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解熱鎮痛薬・NSAIDs 子どもの薬

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子どもの熱に『カロナール』を使ったが効かない。追加で飲ませるべき?~平熱まで”解熱”させる必要はあるのか

回答:まず、4時間は待つ必要がある

 『カロナール(一般名:アセトアミノフェン)』を追加で飲む場合、前の服用から最低でも4時間(できれば6時間程度)の間隔をあける必要があります。

 またその際、熱は必ずしも下げなければならないわけではないことも考慮する必要があります。あくまで解熱剤は、”熱がしんどい時に行う対症療法”であって、根本的な治療にはなりません。
解熱剤の目的

 通常、38℃までの発熱であれば下げる必要はなく、また薬で36~37℃まで下げる必要もありません。0.5℃も下がれば発熱による辛さは大きく軽減されます。

詳しい回答:「効かない」と感じるのは何故か?

 『カロナール』が効かないと感じる場合、その状況は主に以下の3つのケースが考えられます。

①薬を飲んでも、熱が全く下がらない
②薬を飲んでも、熱が少ししか下がらない
③薬がまだ効き始めていない

①薬を飲んでも、熱が全く下がらない場合

 全く熱が下がらない場合、確かに『カロナール』の量が足りていない可能性もゼロではありません。

 しかし、基本的に子どもの解熱剤は体重に合わせて厳密な計算のもとに処方されます。「薬が足りない」という可能性はあまり一般的ではありません。

例:『カロナール細粒』の処方量:アセトアミノフェン10~15mg / kg

 最も考えられる可能性として、まだ「熱が上がり続けている状態」であることが挙げられます。
 解熱剤を使っていなかったらもっと高熱になっていたところ、薬によって熱が上がらず、かといって下がりもしなかった状態、と言えます。
解熱剤で熱が下がらない場合

 この場合、実質は薬が効いていることになります。

 高熱が続いてしんどい場合には『カロナール』を追加で服用することも可能ですが、次の服用まで最低でも4時間の間隔をあけなければなりません1)。

 1) カロナール細粒 添付文書

 それまでの間は、首の付け根・脇の下・脚の付け根などを保冷剤で冷やす(三点冷却法)など、薬以外の方法で体温を下げる処置をする必要があります。

薬剤師としてのアドバイス①:熱が上がっている状態での解熱剤や冷却には注意

 このとき、あくまで熱を下げるのは”高熱による辛さ・不快感”を和らげるためであることに注意します。

 特に、熱が上がっている時には、ヒトは「寒気」を感じる傾向があります。この状態で解熱剤を使ったり、身体を冷やしたりすると、「寒気」がひどくなる恐れがあります。
熱が上がっている時の冷却
 もし本人が不愉快に感じるのであれば、無理に行う必要はありません。

②薬を飲んでも、熱が少ししか下がらない

 解熱剤で36~37℃の平熱付近まで下げる必要はありません。

 解熱剤の目的は、高熱による辛さや不快感を緩和することです。熱を下げても根本的な治療にはなりませんので、0.5~1℃程度も下がれば、解熱剤としては十分に効果が発揮されていると考えられます。

 ほんの0.2~0.3℃であっても、本人の辛さが緩和されていれば、解熱剤の目的は達せられています。

③薬がまだ効き始めていない

 薬は、飲んでから薬が効き始めるまでしばらく待つ必要があります

 『カロナール』はTmaxが0.43~0.59時間です1)。そのため、30~40分程度で効果が出始めると考えられます。
 ただし、発熱の状態を考慮すると、効果が実感できるまで1時間程度かかる可能性もあります。

薬剤師としてのアドバイス②:発熱は、生体の防御反応

 発熱は、細菌やウイルスに対する生体の正常な防御反応です。なんでもかんでも熱を下げれば良い、というわけではありません。
 通常、38℃までの熱であれば下げる必要もなく、またそれ以下にまで薬で解熱する必要もありません。

 ただし、40℃を超えるような高熱を出す場合には、インフルエンザ等の感染症の疑いがありますので、必ず病院を受診するようにしてください。

+αの情報①:インフルエンザの時は、『カロナール』を使う

 インフルエンザの時の解熱剤としては『カロナール』が安全であると、日本小児神経学会から評価されています。他の『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』や『ボルタレン(一般名:ジクロフェナク)』などの解熱鎮痛薬は使用を避ける必要があります。

 特に小児の場合、インフルエンザの時に『ロキソニン』などの解熱鎮痛薬を使うと、「インフルエンザ脳症」を起こす恐れがあります。
 大人の場合は使用することもありますが、「インフルエンザ脳症」が起こらないわけではありません。家に『ロキソニン』や『ボルタレン』があるからといって、自己判断で使用しないようにしてください。

 ※『ロキソニン』などのNSAIDsと、『カロナール』の違い

+αの情報②:痛みの場合は『ボルタレン』の坐薬という選択肢もある

 『カロナール』の鎮痛効果は優しめです1)。そのため、痛みが強い場合には十分な効果が得られないこともあります。

 その場合、1歳から使える強力な鎮痛薬として、坐薬の『ボルタレンサポ』があります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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