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ステロイド(外用) 薬の塗り方

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手荒れに「ステロイド」を塗っても、家事ですぐとれてしまう。塗り直ししても良い?

di-ster

回答:塗り直しは控える

 「ステロイド外用剤」は、何度も塗り直す薬ではありません。必要最低限の回数に留めるべきです。

 家事などで薬がとれてしまう場合は、家事が終わってから塗布するようにしてください。

 また「ステロイド外用剤」は、塗ると有効成分がすみやかに皮膚に吸収されます。30分も経過していれば十分に薬が浸透しているため、塗り直しは必要ないと考えることもできます。

 どうしても何度も塗り直しをしたい場合には、ステロイドの含まれていない『亜鉛華軟膏』や保湿剤、市販のハンドクリームなどを合わせて使うことをお勧めします。

注意事項:前もって伝えたいこと

 「ステロイド外用剤」に対して問題のある認識をしている人には、極端に恐れる人と、”たかが塗り薬”と侮る人の、二通りがあります。

 薬を極端に恐れて使用を控えてしまい、湿疹やアトピーが悪化し、かえって皮膚に悪影響を与えている人に対しては、定期的に受診し指示通りに薬を使っていれば問題ない、と指導します。

 ”たかが塗り薬”と侮って、顔に強い薬を塗ったり、原因不明の痒みにずっと薬を塗るなど、勝手な使い方をするような人に対しては、元に戻らない副作用があるので止めるように指導します。

 基本的に、定期的に受診して医師の診断を受け、指示通りに使用している限り、「ステロイド外用剤」によって大きな副作用に見舞われることは、滅多に起こりません。自宅に航空機が墜落してくる事象くらいの確率でしか起こりませんので、神経質になる必要はありません。

 しかし、勝手な使い方をすると副作用の恐れは大きくなります。”たかが塗り薬”と侮ることは非常に危険です。

 

回答の根拠①:何度も塗ることのリスク

 「ステロイド外用剤」を不適切なほど大量に使用すると、皮膚が薄くなって見た目が黒ずむ等の副作用が起こる恐れがあります。
 この副作用は薬を中止したとしても元には戻りません。そのため、「ステロイド外用剤」を何度も塗り直しすることは非常に危険です。

 間違った強さのステロイドを使う、薬の使用回数が増えることで副作用の危険は増すため、指示された回数以上に使用することは止めるべきです。

回答の根拠②:原則、1日2回まで

 「ステロイド外用剤」は、1日1回でも1日2回でも治療効果に差がなかったとする報告があります1)。

 1) Health Technol Assess.4(37):1-191,(2000) PMID:11134919

 しかし、この報告では完全寛解ではなく、ある程度の改善効果までをまとめた報告のため、その治療効果には大きな幅があります。

 実際の現場では1日2回でなければしっかりと治らないことも多々あります。
 ガイドラインにおいても「ステロイド外用剤」は朝・夕(入浴後)の1日2回を原則とし、症状が落ち着いてきたら1日1回に減らす、とされています2,3)。

 2) 日本皮膚科学会 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
 3) 日皮会誌.118:325-42,(2008)

回答の根拠③:薬が皮膚に吸収される速さ

 「ステロイド外用剤」は、いずれの薬もインタビューフォームに”すみやかに吸収される”と記載されています。具体的な時間について記載はありませんが、この”すみやかに”という表現は30分以内と解釈しても良いと考えています。
 このことから、塗布して15~30分経過していれば薬は十分皮膚に浸透しているため、塗り直しは必要ないと考えられます。

※他の外用剤では、吸収にかかる時間について記載があります。
例:『オキサロール(一般名:マキサカルシトール)』・・・軟膏は4時間、ローションは6時間後に皮膚中の薬の濃度が一定になる

薬剤師としてのアドバイス:神経質にならず、油断もせず

 皮膚が薄くなるなどの副作用は、不適切なほど強力な「ステロイド外用剤」を、長期間、大量に使用していた場合に起こるものであって、医師の診察を定期的に受け、指示通りに使用している場合には心配要りません。

 急激に悪化する副作用でもないので、定期受診の際に医師がその兆候を見つけてから対処することでも十分です。こうした初期の兆候だけであれば、薬を中止したり、弱いランクに切り替えることによって元に戻ります。

 皮膚の症状は人によって様々です。痒みが酷く、また掻き破ってしまう方が皮膚により悪影響を与えるような場合には、1日2回以上で使用することもあります。
 ただし、その場合にも必ず医師の指示によって使用し、勝手な判断で使用回数を増やしたり減らしたりしないようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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