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解熱鎮痛薬・NSAIDs 外用剤

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『ロコアテープ』ってどんな薬?~『ヤクバン』の光学異性体と枚数制限、「ハッカ油」の意味

回答:1日2枚までしか使えないが、従来の貼り薬よりも強い効果が期待できる薬

 『ロコアテープ(一般名:エスフルルビプロフェン)』は、「変形性関節症」の痛み止めに使う1日1回の貼り薬です。

 従来の貼り薬と比べると吸収率が高く、より強い効果が期待できる反面、痛む場所の広さや数に関わらず、1日2枚までしか使えません
 また、飲み薬の痛み止めとの併用にも注意する必要があります。
ロコアテープの特徴
 製剤には「ハッカ油」も含まれていますが、何かの効能・効果を目的としたものではなく、有効成分である「エスフルルビプロフェン」の溶解補助剤として配合されています。

回答の根拠①:『ロコアテープ』の高い鎮痛効果と、光学異性体の成分量

 『ヤクバンテープ(一般名:フルルビプロフェン)』には光学異性体「R体」と「S体」の両方が含まれていますが、鎮痛効果の本体は「S体」で、「R体」は「S体」の1,000分の1程度の作用しかありません1)。
 『ロコアテープ』は、この鎮痛効果の高い「S体」だけを抽出して作られた薬です1)。
ロコア~ヤクバンのS体
 1) ロコアテープ インタビューフォーム

 『ロコアテープ』では、この鎮痛効果を発揮する「S体」の量が『ヤクバンテープ』よりも増えているため、鎮痛効果もより強力になっています。

※有効成分の比較 1,2)
ロコアテープ ・・・・・・・・ 「S体」40mg
ヤクバンテープ(40mg)・・・「S体」20mg + 「R体」20mg
ヤクバンテープ(60mg)・・・「S体」30mg + 「R体」30mg

 2) ヤクバンテープ 添付文書

 実際に『ロコアテープ』では、「変形性関節症」で問題となる起立時・歩行時の痛みを、『ヤクバンテープ』など従来の貼り薬よりも強く抑えられることが報告されています1)。
 このことから、『ロコアテープ』はより強力に改良された痛み止めと言えます。

『ロコアテープ』は、1日1回の貼り替えで良い

 『ヤクバンテープ』の用法は1日2回でしたが、『ロコアテープ』は1日1回の貼り替えで良くなっています1)。

 痛み止めの貼り薬は通常、痛みのある同じ場所に貼り続けるため、貼り替えの回数は少ない方が皮膚への負担も少なく抑えることができます。

回答の根拠②:枚数制限と血中濃度

 『ロコアテープ』は、『ヤクバンテープ』など従来の貼り薬よりも経皮吸収率が高く、2枚貼ると「フルルビプロフェン」40mgを1日3回飲んだ時と同じ血中濃度に達することがわかっています1)。
ロコア~血中濃度
 そのため、1日に3枚以上貼ると血中濃度が必要以上に高くなり、胃を荒らすなどの副作用を起こす恐れがあります。
 また、既に痛み止めを服用した場合と同じ血中濃度に達しているため、『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』などの痛み止めの飲み薬を併用することも、できるだけ避ける必要があります。

回答の根拠③:「ハッカ油」の配合意図

 『ロコアテープ』には、「エスフルルビプロフェン」と「ハッカ油」が含まれています1)。

 「ハッカ油」は有効成分の主体である「エスフルルビプロフェン」の溶解補助剤として使われているもので、何かの薬効を期待する成分ではありません。
 しかし、薬効量に匹敵する量が含まれているため、有効成分の一つとして扱われています3)。
ロコア~ハッカ油の意味
 3) 2015年8月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事

薬剤師としてのアドバイス:従来の貼り薬と同じ感覚では使えないことに注意

 『ロコアテープ』は強い鎮痛効果が期待できる貼り薬ですが、3ヶ所以上(両脚と腰など)に貼ることはできません。
 また、飲み薬の痛み止めを一緒に使うこともできるだけ避ける必要があるなど、従来の貼り薬と同じような感覚で使うことはできません。

 特に、痛み止めの貼り薬は家族間や友人・知人間で譲り渡しが起こり、勝手な使い方をしてしまうケースが多い薬ですが、他人に処方された薬で起きた副作用では、「副作用被害救済制度」の給付を受けることはできません

 万が一、副作用が起きた時のためにも、他人に薬を譲ったり、家族間で薬を使いまわしたりすることは止めるようにしてください。

 

+αの情報:光線過敏症の副作用は、現在のところ報告されていない

 『ロコアテープ』では、光パッチテストでの皮膚障害は確認されていません1)。
 また現在のところ、『モーラステープ(一般名:ケトプロフェン)』などの痛み止めの外用剤で問題となる「光線過敏症」などの副作用(光毒性)も確認されていません。

 このことから、より皮膚障害の少ない貼り薬としても期待されています。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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