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薬の飲み方 子どもの薬

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学校や保育所・幼稚園に行っている間の薬、どうしたら良い?~お昼の薬の工夫

回答:朝・帰宅時・寝る前の3回でも良いこともある

 1日3回の子どもの薬のうち、「お昼の薬」は学校や保育所・幼稚園に行っているために飲ませられない、といった相談をよく受けます。

 子どもの薬は、多くが食事による影響を受けない薬です。そのため、「毎食後」で処方された薬でも、「朝食後」・「帰宅時」・「寝る前」の3回で飲むという方法でも良いことがあります。
1日3回毎食後の薬~食後の必要性
 ただし、中には食事の影響を受けるために「食前」や「食後」で飲まなければいけない薬もあります
 そのため、自己判断で勝手に飲み方を変えるのではなく、薬を受けとる際に予め薬剤師に「お昼の薬」の飲み方を工夫して良いかどうかを確認しておくようにしてください

回答の根拠①:小児科や耳鼻科でもらう薬の多くは、食事の影響を受けにくい

 薬には、食事の影響を受けやすいものと、受けにくいものがあります。

 子どもが小児科や耳鼻科でもらう薬は、多くが食事の影響を受けにくい薬です。そのため「毎食後」で処方されていても、必ずしも食後にこだわる必要はありません。

 こうした薬は、「毎食後」で処方されていても「朝食後、帰宅時、寝る前」の3回で服用しても問題はありません。
毎食後の薬~昼を飲めない場合
 ただし、「帰宅時」と「寝る前」の薬の間は、最低でも4時間以上あけるようにしてください。

※小児科や耳鼻科でよく処方される、1日3回の食後でなくとも良い薬の例
≪抗生物質≫
『サワシリン(一般名:アモキシシリン)』
『ユナシン(一般名:スルタミシリン)』
『セフゾン(一般名:セフジニル)』
『ファロム(一般名:ファロペネム)』
『ホスミシン(一般名:ホスホマイシン)』
『オゼックス(一般名:トスフロキサシン)』

≪咳や痰の薬≫
『ムコダイン(一般名:カルボシステイン)』
『ムコソルバン(一般名:アンブロキソール)』

『アスベリン(一般名:チピペジン)』

 実際これらの薬は、添付文書上の用法でも「食前」や「食後」の指定はありません。

なぜ「毎食後」と書くのか

 食事の影響を受けにくい薬は、添付文書でも1日2回や1日3回と服用回数は決められていても、「食前」や「食後」とは明記されていないものがほとんどです。
 しかし保険請求上、「食前」や「食後」といった服用のタイミングを記載する必要があります。

 そのため、多くの人にとって一般的な認識である「薬=食事の後に飲む」ことに合わせて、「1日2回朝夕食後」や「1日3回毎食後」といった「食後」で処方されます。

回答の根拠②:「食後」と指定されている薬もある

 食事の影響を受けやすい薬は、効果的かつ安全に薬を使うために用法も「食後」か「食前」で飲むタイミングが指定されています。

※小児科や耳鼻科でよく処方される、1日3回で「食後」が指定されている薬の例
1)
『メイアクト(一般名:セフジトレン)』・・・食前だと約25%低下
『トミロン(一般名:セフテラム)』・・・食前だとAUCが低下
『フロモックス(一般名:セフカペン)』・・・食前だとAUCが約30%低下

 1) 各医薬品 インタビューフォーム

※小児科や耳鼻科でよく処方される、「食前」が指定されている薬の例
『ナウゼリン』・・・「食前」の指定。食後では吸収が2倍近く遅れる2)。
『クラバモックス』・・・「食直前」の指定。食後では「クラブラン酸」の吸収が顕著に低下する3)。

 2) Eur J Drug Metab Pharmacokinet.6(1):27-36,(1981) PMID:7250149
 3) クラバモックス小児用配合ドライシロップ インタビューフォーム

 こうした薬の飲むタイミングを勝手に変えると、薬の効き目が不安定になり、体調に悪影響を及ぼす恐れがあります。

「飲み忘れ」の方が問題になることもある

 食事による影響にも大きなものから小さなものまで、かなりの幅があります。

 確かに食事の影響はゼロでないものの、「飲み忘れ」が起きてしまった方が悪影響が大きいような場合には、「食後」などの用法にこだわらないケースもあります。
飲み忘れのリスクと用法が変わるデメリット
 特に1日3回の抗生物質は、お昼の1回だけであれば融通を利かせられる場合がほとんどです。お昼の薬に困っているのであれば、一度、主治医や薬剤師と相談してみることをお勧めします。

薬剤師としてのアドバイス①:意味のある「食後」かどうかを確認する

 薬の飲み方である「食後」には、保険請求上の問題から書かれた特に意味のない「食後」と、効果や安全性の点から意味のある「食後」とが混在しています。

 そのため、全ての薬が「食後」でなければならない、全ての薬は「食後」にこだわらなくて良い、というわけではありません。

 意味のある「食後」かどうかは薬によって異なるため、必ず事前に主治医・薬剤師に確認するようにし、自己判断で勝手に飲み方を変えないようにしてください。

薬剤師としてのアドバイス②:乳幼児は、お腹が空いている時の方が薬も飲んでくれる

 乳幼児の場合、お腹が空いている時の方が薬もすんなりと飲んでくれる傾向があります。
 そのため、本来は「食後」の薬であっても「食前」で処方されることがあります。

 薬によって、こうした工夫をしても良いかどうかは個別に異なるため、困っていることがあれば主治医・薬剤師に遠慮せず相談するようにしてください。

 
 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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