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似た薬の違い 薬の誤解

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「アスピリン」を飲んでいるから、『ワーファリン』は飲まなくても良い?~抗血小板薬と抗凝固薬

回答:「アスピリン」は、『ワーファリン』の代わりにはならない

 『バイアスピリン(一般名:アスピリン)』などの「アスピリン」製剤は、「抗血小板薬」です。
 『ワーファリン(一般名:ワルファリン)』は、「抗凝固薬」です。

 「抗血小板薬」と「抗凝固薬」は全く別の薬で、作用も異なります

 そのため、「アスピリン」が『ワーファリン』の代わりになる、ということはありません。2種を処方されている場合は、必ず2種を服用するようにしてください。

回答の根拠①:抗血小板薬と抗凝固薬の違い

 「抗血小板薬」と「抗凝固薬」は、どちらも血液をサラサラにする薬ですが、それぞれ全く異なる目的で使う薬です。
抗凝固薬と抗血栓薬~赤色血栓と白色血栓

抗血小板薬

 『バイアスピリン』などの「抗血小板薬」は、血小板によって作られる”白色血栓”を防ぐための薬です。

 ”白色血栓”は、主に動脈で形成される血栓です。動脈では血液の流れも速いため、小さな血小板が主体となって血栓を作ります。

 主に動脈硬化が原因となる血栓症です。

抗凝固薬

 『ワーファリン』などの「抗凝固薬」は、凝固因子によって作られる”赤色血栓”を防ぐための薬です。

 ”赤色血栓”は、血液の流れが滞った際にできる血栓です。血液の流れが滞ると、凝固因子(フィブリン)が赤血球を巻き込みながら血栓を作ります。

 主に不整脈や心不全が原因となる血栓症です。

回答の根拠②:心房細動に「アスピリン」を使っても、血栓予防の効果はない

 実際、『ワーファリン』などの「抗凝固薬」を使うべき”心房細動”の患者に、「アスピリン」を使用した時の血栓予防効果について検討した臨床研究があります。

 この研究では、「アスピリン」では効果が無かったどころか、出血のリスクが増大するだけであったことが報告されています1)。

 1) Stroke.37(2):447-51,(2006) PMID:16385088

薬剤師としてのアドバイス:食事制限が不要な、新しい抗凝固薬も登場している

 『ワーファリン』を服用中は、納豆や青汁、ブロッコリーなどビタミンKが豊富な食品を摂取できません(摂取すると薬の効果が低下し、血栓ができてしまいます)。

 このように食生活が不便になるため、服用を敬遠してしまう人も大勢おられます。このとき、「アスピリン」製剤は『ワーファリン』の代わりにならないことは先述の通りです。

 しかし現在、『ワーファリン』のように食事制限の必要ない新しい「抗凝固薬」がいくつも登場しています。どうしても食事制限が億劫な場合は、一度主治医の先生と相談してみることをお勧めします。

※新規抗凝固薬の例
『プラザキサ(一般名:ダビガトラン)』
『イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)』
『エリキュース(一般名:アピキサバン)』
『リクシアナ(一般名:エドキサバン)』

 ただし、新しい「抗凝固薬」は、『ワーファリン』よりも飲み忘れた時の効果切れがシビア(半減期が短い)で、また『ワーファリン』ほどまだ使用実績が無いなど、欠点もあることに注意が必要です。

+αの情報:『ワーファリン』は、「アスピリン」の代わりになることもある

 「抗凝固薬」の『ワーファリン』は、脳梗塞に対して「アスピリン」と同等の効果が得られることが報告されています2)。

 2) N Engl J Med.352(13):1305-16,(2005) PMID:15800226

 そのため、出血リスクの観点から「抗凝固薬」と「抗血小板薬」を併用できない場合には、『ワーファリン』単独での治療を行うことがあります。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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