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消化性潰瘍治療薬 薬の誤解

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「胃もたれ」の解消に胃薬の『ガスター』、これって正しい?~空腹時と食後、どちらの「胃もたれ」か

回答:間違っている可能性がある

 『ガスター(一般名:ファモチジン)』は、胃酸の分泌を抑える薬です。そのため、胃酸の出過ぎ(過多)によって起きている「胃もたれ」を解消することができます。

 しかし、胃酸が減って起きている「胃もたれ」に使うと、更に胃酸が減るので逆効果です。

 一般的に、空腹時の「胃もたれ」は胃酸の出過ぎ、食後の「胃もたれ」は胃酸の減少が原因と言われていますが、はっきりしない場合は一度病院を受診しましょう。

 

回答の根拠:「胃もたれ」という、ざっくりした表現

 「胃もたれ」という表現は、非常に大ざっぱです。そのため、胃酸の出過ぎが原因の「胃もたれ」なのか、胃酸が減ったことが原因の「胃もたれ」なのか、混同してしまう原因になります。
胃酸過多と胃酸減少

 『ガスター』等の「H2ブロッカー」や、『ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)』等の「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」は、どちらも胃酸の分泌を抑える薬です。
 出過ぎている胃酸を抑えることによって、「胃もたれ」を始め、胃潰瘍や逆流性食道炎といった症状を改善します。

 一方、胃酸が減ることで起きる「胃もたれ」もあります。こうした「胃もたれ」に『ガスター』を使うと、更に胃酸が減少して症状がひどくなる恐れがあります。

 何か治療を始める前にまず、自分の「胃もたれ」は胃酸が多過ぎるのか少な過ぎるのかを見極める必要があります。
 

詳しい回答①:胃酸の多い・少ないを見分ける方法

 一般的に、胃酸の多い・少ないは以下のような特徴の症状として現れます。

 空腹時の「胃もたれ」は胃酸過多食後の「胃もたれ」は胃酸減少、というのが一般的ですが、はっきりわからない場合は、消化器内科を受診することをお勧めします。

■胃酸が多いときの症状例 (『ガスター』が適している症状)
・胸焼け
・げっぷが多い
・お腹が空くと、胃が痛む
お腹が空いた時に、胃もたれする

■胃酸が少ないときの症状例 (『ガスター』が逆効果な症状)
・食欲がない
・胃の中にガスが溜まったような、膨満感がある
・ご飯を食べた後に、胃もたれする

詳しい回答②:胃酸が少ないときの対処法

 胃酸が減って起きる「胃もたれ」の場合、主に消化不良が起こります。そのため、消化酵素を補って消化を助けてあげることによって、その症状を改善することができます。

 その際、『タフマックE』や『エクセラーゼ配合カプセル』等、消化酵素を配合した薬が適しています。

 また、市販の胃薬には『太田胃酸』のように、酸を抑える成分と、消化を助ける成分の両方が配合されているものもあります。
 
 こうした薬は、胃酸が増えた減ったと細かく分析する必要もないので、幅広い効果を期待して気軽に使用できる薬と言えます。

薬剤師としてのアドバイス:薬を使ってもすっきり治らない場合は病院へ

 『ガスター』などの胃酸分泌を抑える薬は非常に強力です。時に、胃がんなどの大きな病気の症状さえ鎮めてしまいます。
 そのため、安易に『ガスター』を長期で使っていると胃がんなどの大きな病気を見落としてしまうことにも繋がりかねません。

 また、繰り返す胃炎は「ピロリ菌」を除去することで根本的に治療することも可能です。

 基本的に市販薬は、一時的な症状を治めるために使用し、長期間に渡って続けて使用しないようにしましょう。

+αの情報:繰り返す胸やけは「機能性ディスペプシア」を疑う

 胃や食道に明らかな病変が無いにも関わらず、胃もたれや胸やけを繰り返す場合、「機能性ディスペプシア」である可能性があります。

 この「機能性ディスペプシア」の場合、胃薬を続けて使うのではなく、『アコファイド(一般名:アコチアミド)』で治療することができます。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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