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ステロイド(外用) 薬の塗り方

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『ヒルドイド』と「ステロイド」の塗り薬、どちらを先に塗れば良い?~塗布順序と効果の差

回答:どちらが先でも、効果に違いは無い

 『ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)』などの「保湿剤」と「ステロイド」の塗り薬は、どちらを先に塗布しても、効果に大きな違いはありません。そのため、順番にこだわる必要はありません。
ヒルドイドとステロイドの塗布順序
 しかし、特に指示がない場合は「①保湿剤⇒②ステロイド」の順をお勧めしています。

 これは、「ステロイド」を不必要に塗り広げてしまわないことと、「保湿剤」を塗る際に「ざらつき」を感じた場所に「ステロイド」を使う、という方法がとれることが理由です。

回答の根拠①:塗布順序で効果に大きな違いは出ない

 「ステロイド」の塗り薬は、単独で使うよりも『ヒルドイド』などの「保湿剤」と一緒に使った方が、湿疹などの治療効果は高くなります1)。

 1) Pediatr Dermatol.25(6):606-12,(2008) PMID:19067864

 そのため、「ステロイド」と『ヒルドイド』はよく一緒に処方されます。
 この時、塗布する順序を入れ替えても、治療効果に影響するほどの吸収差は生じないこと2)、また副作用のリスクも変わらないこと3)が、それぞれ報告されています。
ヒルドイドとステロイドの塗布順序と効果、副作用
 2) 西日皮膚.73(3):248-52,(2011)
 3) 日皮会誌.123(14):3117-22,(2013)

 そのため、塗布順序には強くこだわる必要はありません。

混合は、使いやすさを向上させるため

 『ヒルドイド』と「ステロイド」は混合してから塗布しても、薬の吸収に大きな差は生じないとされています3)。

 しかし、混合した薬であれば一度の塗布で済むなど使いやすいことから、多くの人で薬をきちんと使い続けられる傾向にあります。
 そのため、結果としてより高い治療効果を得られる場合があります。

回答の根拠②:「保湿剤」→「ステロイド」の順を勧める理由

 塗り薬は、「広く塗布する薬」を先に、「狭く塗布する薬」を後にして重ねるのが基本です。広く塗布する薬を後にすると、先に塗布した薬を不必要に塗り広げてしまうことになるからです。
保湿剤とステロイドの塗布順序
 「ステロイド」を健康な皮膚にまで塗り広げてしまうことは、望ましくありません。
 特に、症状が皮膚の一部だけにある場合には、先に「保湿剤」を周辺にまで広く塗布し、「ステロイド」はその上からピンポイントで重ね塗りする、という方法をお勧めしています。

「保湿剤」を塗りながら、皮膚の状態を確認する

 「ステロイド」は中途半端に使うのではなく、皮膚が健康な状態になるまでしっかりと使うことが大切です。
 皮膚が健康な状態になったかどうかの目安は、見た目だけでなく、触り心地も違いがわからないくらい「滑らか」になっていることです。
ヒルドイド→ステロイドを勧める理由
 そのため、「保湿剤」を塗りながら皮膚の触り心地を確認し、「ざらつき」を感じた部分には「ステロイド」を塗布する、という方法ができるのも、「①保湿剤⇒②ステロイド」の順を勧める理由の一つです。

薬剤師としてのアドバイス:ステロイドはしっかりと使う

 「ステロイド」の使用量を減らそうとするあまり、必要な場所にまで薬を塗らなくなり、湿疹を何度もぶり返してしまう、というケースは非常にたくさんあります。こうしたぶり返しをすると、最終的に使う薬の量も増え、薬を使う期間も長くなってしまいます。

 また、炎症が長引くと皮膚に色素沈着が起こってしまう原因にもなります。

 できるだけ短い期間で治療を完了できるよう、塗り薬は十分な量を使うようにしてください。

ポイントのまとめ

1. 『ヒルドイド』と「ステロイド」は、どちらを先に塗っても効果に大差は無い
2. 特に指示がなければ、「ステロイド」を不必要に塗り広げないよう、①保湿⇒②ステロイドがお勧め
3. 「ざらつき」を感じる部分はまだ完治していないので、「ステロイド」が必要

+αの情報:「ローション」剤の場合は注意

 『ヒルドイド』にも「ステロイド」にも、液体状の「ローション」という剤型があります。
 軟膏やクリームなどを塗布した上から「ローション」を使うと、先に塗布した薬が流れ落ちてしまう恐れがあります。

 基本的に、使いやすい順序で使うという姿勢で問題ありませんが、場合によっては使い勝手が悪い、本来の効果が得られない、といった弊害が起こる可能性もあるため、新しい薬が処方された場合は医師・薬剤師に塗布順序を確認しておくようにしてください。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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