池
 吐き出そうとすると、気管にひっかかる恐れがあります。ほとんどの場合は便と一緒に出てきますが、体内で腐食して成分が漏れ出すと、内臓を科学火傷する恐れがあります。すぐに病院で取ってもらう方が安心です。

◆吸水ポリマー
 吸水ポリマーそのものに毒性はありませんが、多量の水を吸収して膨張し、気管や腸管を塞いでしまう恐れがあります。少量であれば基本的に問題ありませんが、大量に摂取した場合は病院を受診するようにしてください。

◆尖った玩具、画鋲、針
 吐き出そうとすると、食道や胃を傷つける恐れがあります。特に水などを飲ませる必要もありませんので、すぐに病院を受診してください。飲み込んだものを同じものを持っていくことをお勧めします。

薬剤師としてのアドバイス②:慌てなくても良いもの

 薬局でも時折お電話を頂きますが、最近は万が一飲み込んでも安全なように設計されたものが多く存在します。変わった様子があれば受診をお勧めしますが、特に異変がなければ気にしなくて良いものもあります。

◆乾燥剤(シリカゲル)
 シリカゲルは吸収されずにそのまま便と一緒に出て行きます。

◆防虫剤(パラジクロロベンゼン)
 家庭用の防虫剤は、毒性が低くほとんど問題ありません。体調に異変があるときや、大量に飲み込んだ場合は念のため病院を受診してください。

◆新聞紙、段ボール、チラシ、ティッシュ
 紙は、気管に詰まったりしない限り、特に問題ありません。
 最近はインクも植物性のものが多いですが、全面に油性のインクで着色されたものなど、油性インクを大量に飲み込んだ場合は病院を受診してください。

◆クレヨン、絵の具
 子ども用のクレヨンや絵の具は基準が厳しく、食べても問題ないよう設計されています。ただし、100円均一のものや、海外製のもの、専門性の高いものには重金属などが含まれている可能性があるため、病院を受診するようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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