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薬の誤解 不整脈

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不整脈の薬を飲んだら、副作用で不整脈を起こす?

回答:薬が効き過ぎると起こる

 脈拍が速過ぎる場合(頻脈)には脈拍をゆっくりにする薬を、脈拍が遅過ぎる場合(徐脈)には脈拍を速くする薬で治療を行うのが基本です。

 そのため、薬が効き過ぎて脈が必要以上に遅くなったり速くなったりする、といった事態が起こります。
頻脈と徐脈

 こうした事態を”副作用で不整脈が起こる”と表現する場合がありますが、薬が効き過ぎたことによる副作用であって、薬が新たに別の機序で不整脈を生むというわけではありません。

 抗不整脈薬は不整脈を治療する薬であるにも関わらず、不整脈に禁忌であったり、副作用に不整脈があったりするのには、逆の使い方をしてはいけない、薬が効き過ぎると反対側の不整脈になる、といった理由があります。

詳しい回答:抗不整脈薬の目的

 上記のように、不整脈は頻脈か徐脈か、更にその原因によって詳細に分類されています。またそれに応じて、抗不整脈薬も「Vaughan Williams分類」や「Sicilian Gambit分類」などによって分類され、厳密な管理が行われます。

 抗不整脈薬は、不整脈によって突然死に至ったり、動悸などの不快な症状が出たり、あるいは血液の流れが滞ることで血栓ができてしまったり、といったことを防ぐために使用します。

 極論、多少の不整脈があっても生活に支障がなく、特にリスクにもならないのであれば治療する必要はありません。

頻脈性不整脈:脈が速くなって起こるものの例

■心室細動
 心臓が原因の突然死の大半を占めます。血液を全身に送り出す心室が細かく震えている状態で、ポンプとして全く機能しなくなります。
 細かく震えているので”頻脈”に分類されますが、実際には心停止状態と同じです。現在、心室細動から回復するための自動体外式除細動器(AED)が各地に設置されています。

■心房粗動
 正常な心臓では、洞結節で電気信号が発生し、その電気を正しい伝導路で導いて収縮を行います。心房粗動の場合、間違った伝導路で電気信号が伝わり、余分な脈拍が生じ、頻脈を起こすことがあります。

■トルサード・ド・ポアント
 「QT延長」が原因の、心室性頻拍の一種。心臓のポンプ機能が著しく低下し、突然死に至ることがあります。様々な薬の副作用で起こる可能性があることから、最近広く注意喚起されています。

■WPW症候群における頻脈性心房細動
 WPW症候群(Wolf-Parkinson-White Syndorome)とは、心房と心室の間に余分な電気伝導路が先天的に存在する疾患です。余分な伝導路があるために不必要な脈拍が生じ、頻脈になることがあります。

徐脈性不整脈:脈が遅くなって起こるものの例

■房室ブロック
 心臓を収縮させる電気信号を伝える伝導路が、途中で切れたもの。伝導路が切れた先には電気信号が伝わらないので、心臓が動かなくなります。これによって正しいリズムで心臓が拍動しなくなり、失神や突然死に至ることがあります。
 通常、ペースメーカーの適応になります。

■洞不全症候群
 心臓を収縮させる電気信号を生み出す「洞房結節」が、何らかの影響で電気信号を正しく生み出さなくなった疾患です。これによって正しいリズムで心臓が拍動しなくなり、失神や突然死に至ることがあります・
 房室ブロックと同様、ペースメーカーの適応になります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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