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似た薬の違い ピロリ菌

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『ランサップ』の400と800、違いと使い分けは?~ピロリ除菌の成功率と喫煙の影響

回答:「クラリスロマイシン」の用量が違う

 『ランサップ』は、ピロリ菌の一次除菌に使う薬です。
ランサップの400と800
 『ランサップ400』は、「クラリスロマイシン」の1日量が400mgです。
 『ランサップ800』は、「クラリスロマイシン」の1日量が800mgです。

 一次除菌では、「クラリスロマイシン」を1日400mg使う方法と、1日800mg使う方法の2パターンがあります。そのため、必要に応じて『ランサップ400』と『ランサップ800』を使い分けます。
 ただし、通常の除菌成功率に差はないため、副作用を減らすため薬の量が少ない『ランサップ400』を使うのが一般的です。

回答の根拠①:「クラリスロマイシン」の用量で効果に差は無い

 もともと、ピロリ菌の一次除菌では、「クラリスロマイシン」を800mgで使う方法しかありませんでした。
 しかし、「クラリスロマイシン」の用量を400mgにしても除菌成功率に違いがないことが確認されたため1,2)、2007年に400mgの方法も保険適用が認められました3)。

 1) Helicobacter.6(3):254-61,(2001) PMID:11683930
 2) J Gastroenterol.35(7):536-9,(2000) PMID:10905362
 3) 大正製薬 「ヘリコバクター・ピロリ除菌療法 OAC3剤併用療法 用法用量変更について」 (2007)

 現在では、使う薬の量は少ない方が副作用も少なくなるため、通常は『ランサップ400』を使うこと(「クラリスロマイシン」400mgの方法を選ぶこと)が推奨されています3)。

 3) 日本ヘリコバクター学会「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン (2016)」

喫煙者は『ランサップ800』の方が良い?

 喫煙者では、「クラリスロマイシン」400mgより800mgの方が、ピロリ除菌の成功率が高いことが報告されています4)。

 4) Digestion.75(2-3):63-8,(2007) PMID:17476101

 これは、喫煙によって胃粘膜の血流量が悪くなることなど、様々な要因が考えられています。
 今後も、喫煙など除菌成功率を低下させる要因によっては、『ランサップ800』を使った方が良いとする報告がされる可能性もあり、その人の体質や生活環境によって使い分ける必要があります。
 

回答の根拠②:違いは用量だけ、使い方などは全て同じ

 『ランサップ400』と『ランサップ800』は、どちらもピロリ菌の一次除菌で使う薬です。「クラリスロマイシン」の用量が異なるだけで、用法や服用期間などもすべて同じです5)。そのため、添付文書も共通です。

※使う薬の1日量
ランサップ400:アモキシシリン1,500mg、クラリスロマイシン400mg、ランソプラゾール30mg
ランサップ800:アモキシシリン1,500mg、クラリスロマイシン800mg、ランソプラゾール30mg

※用法
ランサップ400:1日2回、7日間服用
ランサップ800:1日2回、7日間服用

※適応症
ランサップ400:アモキシシリン、クラリスロマイシンに感性のヘリコバクター・ピロリ
ランサップ800:アモキシシリン、クラリスロマイシンに感性のヘリコバクター・ピロリ

 5) ランサップ 添付文書

薬剤師としてのアドバイス:体調を万全にし、薬をきちんと飲み切ることが大切

 ピロリ除菌は、きちんと薬を飲んでいても、耐性菌や体質の問題で失敗してしまうことがあります。そのため、現在日本ではそういった人たちもフォローできるよう、二次除菌まで保険を使って行うことができます。

 しかし、保険を使って除菌できるのは、全部でこの2回だけです。それ以降は、自費診療扱いとなってしまいます。
ピロリ除菌の回数~一次、二次除菌と保険の有無
 除菌の際には、通常より多めの抗生物質を使うため、多くの人が何かしらの副作用を感じる傾向にあります。それによって、薬を自己判断で中断してしまう人が少なくありませんが、薬を途中で止めてしまうと除菌に失敗し、貴重な1回を棒に振ってしまうことになります。

 そのため、除菌をする際には体調を万全に整え、多少の副作用(軟便・口内炎・胸やけなど)であれば我慢して最後まで薬を飲み切ってしまうことをお勧めしています。
 ただし、体調の異変は危険な副作用の兆候である可能性もあるため、どんな副作用であれば我慢していても良いのか、予め医師・薬剤師に聞いておくようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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