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抗生物質 市販薬・OTC

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抗生物質の飲み薬は、市販されている?~原因菌の特定と耐性菌のリスク

回答:されていない

 抗生物質の飲み薬は、市販薬にはありません。

 これは、感染症の原因となっている細菌の種類を特定しなければ、抗生物質を正しく使うことができないからです。
 間違った使い方で抗生物質を使うと、治療効果が得られないばかりか、薬が効かない「耐性菌」を生み出してしまう恐れもあり、非常に危険です。
抗生物質が市販されない理由

 そのため、抗生物質は医師の診察・処方でしか使うことはできません。

 

回答の根拠①:抗生物質は、感染症の原因菌を特定しなければ使えない

 一つの抗生物質が、全ての細菌に対して効果を発揮するわけではありません。

 例えば、『クラビット(一般名:レボフロキサシン)』と『フロモックス(一般名:セフカペンピボキシル)』は、どちらも細菌を退治する抗生物質です。
 ただし、それぞれ退治できる細菌の種類が異なるため、感染症の原因となっている細菌によって明確に使い分ける必要があります。
クラビットとフロモックス
 間違った抗生物質を使っても、感染症は治療できません。こうした原因菌の特定は医師でなければできないため、自分で薬を選ぶといったことはできません。

回答の根拠②:誤った使い方をすると、「耐性菌」ができる

 抗生物質は、誤った使い方をすると、薬が効かない「耐性菌」を生み出してしまう恐れがあります。

 1日1回や1日3回といった用法を守らなかった
 症状が治まったから途中で飲むのを止めた
 家族がもらった抗生物質を分けてもらって飲んだ
 家に残っていた抗生物質を自己判断で少しだけ飲んだ

 ・・・こういった使い方は、「耐性菌」を生むリスクが極めて高い、非常に危険な行為です。絶対に止めてください。

 細菌が「耐性」を獲得してしまうと、次からその抗生物質では効果が得られなくなってしまいます。

 安全に使える抗生物質の数には限りがあります。抗生物質を誤った使い方で使い続けていると、いずれ使える抗生物質が無くなってしまう恐れすらあります。

薬剤師としてのアドバイス:抗生物質は最後まで飲み切って、残さない

 感染症のぶり返しを防ぐ、「耐性菌」を生まない、といった観点から、処方された抗生物質は必ず最後まで飲み切り、残さないようにしてください

 市販されていない薬で手に入りにくいからと、次に似たような症状が出たときのために置いておく、という人は少なくありませんが、似たような症状であっても原因菌が異なり、使うべき抗生物質は全く異なるケースはたくさんあります。
 また、抗生物質は1回や2回飲んだからといって十分な効果は得られません。中途半端な抗生物質の使用は、「耐性菌」の最大のリスクになります。

 そのため、抗生物質を残しておくことに、全くメリットはありません。

 ただし、抗生物質を飲んでいて、脱水を起こしそうなくらい酷い下痢をしている、便に血液や粘液が混じっている、といった副作用が出ている場合などは、一旦飲むのを辞め、主治医に対応を相談するようにしてください。

+αの情報:「風邪」には抗生物質は要らない

 厳密には、「風邪(風邪症候群)」はウイルスによる感染症であって、細菌による感染症ではありません。そのため、抗生物質では全く効果がありません。

 それでも、風邪に抗生物質を処方された、と感じることがあります。
 それは、厳密には「風邪」と診断されたのではなく、「副鼻腔炎」や「扁桃炎」など細菌による感染症と診断されたからです。

 「鼻が出て、咳が出て、熱がある」という状態になると、多くの人は「風邪」だと自己判断します。
 しかし、正しくはそこから原因はウイルスなのか細菌なのかを見極め、更にどんな種類の細菌なのかを特定してからでなければ、抗生物質を使うという判断には至りません。
 

 このように、抗生物質を使える状況は極めて限られており、正しく使うためには豊富な専門知識が必要です。そのため、今後も抗生物質が市販薬として登場する可能性は極めて低いと考えられます。

安易な個人輸入はお勧めできない

 中には個人輸入等で薬を使う人もおられますが、個人輸入などで薬を使った場合、もし大きな副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり、一切の補償を受けることができません。

 そのため、全くお勧めはできません。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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★12月28日のYahoo!ニュース動画「抗生物質が効かなくなる日」に監修として携わりました。

★PharmaTribuneにて連載中

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