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痛風治療薬 似た薬の違い

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『フェブリク』と『ザイロリック』、同じ尿酸生成抑制薬の違いは?~作用する酵素と薬の相互作用、腎障害時の用量調整

回答:『フェブリク』は、『ザイロリック』の相互作用を減らした1日1回の薬

 『フェブリク(一般名:フェブキソスタット)』と『ザイロリック(一般名:アロプリノール)』は、どちらも尿酸値を下げる薬(尿酸生成抑制薬)です。

 『フェブリク』は、『ザイロリック』が持つ様々な薬との相互作用を減らすように改良された薬で、1日1回の服用で『ザイロリック』よりも高い効果が期待できます。また、『フェブリク』は腎機能が多少低下していても用量調節が必要ないことも特徴です。

 ただし新しい『フェブリク』の方が値段も高いため、必要に応じて『ザイロリック』と使い分けます。

回答の根拠①:『フェブリク』の相互作用の少なさ

 『フェブリク』と『ザイロリック』は、どちらも「尿酸」を作る酵素「キサンチンオキシダーゼ」を阻害することで、尿酸の生成を減らす作用があります。
 しかし、『ザイロリック』は「キサンチンオキシダーゼ」だけでなく、よく似た構造を持つ他の「プリン代謝酵素」にも作用してしまいます。そのため、色々な薬と相互作用を起こすリスクが少なくありません。

 『フェブリク』は、こうした他の「プリン代謝酵素」には作用せず、「キサンチンオキシダーゼ」だけを特異的に阻害するように改良された薬です1,2)。
フェブリクとザイロリック~作用する酵素の違い
 1) フェブリク錠 添付文書
 2) Life Sci.76(16):1835-47,(2005) PMID:15698861

 実際、『ザイロリック』では『ワーファリン(一般名:ワルファリン)』や『ネオーラル(一般名:シクロスポリン)』といった薬と相互作用を起こすため併用注意とされていましたが、『フェブリク』では併用にも問題ないようになっています3,4)。

 3) ザイロリック錠 添付文書
 4) フェブリク錠 インタビューフォーム

回答の根拠②:『フェブリク』は1日1回で高い効果が得られる

 『フェブリク』を1日40mg(1日1回)で飲んだ場合と、『ザイロリック』を1日300mg(1日3回)で飲んだ場合、16週間後に尿酸値6.0mg/dL以下をどれだけ達成できるかを検討した結果、『フェブリク』の方が達成率が高かったことが報告されています4)。
フェブリクとザイロリック~服用回数と効果
※尿酸値6.0mg/dLの達成率
『フェブリク』1日40mg(1日1回)・・・・・・・90.0%
『ザイロリック』1日300mg(1日3回)・・・・73.7%

 つまり、『フェブリク』は1日1回と少ない負担で、より高い効果を得られる薬と言えます。

回答の根拠③:腎機能低下時の用量調整

 腎障害がある場合、『フェブリク』や『ザイロリック』といった「尿酸生成抑制薬」による治療が中心になりますが、『ザイロリック』は腎障害の程度によって用量を調節する必要があります5)。

※腎機能低下時の『ザイロリック』の用量調節 5)
通常用量 ・・・・・・・・・・・・ 1日200~300mg
30mL/min<Ccr≦50mL/min・・・1日100mg
Ccr≦30mL/min・・・・・・・・・1日50mg

 5) 日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)」

 一方、『フェブリク』は腎機能が低下した人に投与しても副作用の発生頻度は変わらなかったことが確認されています4)。そのため、投与実績の少ない重度の場合を除き、軽~中等度の腎機能低下患者であれば通常用量で使うことができます。

薬剤師としてのアドバイス:尿酸値は急に下げたり、発作中に変動させたりしない

 尿酸値を急に下げると、痛風発作を起こすことがあります。そのため、『フェブリク』や『ザイロリック』は少ない量から飲み始める必要があります。
 また、痛風発作が起きている時に薬を飲んだり止めたりすると、発作が悪化する恐れもあります。

 痛風の薬を飲んだら痛風になった、という話をしばしば耳にしますが、これらは尿酸値を急に下げたり、発作が起きている時に薬を飲んだり止めたりした場合がほとんどです。

 発作が起きた場合には主治医と対応を相談し、自己判断で薬の飲み方を変えないようにしてください。

ポイントのまとめ

1. 「キサンチンオキシダーゼ」に特異的に作用する『フェブリク』は、相互作用が少ない
2. 『フェブリク』は1日1回の服用で、『ザイロリック』よりも高い効果が期待できる
3. 『フェブリク』は軽~中等度の腎障害であれば、用量調節が要らない

添付文書・インタビューフォーム記載事項の比較

◆適応症
フェブリク:痛風・高尿酸血症、がん化学療法に伴う高尿酸血症
ザイロリック:痛風・高尿酸血症を伴う高血圧症

◆用法
フェブリク:1日1回
ザイロリック:1日2~3回

◆最大用量
フェブリク:60mg
ザイロリック:300mg

◆併用禁忌・併用注意に挙げられた薬の項目
フェブリク:4種類
ザイロリック:14種類

◆腎障害時の用量調節
フェブリク:重度の腎障害がある患者には慎重投与
ザイロリック:腎機能障害のある患者では、減量や投与間隔の延長を考慮

◆剤型の種類
フェブリク:錠(10mg、20mg、40mg)
ザイロリック:錠(50mg、100mg)

◆製造販売元
フェブリク:帝人ファーマ
ザイロリック:グラクソ・スミスクライン

+αの情報①:体から尿酸を排泄させる『ユリノーム』

 体に「尿酸」が溜まる原因には、尿酸を作る量が増えることと、尿酸の排泄が減っていることの2つがあります。

 『ザイロリック』や『フェブリク』はどちらも尿酸の合成を阻害するため、尿酸を作る量が増えたタイプ(尿酸産生過剰型)に効果的な薬です。
 一方、尿酸の排泄が減っているタイプ(尿酸排泄低下型)には『ユリノーム(一般名:ベンズブロマロン)』が使われます。

+αの情報②:痛風発作がなくても尿酸値は下げた方が良い?

 高尿酸血症を放置すると、腎障害のリスクが高まることが報告されています。

※腎障害の発症リスク 6)
尿酸値が9.0mg/dL以上・・・3.12倍
尿酸値が7.0~8.9mg/dL・・・1.74倍

 米国内科学会が2016年に発表したガイドラインでは、発作が再発しない限りは薬を使わないという選択肢も残していますが、腎障害に関しては保留にしています7)。

 6) J Am Soc Nephrol.19(12):2407-13,(2008) PMID:18799720
 7) Ann Intern Med.1,doi:10.7326/M16-0570,(2016) PMID:27802508

 今後のより詳細な研究が待ち望まれています。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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