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抗血小板薬 抗凝固薬

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『ワーファリン』と『バイアスピリン』は併用できる?~抗凝固薬と抗血小板薬を併用できない場合の対応

回答:病気によっては併用することもある

 「抗凝固薬」の『ワーファリン(一般名:ワルファリン)』と、「抗血小板薬」の『バイアスピリン(一般名:アスピリン)』は、どちらも血液をサラサラにする薬ですが、それぞれ全く別の病気に使う薬です。

 「抗凝固薬」が必要な心不全・不整脈と、「抗血小板薬」が必要な動脈硬化・狭窄を合併している場合には、『ワーファリン』と『バイアスピリン』を併用することがあります。

 ただし、より出血しやすくなる恐れもあるため、必要に応じて『ワーファリン』だけに切り替えることもあります。

回答の根拠①:「抗凝固薬」と「抗血小板薬」の両方が必要になる状況

 動脈硬化・狭窄によって「抗血小板薬」を使っている時に、新たに心房細動(不整脈)を起こしたため「抗凝固薬」も必要になる、といった状況はよくあります。

 この場合、元からの動脈硬化・狭窄に『バイアスピリン』、新たに起きた心房細動に対して『ワーファリン』と、「抗凝固薬」と「抗血小板薬」を併用することになります。
抗凝固薬と抗血小板薬の併用

回答の根拠②:併用による出血リスク

 『ワーファリン』と『バイアスピリン』を併用すると、それぞれを単独で使っている場合よりも、出血のリスクが1.75倍に高まることが報告されています1)。

 1) Stroke.39(6):1740-5,(2008) PMID:18388341

 そのため、「抗凝固薬」と「抗血小板薬」の両方が必要になった場合でも、安易に追加するのではなく、出血のリスクに注意し、必要に応じて薬を減量・調節する必要があります。

回答の根拠③:『ワーファリン』と『バイアスピリン』、どちらを優先すべきか

 『ワーファリン』は、抗血小板薬の代わりとしてある程度の効果を発揮します。
 実際、本来は『バイアスピリン』が必要な脳梗塞に対して『ワーファリン』を使っても、『バイアスピリン』と同じだけの効果が得られることがわかっています2)。※ただし副作用も多いため、通常は『バイアスピリン』を使います

 2) N Engl J Med.352(13):1305-1316,(2005) PMID:15800226

 一方で、『バイアスピリン』は『ワーファリン』の代わりにはなりません
 本来は『ワーファリン』が必要な心房細動に対して『バイアスピリン』を使っても、全く効果が無い上に、出血のリスクが高まることが報告されています3)。

 3) Stroke.37(2):447-451,(2006) PMID:16385088
ワーファリンとバイアスピリン~お互いの代わりになるのか

 このことから、「抗凝固薬」と「抗血小板薬」の両方が必要になったものの、出血リスクを考慮しなければならなくなった場合には、「抗凝固薬」の『ワーファリン』を優先させるのが一般的です。

※「抗血小板薬」1種を使っている場合に、「抗凝固薬」が必要になった場合の例
→「抗血小板薬」を中止し、『ワーファリン』単独の治療に切り替える

※「抗血小板薬」2種を使っている場合に、「抗凝固薬」が必要になった場合の例
→「抗血小板薬」を1種に減らし、『ワーファリン』を追加する

薬剤師としてのアドバイス:治療の状況によって、併用したり切り替えたりする

 「抗凝固薬」の『ワーファリン』は、PT-INRの値を測定しながら細かく増量・減量して使います。

 一方、「抗血小板薬」もPCI(経皮的冠動脈形成術)を行った直後は『バイアスピリン』と『プラビックス(一般名:クロピドグレル)』の2種を併用し、施術から1年程度が経過した時点で『バイアスピリン』1種に減らす、といった調節を行います。

 いずれも、薬が効き過ぎて出血する、といった事態を防ぐための調節です。

 「抗凝固薬」と「抗血小板薬」を併用する場合も、薬を減らし過ぎて血が固まってしまうこと、薬を増やし過ぎて出血すること、その両方に注意しながら、適切な量に調節します。
 その場合に、どちらの薬を優先するのか、どういった調節を行うのかは、必ず主治医の指示に従うようにし、自己判断で勝手に薬の飲み方を変えたりしないようにしてください。

+αの情報:新規抗凝固薬が、「抗血小板薬」の代わりになるかどうかはわからない

 『バイアスピリン』などの「抗血小板薬」の代わりとして、脳梗塞にある程度の効果が確認されている「抗凝固薬」は『ワーファリン』だけです。

 『プラザキサ(一般名:ダビガトラン)』や『イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)』などの新しい抗凝固薬でも同様の効果が得られるかどうかは、わかっていません。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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