『モーラス』の「テープ」と「パップ」、同じ貼り薬の違いは?~吸収率と貼り替え回数、粘着力とかぶれやすさ


回答:1日1回で良い「テープ」、かぶれにくい「パップ」

 『モーラス(一般名:ケトプロフェン)』の「テープ」と「パップ」は、どちらも痛み止めの貼り薬です。

 「テープ」は、1日1回で良く、粘着力が強いため剝がれにくい製剤です。
 「パップ」は、皮膚のかぶれが少ない製剤です。
モーラステープとパップ
 効き目に大きな違いはないため、関節などの良く動かす部分には「テープ」、皮膚が弱い人には「パップ」と、貼る場所や皮膚の状態によって使い分けるのが一般的です。



回答の根拠①:用法の違い~経皮吸収率の違い

 基本的に、「テープ」剤の方が「パップ」剤よりも、皮膚からの吸収率が良い傾向にあります。
 実際、『モーラス』の「テープ」と「パップ」を同じように貼り付けた場合、「テープ」の方が吸収率が高く、角質には高い濃度で有効成分が移行することがわかっています1)。

 1) モーラステープ インタビューフォーム

 そのため、吸収の良い「テープ」は1日1回、吸収がやや劣る「パップ」は1日2回と、貼りかえる回数が異なります2,3)。
モーラステープとパップ~皮膚からの吸収率
 2) モーラステープ 添付文書
 3) モーラスパップ 添付文書




回答の根拠②:粘着力の違い~適した場所と皮膚のかぶれ

 「テープ」剤は、「パップ」剤よりも粘着力が強く、関節など動きの激しい場所に貼っても剝がれにくいのが特徴です。しかしその分、剥がす時にかかる皮膚の負担も大きくなり、かぶれやすくなります。
モーラステープとパップ~粘着力とかぶれ
 実際、『モーラス』の「テープ」と「パップ」とでは、「テープ」の方が接触性皮膚炎を起こしやすい傾向があります2,3)。

※接触性皮膚炎の発生頻度
モーラステープ・・・4.67%
モーラスパップ・・・2.04%

 特に、痛み止めの貼り薬は痛む部分に貼る必要があるため、毎日同じ場所に貼り続けることがほとんどです。そのため皮膚への負担が蓄積し、かぶれやすくなります。
 高齢者の場合や、背中や腰などあまり動かない場所に貼る場合は、「パップ」の方が少ない副作用で使い続けられる薬と言えます。



薬剤師としてのアドバイス:色や匂い、使用感も踏まえて選ぶ

 現在は、貼り替えの手間が少ない上、薄く肌色で目立たない『モーラス』の「テープ」が広く使われています。
 しかし、「パップ」はかぶれにくいだけでなく、貼り替えるたびにひんやりとして気持ちが良い、分厚くて患部の保護になる、といった利点もあります。

 どちらの剤型が適しているかは、貼る場所や使う人の状況・好みによっても変わるため、使いにくさを感じる場合は一度その旨を主治医と相談するようにしてください。


ポイントのまとめ
1. 「テープ」剤は、1日1回の貼り替えで済み、粘着力も強いため、関節などよく動かす部分に適している
2. 「パップ」剤は、「テープ剤」よりもかぶれにくいため、腰や背中などあまり動かさない部分に適している
3. 使い心地や目立たなさで選ぶこともあるので、好みは主治医に伝える





添付文書、インタビューフォーム記載内容の比較

◆有効成分
モーラステープ:ケトプロフェン
モーラスパップ:ケトプロフェン

◆用法
モーラステープ:1日1回
モーラスパップ:1日2回

◆併用注意(相互作用)
モーラステープ:『リウマトレックス(一般名:メトトレキサート)』との相互作用
モーラスパップ:なし

◆接触性皮膚炎の発生頻度
モーラステープ:4.67%
モーラスパップ:2.04%

◆貼り薬の色
モーラステープ:淡褐色~褐色
モーラスパップ:白

◆1枚の大きさと重さ
モーラステープ:20mg(7cm×10cm:1g)、40mg(10cm×14cm:2g)
モーラスパップ:30mg(10cm×14cm:10g)、60mg(14cm×20cm:20g

◆製造販売元
モーラステープ:久光製薬
モーラスパップ:久光製薬



+αの情報①:1日1回で良い『モーラス』の「パップXR」という製剤

 『モーラス』の「パップ」剤の中でも、『モーラスパップXR』は、1日1回の貼り替えで良い製剤です4)。
モーラスパップXR
 4) モーラスパップXR インタビューフォーム

 痛み止めの貼り薬は腰痛に対してもよく使われますが、あまり動かさない腰であれば「テープ」剤である必要はなく、また自分の背中側に貼った薬を頻繁に貼り替えることは非常に手間です。

 この点、『モーラスパップXR』は皮膚への負担も少なく、また貼り替えの手間も半分に減らせるため、高齢者の腰痛などにより適した貼り薬と言えます。



+αの情報②:剥がした後も、直射日光に注意

 『モーラス』の「テープ」や「パップ」を貼っていた部分を直射日光に当てると、紫外線による皮膚炎(光線過敏症)を起こすことがあります。
 この「光線過敏症」を避けるため、基本的に剥がしたあと4週間は患部を遮光する、屋外での活動を避けるなど、できる限り直射日光を避ける必要があります5)。

 5) モーラステープ 製剤の注意書き

 「光線過敏症」は、貼り薬を剥がしてから数ヶ月経ってから起こった事例もあり、中には全身の皮膚炎を起こす場合もあります。

 家族や知人の薬を勝手に使っていた場合は、こうした副作用が起きても「副作用被害救済制度」の対象外となってしまいます。たかが貼り薬と侮り、他人と薬を譲受したり、指示された場所以外に貼ることはしないようにしてください。



 ~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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