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消化性潰瘍治療薬 薬の飲み方

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『ネキシウム』などのPPIは、食前に飲んだ方が良い?~食事とPPIの効果

回答:食前というより、胃の中で食事と一緒になるタイミングで飲む方が良い

 『ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)』や『タケプロン(一般名:ランソプラゾール)』などの、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に分類される胃酸分泌抑制薬は、食前で処方されることがあります。

 これは、食事によって胃のプロトンポンプが刺激され活性化している時の方が、PPIの効果が高くなるからです。
PPIを食前に飲むメリット~食事による活性化
 つまり、お腹に何も入っていない時の方が効果が高いという意味での「食前」ではなく、胃の中で食事と一緒になるようなタイミングで薬を服用する必要がある、という意味の「食前」です。

 そのため、食前・食後にこだわるよりも、食事のタイミングと合わせて服用することが大切です。

回答の根拠:PPIの効果と食事の影響

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、食事によって胃のプロトンポンプが活性化している時の方がより高い効果が発揮されます。
 実際、食事を摂らない場合よりも、食事を摂った場合(食事の15分前に服用)した方が胃内pHへの効果が大きく、胃酸を抑える効果が高くなることが報告されています1)。
PPIと食事の関係
 1) Best Pract Res Clin Gastroenterol.27(3):401-14,(2013) PMID:23998978

 このことから、PPIは寝る前などの空腹時に服用するよりも、夕食時(できれば食前)に服用する方がより高い効果が期待できると言えます。

保険適用外の使い方を避ける意味も

 夜間に胃酸分泌が増えるような難治性の逆流性食道炎などに対しては、PPI単独での治療では十分な効果が得られないことがあります。

 そういった際、PPIを朝夕の2回で服用したり、『ガスター(一般名:ファモチジン)』などのH2ブロッカーと併用するといった治療を行う場合がありますが、これらの方法は保険適用外の使い方です。きちんと科学的根拠のある治療方法ですが、保険適用外である以上は可能な限り避けなければなりません。

 そのため、まずはPPIを食事と一緒に、できれば食前に服用するという、保険適用の範囲内でできる工夫を行うことがよくあります(※PPIの用法は1日1回で、食前・食後の指定はありません)。

薬剤師としてのアドバイス:同じ「食前」でも、意味が違う

 薬には「食前」で飲むべきものがいくつもありますが、その理由や意味は異なります。

 漢方薬は、胃の中に食べ物があると吸収が悪くなるため、お腹が空っぽの状態(食前)で飲んだ方がよく効きます。
 糖尿病の薬は、食後に血糖値が急上昇するのを避けるため、食事をする前(食直前)に飲んでおく必要があります。
 吐き気止めの『ナウゼリン(一般名:ドンペリドン)』は、食事によって吐き気が悪化しないよう、食べ物が胃腸を刺激する前(食前)に飲んでおく必要があります。

 そのため、同じ「食前」の薬であっても、飲み忘れた場合の対応は大きく異なります。
 医師・薬剤師から指示された用法と異なる飲み方を自己判断ですることは危険ですので、飲み忘れた場合の対応は予め医師・薬剤師に聞いておくことをお勧めします。

+αの情報:『ガスター』は寝る前に飲むことも多かった

 同じ胃薬でも、『ガスター』などのH2ブロッカーは、寝る前に飲むことがあります。

 これは、H2ブロッカーはPPIよりも夜間の胃酸を抑える効果が強力なため、特に夜間に胃酸過多が起こる難治性の逆流性食道炎(NAB)に対して、H2ブロッカーを寝る前に服用するのが効果的だからです。

 これに対して、PPIは日中、特に食事時に効果が高まる薬です。同じ胃薬と思って寝る前に使うと、効果が弱まってしまう恐れもあるため、PPIとH2ブロッカーはきちんと区別して考える必要があります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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